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ごほうび
普段は、自分の部屋でひとりで寝ている息子。
時々「今日は家族みんなで寝たい。」と言ってくるので、そんな時は理由を尋ねているんだけど、その理由が毎回かわいい。
「学校で体力テストを全力でやったから。」
「苦手な家庭科を2時間もがんばったから。」
「習字と図工が大変だったから。」
「もう今日は、マ・ジ・で・疲れたから。」
頑張った日や疲れた日に家族3人で寝ることを、ごほうびや充電方法だと思ってくれていて、かわいい。
夫は基本的に平日休みが多く、家族3人で休日を過ごすことは少ない。
珍しく3人で過ごせた休日にも、よくリクエストがくる。
嬉しそうに「今日はせっかく家族みんなで過ごせたから、寝るのも3人がいい!」と。
家族3人で過ごす時間を大切だと思ってくれていて、かわいい。
私が「じゃ、今日は3人で寝ますか!」と言うと、ピョンピョンと跳ねてご機嫌に「アゲてこうぜ!アゲてこうぜ!」と自作の歌を歌いながら、両手人差し指を顔の横に持っていき、アゲアゲポーズをしてみせてくれる。かわいい。
うちの息子は、不安がかなり強いタイプで人よりもできないことも多い。
もし、寝る前に嫌なことを思い出してしまう私の遺伝まであるとしたら、それらが合わさって、いつか睡眠に悩むようになるかもしれない、と息子がまだもっと幼かった頃に思った。
発達障害があると睡眠障害を併発しやすいと聞いたことがある。
だから、寝る時にはできるだけ穏やかでハッピーな精神状態でいられるようにと気を配っている。
・寝る前に叱ることは避け、寝る直前に見るのが母の怒った顔にならないよう気をつける。
・その日の息子のよかったところを笑顔でさらりと褒める。
・「おやすみ」を言う前に「今日も一日よくがんばりました!」や「今日もハッピーな夢を見られますように!」と明るい声かけする。
それくらいのことで何かの効果があるとは思えないけど、しないよりはマシなんじゃないかくらいの気持ちで多分8年くらい続けている。
たまのリクエストに応えて一緒に寝るのも、多少は心の安定に繋がるのではという思いからで、「高学年なのに〜?」などと茶化したりせず、できるだけ気持ちを受け止めるようにしているつもりだ。
息子も思春期に突入し、親と寝たいなんて言わなくなる日もきっと近いだろう。
川の字で眠るこの束の間の日々は、私にとってもごほうびであり、寝相の悪い息子の足が私の背中に与えるグイグイとした強い圧と一緒で、今しか感じられない幸せだと噛みしめて過ごしていきたい。