コーチの資格「ICF PCC」を取得するまで:実践したこと・気をつけたこと
2024年10月25日、国際コーチング連盟(ICF)が認定しているPCC(Professional Certified Coach)試験に合格しました。
このnoteでは、
について書いていきます。
すでに複数のコーチの方がICF Credentialing Examについての情報を発信しているので、「もう必要ないかな…」という気持ちもあったのですが、私が試験を受けるにあたり、先輩コーチの発信内容がとても参考になったこと、そして何よりとても勇気づけられたので、恩返し・恩送りの気持ちで書いておこうと思います。
これからICF試験にチャレンジする方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
そもそも資格取得って本当に必要なのか?
資格取得については、いろんな意見があると思います。
私は「仕事でコーチングメソッドを活用できたらいいな」という気持ちでコーチングを学び始めたので、もともと資格には全く興味がありませんでした。
ところが、コーチングを学び始めるとその面白さにどんどんはまっていき、コーチを職業にしたいという思いが湧いてきました。
そのときに考えたことは2つ。
ひとつは、「プロコーチ」には国家資格がなく、名乗ってしまえば誰でも「コーチ」になれてしまう。だからこそ、第三者機関に認められたプロコーチになりたいと思ったこと。
もうひとつは、私がクライアントだったら、何を基準にコーチを選べばいいか迷ってしまうので、何か判断基準になるものがあったらいいなと思ったこと。
どうせならコーチング業界でも多くのコーチが薦めている、国際的なコーチング機関であるICFが認める資格がいいと思い、資格取得を目指し始めました。
ICF Credentialing Exam合格に向けて実践したこと
私は、2023年6月にACC(Associate Certified Coach)に合格しています。
ACC取得から1年以上が経ち、ひとつ上の難易度であるPCCを取得するには、もう一度ICF Exam(ICF試験)を受験する必要がありました。
(※2024年10月現在の情報です)
実は、あのExamをもう一度受けるのかと思うとなかなか気が乗らなくて、ちょっと、いや、かなりグズグズしていました。
なぜなら、ACC受験の際、一度、不合格になっているからです。
2回目の受験で合格しましたが、ICFからはスコア以外のフィードバックがなく、何ができていて何ができていないのかはわからずじまい。
だから今回、またExamを受けないといけないと思うと、自信が持てなかったのです。
PCC受験に向けて、もう一度、イチからやり直す必要がある。でもそのパワーがなかなか湧いてこない…という状態が続いていました。
そんなときに、ICF Examにチャレンジする仲間を見つけて、ようやくおしりに火が付いたのです。
そんな私がPCC合格に向けて実践したことを、以下に書いておきます。
まず、「基本のき」として、以下を徹底的にやりました。
これは絶対にやっておいてほしいです。
あと、仲間と一緒に勉強することを強くオススメします!
私は2人のコーチ仲間とそれぞれ勉強の時間をとりました。
これは本当によかった!
2人のコーチと勉強したことで、多くの視点が得られたこと。
そして私は英語が苦手なのですが、ひとりのコーチはイギリス在住で英語ができる。受験申請手続きも一緒にやってもらって本当に心強かったし、サンプル問題を解くときも、日本語訳がイマイチよくわからないときは英語を見ながら2人で考えることができました。
1)倫理規定の理解
2)コアコンピテンシーの理解
この2つは、共に勉強する仲間とそれぞれディスカッションをしていきました。
一項目ずつ、「これって何を意味しているんだろうね」「具体的にどんなことが考えられるんだろう?」というように対話していきます。
ひととおり終わったところで、今度はICFのサイトに掲載されている「コーチング倫理のケーススタディ」を読んで、またディスカッションしていきました。
3)サンプル問題を解く
これも、それぞれで問題を解いてきた上で仲間とディスカッションしました。
「なんでこれがダメなの?」「選択肢2と3の違いは何?」「これはコンピテンシーでいうところのどれに当てはまるのだろう?」…という感じです。
1~3すべてにおいて、仲間との対話がとても役立ちました。具体的な事例を考えていくと理解が深まりますし、複数人の経験値が具体例となり、視点が増えます。
どうしてもわからないときは、メンターコーチとのセッションでテーマとして取り上げて理解を深めていきました。
メンターコーチとのセッションでは、倫理規定やコンピテンシーの理解を深めるだけにとどまらず、私が間違いやすいパターンに気づくことができたのが大きかった!
そしてこれはたまたまですが、メンターコーチも英語が堪能だったので、単語の意味やニュアンスをわかりやすく説明してもらえたことで、理解が深まっていきました。
ちなみに、ICFサイト以外にも、サンプル問題を掲載しているサイトなどもあります。ここでは詳細は記載しませんが、検索するといくつか出てくると思います。
4)ICFの動画を見る
全編英語です。
英語が苦手な私は自動翻訳に頼りっきりで、たぶん2~3割しか理解できていないです。
それでも、サンプル問題を解く際に参考にはなりました。
何人かの方もおっしゃっていますが、特に以下の動画がオススメです。
私のように英語が苦手な方は、ICFの動画を日本語で解説してくれているnoteもあるので、そちらもぜひ参考になさってください。
私も大いに参考にさせていただきました!
(※Takuさんに掲載許可をいただきました。ありがとうございます!)
5)体調&気持ちを整える
これが一番大事!
体調が優れないと、せっかく勉強したのに実力を発揮するのが難しくなります。
私はテストセンターで受験したのですが、手荷物は身分証明書以外、すべてをロッカーに保管しなければなりません。休憩時間にロッカーを開けることも許されませんでした。
喉が渇いていたのでロッカーにしまってある水を飲みたかったのですが、ダメだと言われました。ハンカチを取り出すことも、ティッシュを取り出すこともできませんのでご注意ください。
「基本のき」以外では…
・コンピテンシーやサンプル問題によく出てくる英単語をおさえておく
英語が苦手な方は、やっておくといいかも。
試験は日本語で受けられますが、言葉のニュアンスがよくわからないときがあります。
そんなときに英語ではどんな単語が使われているかを確認すると、日本語訳の理解が深まり、選択しやすくなることがありました。
・問題に書いてあること以外を想像しない。勝手な解釈を追加しない
「もし私だったら」ではなく、あくまでも倫理規定とコンピテンシーに当てはめてどうか、という視点を崩さないこと。
私はACCのときに「私だったら」を考えてしまって失敗しました。
・試験問題の選択肢はグラデーションになっていることを念頭に置く
明らかにBest、明らかにWorstという選択肢もありますが、そんな問題はあまり多くないように思いました。特にWorstはわかりにくい。2つのうちのどっちかだと思うんだけど…というところまでは辿り着いても、そこからの判断が難しい場合が多かったです。
私は、迷ったときには第1位から第4位を決める意識で考えるようにしていました。
・合格したあとのご褒美を考えておく!
いわゆる「予祝」です。
テストセンターでは、試験が終わって数分後には結果が出て、受付で試験結果をプリントアウトしたものが手渡されます。
私は、試験の前日に用事があって訪れたケーキ屋さんで目にしたメロンのショートケーキを見て、「合格して、絶対に試験の帰りに買って帰る!絶対に食べる!」と決めていました。
さいごに
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
あなたのお役に立てたら、とても嬉しいです。
最初は試験のことを考えると憂鬱でしかなかったのですが、今回、倫理規定とコンピテンシーについて学んだことで、自分のコーチングの品質について考える機会にもなりました。
「あー、これ、できてないな」
「ここは苦手なところだな…」
「これをもっと意識したらセッションの質が変わるかも!」
そんな風に思えた時間でしたし、スーパービジョンでフィードバックをもらうことと同じくらい、とても有意義で楽しい時間でした。
そして、これからもコーチとして研鑽したい。
これから先も学習し続けようと思います。
ICFのコアコンピテンシーにも、
という項目がありますしね。
最後に、
共に学んでくれた仲間、メンターコーチ、そして情報公開・共有してくれているコーチのみなさんに感謝します!
ひとりでクリアするのは難しかったと思います。
ここまで読んで、もし、この件でご相談やリクエストなどがあれば、どうぞお気軽にご連絡ください。
セッションを希望される方はこちら