大地の再生 #5タカキビの種まき
矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座。
今回は2日目の自然農の作業。
▼前回の記事
2日目、河原にほど近い畑で、タカキビの種まきを行なった。
畑となる場所は、双子葉植物の豊かな、気持ちのよい草原だった。
植生を見るに土壌はよさそうなのだが、これが畑になるのか? と思うほど草がみっちりと生えている。
よく見ると、外周には溝+しがらみ、内側にはうっすらと畝間の浅い溝の跡があった。
ここもこうした手入れの結果として草原になった土地なのだろうか。
準備
まずは、三ツグワなどを使って、外周の溝の中の土や有機物を溝の外に出す。時間の経過によって埋まりかけた溝をきれいにして、機能を回復させる。
その後、再び有機物を溝の中にしがらませて置き直した。
また、溝の周りを重点的に「風の草刈り」を行なって、空気の通りをよくした。
次に、長く伸びた畝に対して横方向に、ウィンナーの刻み目のように(実際の表現)、溝を入れる。
この溝は部分的にうっすらと残っていたが、ほとんど新たに掘るのと同じだった。
新しい溝を掘るときは、三角ホーや移植ごてなど、先の尖ったものを使う。
クワなどの先の平たい道具では、角の部分を使って掘る。
それにより、溝の形は底に向かって尖ったようになり、この一番低い点から地面がひび割れて、空気が入る道となるという。
大気圧との関係を話していたが、よく理解できなかった。大気圧が地面を押す力が集中することが大事なのかもしれない。
(コメの苗代の溝掘りでは三ツグワを使ったが、水はけをよくしすぎないための配慮かもしれない。)
そして溝を掘るときには、ただ手前に引くように掘るのではなく、道具を左右に振って刃の入る角度を変えながら掘る。
大地の再生の本によれば、この動作によりできる微妙な凸凹が、風や水の「渦流」の動きを生みやすく、そして渦流は、単調な流れよりも土の団粒化を促進するという。
溝を掘る作業によって、ブロック状に高さ15cm程度のベッド畝ができた。
播種
タカキビは背丈の大きい作物なので、条間50cm程度にして、すじ播きする。これがタカキビの広がりに対して風通しを確保できる幅という。
苗が雑草に負けないよう、種を播く部分だけは地際から草を刈って、移植ごてで横向きに掻くように浅い溝を掘る。
そこにぱらぱらと種を播いたら、雨が地表をなでるイメージで、播いた筋に沿って手で土をなで、溝に軽く土を落とす。
そうしたら、刈った草を上にのせて軽く手で押さえる。草による保水で、発芽環境をととのえる。
それぞれの筋には5株程度がよいというから、あとで間引くのだろう。
種まき後、上から畑全体を見たら、おもしろい地形になっていた。
こういう畑は見たことがない。
ふつうなら雑草をすべて取り除き、土を掘り起こすところだが、今回は雑草を生やしたまま、不耕起で種をまいた。
草を取らず、土を耕さなければ、手間は減るし、善玉の土壌菌を殺さずに済む。
ただ、土はある程度やわらかい必要があるだろう。
今回の講座で行なった作業はこれで以上となる。
▼次回、総括と感想、また今回学べなかった技術について。