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自己紹介③ 借金返済のため風俗業界へ

こんにちは、九条と申します。
前回の記事の続き、生い立ちの続きです。



前回の記事の要約

ホストを辞めキャバクラのボーイを始めた私ですが、愚直に業務をこなしていくことで徐々に周囲との信頼関係を築いていくも、脇の甘さから風紀違反を疑われ、バイトはクビに。しかし妙に店長に気に入られた私は、知人の風俗店事業に関わってみないかと提案されました。


夜の世界へ入る時系列

・東京の大学に進学
・実家が倒産
・学生ホストになるが失敗
・黒服に転身するが風紀違反で退職
・学費が払えず大学除籍
・風俗店従業員に就職


⑧ 学費未納で大学を除籍処分


さて、風紀違反でクビになったキャバクラ店の店長から風俗店への就職を紹介された私ですが、同時に4年生前期の学費の納入期限も迫っていました。スマホに毎日学生課から電話があり、半年分の学費の納入を催促されます。

一方で実家にもついに、その時はやってきます。廃棄工場は完全に赤字だったので、家業を畳んで両親も働きながら本格的に残りの債務を返済することを決めました。従業員の受け入れ先も決まり、銀行との話し合いが終わり、会社と手持ちの不動産などは失いましたが、実家と生活に必要な一部の資産は残していただけることに……月々の返済額は25万です。

そんな中、両親には「なんとか一年分の学費くらいは工面できる」と言っていただきました。年金もあるし生活を切り詰めれば、死ぬまでに返済できるから心配しなくて良いと。しかし、同時に私の中で新たな思いも生まれていました。半年ですがそれなりに四苦八苦して社会経験を積み、目上の方々とのコミュニケーションスキルや謙虚さを学び、留年したとはいえちゃんと卒業すれば、もしかしたら一流企業へ就職することも不可能ではないでしょう。

会社の言うことをよく聞き、企業文化に迎合し、新卒の安い給与から少しずつ年功序列的に給与を上げていく立派な人生……それが私への両親の望みであることは確かでした。しかし、私に安定したキャリアを築かせるため、借金を返済しながら田舎で生活を切り詰めて定年後も働く両親の姿を、私は看過して一人平穏な生活を享受できるのだろうか?

それは決して良心の呵責ではなく、私のエゴでした。両親の老後まで続く返済生活を踏み台に、サラリーマンとして安定した保証されたキャリアを歩む自分の姿を想像し、そんな人生は絶対に受け入れられないと気付いたのです。

結果、私は両親に相談なく大学の学費の不払いを決め、除籍処分(中退とは異なり、成績証明書を発行いただけなくなります)になりました。今考えれば支払い義務のあるものを踏み倒しているので、良くないことですね。

そうして1年分の学費と仕送りの余りに、少額ですが半年分の稼ぎのいくらかを足し、合計200万程を確保して送り返しました。抱えていた債務と比較すれば雀の涙ほどのお金でしたが、それでも当面の立て直しの足しになればという思いです。


⑨ IT企業と偽ってデリヘルに就職


両親には大学は中退したという形で報告しましたが、父親も母親も私も、発する言葉を探してひたすら電話口で無言だったことを覚えています。進路については、バイト先の店長の紹介でITのベンチャー企業に就職すると、嘘を伝えました。

私はクビになったバイト先のキャバクラの店長の提案を受け入れ、新規に立ち上げたばかりのデリバリーヘルス事業に携わることに決めたのです。

デリバリーヘルス、通称デリヘルとは、お客様からご要望を受けて指定の場所(ホテルや自宅)に指定の時間、ご要望に沿ったキャストを派遣してマッサージなどのサービスを提供させていただくビジネスモデルです。

もちろん、ただ肩をもみほぐして終わりなんてことはありません。そこは決して安くないお金をいただきますから、キャストの皆さまはお客様の経済力と気前の良さに感銘を受けて、ほとんど毎回サービスの時間内は自由恋愛(意味深)が発生します。つまりそんな建前によって、デリヘルというビジネスは合法的に認可されているわけですね。

さて、私は個人事業主契約だったので、労働基準法なんて関係ありません。初月からサービス出勤も多く月28日労働、給与は25万、平均労働時間は1日14時間でした。代表に至っては最初の1年間、下手したら休みの日がなかったと思います。とにかく立ち上げたばかりでキャストも従業員も人が足りていなかったので、代表が一日中契約関連や人集めで奔走し、初月の店舗運営は私とマネージャーの2人で回していました。

これが本当に大変で……今ではそれなりに付き合えていますが、とにかくマネージャーとコミュニケーションの馬が合わず、最初はトラブル続きでしたね。幸いキャストの待機所は出資会社さんの事務所の1部屋を使わせていただいていたので、掃除などの雑務はありませんでしたが、備品の管理にキャストの出勤管理、電話受付やクレーム対応は私が担当し、派遣や送迎に経理面はマネージャーが担当という形で分担して、最初はミスが重なってお客様とキャスト双方からお叱りをいただくことも多かったですが、少しずつ運営業務をナレッジ化して安定させていきました。

最初の三ヶ月は本当に本当に大変で、正直キャリア選択を間違えたのではないか?と頭をよぎったこともありましたが、そんな迷いが一瞬で消えるほど寝ても起きても業務の毎日だったので必死でしたね。


⑩ 風俗業界で天性の才能を発揮


しかしこの代表というのが少し性格は難儀(失礼)なのですが、合理的思考とマネジメント力に非常に秀でた方でして、いち早く私とマネージャーの適性を見抜くと、早い段階で得意な業務に注力できるよう上手く役割分担を指示してくれました。

結論から言うと、1ヶ月目で既に実感していたのですが、私はキャストをモチベートして稼がせるのがすごく得意でした。もちろんホスト時代、ボーイ時代の経験も活きてはいるのですが、多分これに関しては天性の才能だったと思います。

ホストとお客様の距離感は私にとって近すぎでしたが、ボーイとキャストの定められた距離感は私にとって遠すぎました。妙に人を惹き付ける割にはパーソナルスペースが広い人間なので、どうしても無意識に女の子との距離感が微妙になってしまいがちでしたが、この距離感が風俗店従業員としては絶妙にハマった形になります。

それに風俗嬢の女の子ってキャバ譲の女の子と比較して自分に自信の無い子が多いんです。お酒の勢いもありませんし、信頼関係を築いて頼るようになってくれても、そんなに恋愛的な意味ではガツガツ来ない。なので浅すぎず深すぎない、適度な距離感で長く信頼関係を築きやすかったです。

ちなみに風俗従業員だと講習というもの(従業員がお客様役になってサービスを受ける疑似プレイ)をやらなくてはいけないのですが、私はとにかく仕事での性的な行為が苦手で興奮しなかったので大変でした。女の子も最初は不安で恥ずかしいので、服は率先して全部脱ぐようにしていましたが、あくまで行為は疑似的に口頭で説明して、それ以外の部分(入室、退室、会話の仕方、接し方、流れの作り方)を重点的に指導していましたね。

講習については、こちらが下心満載だとお店へ不信感を持たれるでしょうが、乗り気じゃないとそれはそれで女の子が落ち込んだり不安になるので本当に難しいところです……。ただ、正しく指導できれば女の子の売上、ひいてはお店のサービスの質と売上を大幅に上げられるので講習は重要です。吊り橋効果ではありませんが、お互いに肌を見せ合うことで、早期に女の子と一蓮托生的な信頼関係を構築できますし、キャストの管理面でもプラスです。

更に具体的に話すと、お客様だって初対面の女の子と接する時は緊張する方が多いですから、むしろ私がキャスト役になり、入店したばかりで不安な女の子をお客様に見立てて、どうやって心を開くのか実践して教えるよう意識していましたね。これはホスト時代の経験と知識も活きました。おかげさまで講習は好評だったので、下っ端のうちは任されることが多くて、それはそれで苦労しましたが……(笑)。

プライベートでは自分でも月に3~4回、自腹で同業他社のデリヘルを利用して勉強するようにしていましたね。電話対応からキャストさんとの会話まで、本当に学ぶことだらけで非常に役に立ちます。そこで得た知識を、見込みのあるキャストの子にフィードバックし、実践させることでお店のリピーターも増やし、売上を着々と伸ばしていきました。

どんな仕事でもそうだと思いますが、小事であろうと自分の役割一つ一つに向き合い、誠実にこなしていくのが成功の秘訣だと思います。月並みな言葉ですが、やはり小さな積み重ねが大きな変化を生み出しますからね。


さて、そこから風俗点従業員としてどのようになり上がっていったのかを書くと本1冊10万文字の文量に上りそうです。なので、自己紹介につきましては、一旦この辺りで締めくくらせていただきます。

その後の私の人生につきましては、風俗店に就職して8年で実家の借金を完済し、自分の昼の世界で独立するだけの資金も貯めることができました。「おや、最初1億5千万の債務があって10年で返済できたの?」と不思議に思いますよね。

倒産を経験したことのある経営者や債務整理に詳しい金融関係者、司法書士の方なら伝わると思いますが、裏技的な方法で示談という形に持ち込めたのが大きいです。ただ、もちろんそれでも数千万のお金は返済しましたよ。それらのエピソードの詳細もいつかお話するかもしれませんが、今は内緒です。

夜職の世界は女性だけでなく、男性にとっても覚悟を決めて身を捧げられるのあれば、人生を変えられるかもしれない夢のある世界です。私はお金がすべてとは決して思いませんが、未来と安寧はお金によって築かれるものであることも事実です。

もし夜職の世界に飛び込みたい方、そこで生きる方々がいましたら、ぜひたくさん稼いでください。私のnoteが今後、その助けになれば幸いです。

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