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息子の誕生日
息子が12才の誕生日を迎えた。
大きな病気や怪我もなく、トラブルに巻き込まれるようなこともなく、ただ健やかにここまで育ってくれたこと、当たり前じゃないんだよなと感謝している。
月並みだけど、こどもの成長は何より嬉しい。
彼は最近、制服に付ける名札を自分で付けられるようになった。
手先がとても不器用で、今までは安全ピンをうまく扱うことができず、何度練習しても付けられずにイライラと癇癪を起こしていた。
それが今年の半袖シーズンに入ってから、なぜだか急にスッとできるようになり、名札を付けるも外すもお手のものになった。
それから最近、知的好奇心も旺盛で、近代の世界史に興味を持ち始めた。
どことどこの国が仲間だったとか、戦争したんだとか、植民地だ分断だなどと、難しいことをよく話している。
YouTubeから学んで私にもたくさん質問してくるのだけど、息子の方がすっかり詳しくなっているので、答えられないことも多く、私の学の無さがチャンスロスを招いているなと感じている。すまぬ、息子よ。自分で調べておくれ。
誕生日を迎えて年齢がひとつ大きくなって、その成長は本当に嬉しい、だけど寂しくもある。
あぁ、11才の息子にはもう会えないんだな、と。
それが感傷的すぎるような気が自分でもするし、昨日の息子と今日の息子、年齢以外に違うことなんか何もないんだけど。
ここ何年か息子の誕生日になると、後悔していることを思い出す。
息子が小学校入学の時に、家族3人で写真館に行って記念撮影をしてもらうつもりだった。
ただ、ちょうどその時期に息子の上前歯2本が抜けていて、当時はそれがちょっと間抜けな感じがして「せっかくお金払って撮ってもらうならわざわざこの状態で撮らなくてもいいか」と思ってしまい、結局撮らなかった。
でも、スマホに残るその時期の息子が恐ろしくかわいい。
小さくて、細くて、まだまだ幼くて、危なっかしくて、前歯のないとびきりスマイルでダブルピースをキメてる姿をいま見返してみると、涙が出るほどかわいい。
あぁ、やっぱりプロに撮ってもらっとけばよかったなー。
でも後悔したってあの日あの時は帰ってこないんだよな。
来年に中学校入学を控えていて、もう大きくなってきたし、小学校入学も撮らなかったし、そういう記念写真とかいらないかなと最近思っていた。
でもきっと数年後に「子供と大人の間の繊細な時期を撮ってもらって残しておけばよかった」とか言って、また後悔することになりそうだから、やっぱり撮りに行こう。
息子の将来について、つい心配ばかりが思い浮かんでしまうんだけど、息子の誕生日くらいは、日々の成長を喜び、過去のかわいさを懐かしんで、ここまでなんとか無事に育てられている自分と夫を褒める日にしたいと思う。