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デリヘル経営というビジネスを解説

こんにちは、九条です。
さて、元風俗店経営者としてデリバリーヘルスというビジネスモデルについてお話させてください。経営に明るい人以外にとっては意味が分からないだけの記事になる気もしますが……この手の話はネット上にもあまり転がってないですし、実験的に書いてみます!

私の経歴ですが、新卒時にデリヘルに就職して下働きから始まり、最終的には事業開発から経営まで任せていただきました。デリヘルは開業時は死ぬほど大変ですけど、箱を持たないので開業資金が少なくて済む、営業届が取りやすい、商圏が広い、ある程度軌道に乗ってからはスケールしやすい、というメリットがあります。

デメリットは参入障壁が低すぎて競争が熾烈=レッドオーシャンになることですね。ま、競争が熾烈と言っても玉石混交なので、ちゃんとやれば余裕で勝てますしそこそこ儲かるビジネスです。その「ちゃんとやる」ということを徹底することがすごく難しいんですけどね。




① 風俗産業におけるデリヘル業態の特徴


さて、利益構造として美容室やマッサージ店に近く、施術報酬が売上になるので、キャストの在籍数と店舗の抱える顧客数に業績が大きく依存します。しかも基本は顧客は商品であるキャストにつくのに、そのキャストが下手をするとバンバン入れ替わるので、規模が小さくて数人のキャストに売上を依存していたり、キャスト管理がしっかりできないと売上も計算できないことになります。

よって中長期での事業展望が予測し辛い点が、スケールしやすいと言えど、現実問題は事業拡大が難しくなる要因ですね。つまり、多少リスクとって攻めの経営ができれば、短期間でバカでかくなれるポテンシャルがありますよ、という話です。全従業員労働集約型なので、お金目的ならそこまでやるメリットとリスクが釣り合ってないのはさておき。

また顧客につきましては、新規と常連をどの程度の配分に収めるかが非常に重要です。結論から言うとソープや箱ヘルと比較して、デリヘルは商圏が広い分、新規開拓のインセンティブが大きいです。分かりやすく言うと、SNSやシティヘブンなどの風俗情報サイトをうまく活用してガンガン新規を呼び込むのが、他の風俗業種より重要です。なので規模を大きくする上では、広告予算の使い方と分析が鍵になります。


② デリヘルの商品とは何か


ではビジネスにおいて大切な要素の一つであるプロダクト、商品の品質保証の話をしましょう。ぶっちゃけこれが、デリヘルビジネスを難しくする最大の原因です。皆さん、デリヘルの商品てなんだと思いますか?

はい、女の子です。当たり前だと思いましたよね。

では、ソープや箱ヘルの商品てなんだと思いますか?おや、女の子だと思いましたか?実は違うんですね~~。テナント型の風俗店の本当の商品は立地、ブランド、コンセプト、サービスの質の担保です。売りが女の子だと勘違いしているお店はすぐ潰れます。なので高級ソープはサービスの質を一定に保つため、デリヘル嬢からしたら信じられない程、マニュアルが緻密で講習も多いわけですね。

そしてデリヘルは売りが「女の子」だからこそ、ソープ箱ヘルと比較して商品の品質保証が難しいです。極端な話、女の子が痩せたり太ったり、髪型変えたりタトゥー入れたりピアス空けたり、病んだり躁鬱発動したり、そんな些細なことで品質が大きく棄損されてしまうんですよ。


③ デリヘル客は何を求めているのか


デリヘルを好んで利用するお客様は、サービスの質はそこまで重要視していません。素人っぽい子とえっちなことをしたい、あわよくば掘り出し嬢を見つけたいというのがメイン需要です。はずれ嬢を引くのはご愛嬌、SSR嬢を引いた時の感動を求めてデリヘルヘビーユーザーはお店を渡り歩くわけです。ソシャゲのガチャに近い感覚だと思います。

そんなわけで、デリヘルユーザーの心理的にソープ店のように「このお店だから利用する!」という思考は働き辛いのが実情でして、新規を常連にコンバージョンするのは嬢次第という割合が大きいです。キャスト視点では、コンバージョンに成功するとしたら、大抵は意図的かはともかくとして色恋か、特別なサービス(意味深)故になります。

稀にお客様が電話対応に感銘を受けて、フリーで継続的にご利用いただけるという場合もありますが、結局電話に出た従業員=人依存というのは変わりません。つまり、お客様の信頼を裏切るような対応をする従業員を引いてしまうと、結局お店には来なくなります。

しかしその対応の一貫性まで徹底させる労力コストを考えたら、電話対応の品質保証は諦めざるをえません。残念ながら、責任ある優秀な高学歴人材が集まる業種じゃないですからね。


④ デリヘル経営で成功するためのポイント


要はデリヘルはどこまで行っても「人が売り」なので、「キャストも従業員も良い人材の確保」が至上命題です。となるとどうなるか?

結局のところ女の子が風俗で働く目的はお金なので、新規集客が多少不利になっても高単価店にするか、利益を削って女の子へのバック率を上げるのが最も有効です。最終的にどのラインが最も利益を最大化できるか、そこは経営センスの見せどころですね。

加えて、集客力のある稼げやすい店舗であることをキャストの皆さまに印象付けることも大切ですね。つまり広告費惜しむなってことです。これは単に風俗情報サイトにお金を出すだけでなく、風俗ブログやバクサイを利用したステマ、SNSや写メ日記の戦略徹底まで含みます。まぁ~ここまでやってる店舗は少ない。

じゃあ商品=女の子を品質保証しよう、という発想も難しいです。自由に出勤して気楽にそこそこ稼げるのがデリヘルの魅力ですから、体型や勤怠に口出ししたら速攻辞めます。だって女の子は別にこの店じゃなくても良いですからね。そして、やる気のある良質な人材は根こそぎ、稼ぎの良いソープなどに持っていかれますし、となるとデリヘルで良い女の子をラインナップできるかはぶっちゃけ運要素大きいです。

ただ、私みたいに女の子の管理が超上手い(風紀にならない、辞められない、頼られる)従業員がいれば、ある程度は店の売上を安定させられます。必死に上玉の女の子を集めるより、優秀な従業員を確保していく方がスケールする上では重視すべきでしょう。中々いねーーのはさておき。

さぁここまで読んで、ビジネスセンスのある方なら思ったかもしれません。「コンセプト系のデリヘル」にしたら?と。要は女の子に客がついちゃうのが問題なので、ソープや箱ヘルのようにコンセプトを売りにしてお店に客をつければ良いってことですね。

実際その通りで、近年はコンセプト系デリヘルしか生き残れない印象です。やっぱりコンセプトのあるお店の方が、お客様にとっても安心しますし定着しやすいですからね。オキニがやめても他のキャストに入ってくれやすいです。

ただ冒頭らへんで書きましたが、商圏が広いのがデリヘルのメリットなので、コンセプトを絞りすぎるとマーケットが縮小し、店舗単位ではうまくいっても事業全体のスケールは難しくなります。私が今から始めるならアイドル系、オフィス系、ビッチ系くらいの、ザックリしたジャンルコンセプトにとどめますかね。あとは経営力で勝負。


以上、特に整理せずにデリヘルビジネスについて、私の考えをバーーッと書き殴ってみました。経営者さんによっては、また異なる意見もあると思います。

とにかく、個人的な考えとしては人材リソースの確保維持で苦戦するので、そこにユニークな解決策を提示出来たら上手くいきます。私の場合は「女の子との付き合い方が絶妙」というスキルが役立ちましたね。

他は巷に溢れたノウハウ通り、基本に忠実にで問題ありません(それが一番難しいのかもしれませんが)。

最後までお読みいただきありがとうございます。いいねコメントいただけると喜びます。


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九条 -元夜職の裏話-
わぁ!これで明日も凌げそうですね♡