はじまり
全てのはじまりは、ここ日の元から始まった。
大きな器と小さな器が重なり合って、一つの大きな器が完成されたのです。
この器から様々な物が作り出されました。あなたの足元にいる蟻も大きな象もキリンも全てこの大きな器から作り出されたのであります。
さて、この大きな器とは、如何なる物かと申しますと、この器は、黄泉の国の入り口に作られた番人の器なのであります。この黄泉の番人こそが、あなた方が崇拝しているアマテラスなのであります。光の国と闇の国の間に立ち、番をしているのであります。このアマテラスこそが、この日の元の国々を治めているのであります。アマテラスの働きによりて、この日の元は、日の元として成り立っているのであります。
大きな器の元となった小さな器はツクヨミ。大きな器の元となった大きな器はスサノオなのであります。この三つの器が一つに融合して、光の国と闇の国、それぞれその番人として、そしてその間に立っているのが、アマテラスということであります。
光の国は全てが光り輝いているのであります。それぞれの物が、お互いを光り輝かせているのであります。物質としては、それぞれがそれぞれの存在を成り立たせている。つまり一方のみでは、成り立たない世の中なのであります。これを陰陽あるいは二元論と申します。
闇の国は光の国とは対照的に、お互いの光を消し合っている世なのであります。一方が一方を闇へと誘うのであります。それらは全てが暗黒へと誘われ、全てが闇となっているのです。しかし闇の中にも明るい闇と暗い闇があり、それぞれがより暗い闇となるために、各々際立たせているのであります。
スサノオが光の国を、ツクヨミが闇の国を支配しているのであります。
光の国は二元論、あるかなしの世であります。物質として存在しうるか否かの世なのであります。
闇の世は一元の世。全てが無へと向かっているのです。
アマテラスの世は、三元の世。光の国と闇の国とを朝夕と行き来しながら、三元となるのであります。