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虫愛その10【雌カマキリ~地上に堕ちた稲妻】

こんばんは、にゃんぷぅです

今日はにゃんぷぅの大好きなカマキリの雌についてお話します

新緑の季節になると、あちこちで小さな赤ちゃんカマキリを見かけるようになります(ここは山の中ですから^^)。小さなカマキリたちは生まれてきた時から立派なカマキリの形をしてまして、ピンと立ったお尻がとてもかわいいものです。

前の年の晩秋、お母さんカマキリたちが、持てる知恵のすべてを使い命の限りを振り絞って残した卵が無事に冬を越して春を迎えるのは一つのドラマ。

お母さんカマキリたちは漫然と卵を残すのではなくて、その年の冬の降雪はどこまで来るだろう、どれだけ寒いだろう、ということを本能で予測して一世一代の大事業(子孫を残すこと)にいそしみます

夏の終わりから秋口にかけてカマキリは恋の季節です

しかし一旦交尾を終えたらオスは用なしなので、目の前の雌には「良好なタンパク質」としか見えなくなるそうで、そのままバリバリと食べられてしまうらしい。

しかし、雌のほうもこれから待ち受ける一大事業の腹ごしらえと気合入れに命を凝縮する必要があったりして、それはそれでオスを食べ逃がした雌は、卵を産み残すことができないくらい痛手なはずです。たぶん。

どっちもどっちですね、、、自然はこういうとこ、ほんとにシビアです

さて、カマキリの雌たちは晩秋あたりに産卵期を迎えて、自分がここ!と思った場所に子どもたちのシェルターを作ります

ちょっとぱりぱりしたセロファンのような軽い保温素材の、幾層にもなったベージュのシェルター。家の柱やススキの茎や軒下など、あらゆるところに出現します。降雪が多そうな寒い年はその高さは高め、そうでないときはそろって低め、らしいです。雪に埋もれないぎりぎりを狙ってるとか。

晩秋になると時折、産卵を控えておなかがパンパンのカマキリを見かけます。

そして、ごくまれに産卵を終えたばかりの雌カマキリも。

私はこの産卵後のカマキリに遭うとその美しさにビビビと来ます

なぜかというと

生きながらにして腹部が飛び散っている

からです

もうほとんど半分くらいになって死を待っているカマキリもいます

どれだけの犠牲を払って産卵したかがその姿から痛いくらい想像できます

そして同時にその様子が崇高で、神々しく、誇りに満ちていて、、、しばしばにゃんぷぅはその地上に堕ちた稲妻のような激しさと美しさに心打たれ、その場を離れられなくなります

強く生きねば、とマジで思います

みなさまもどうか、カマキリの卵を見つけたときはそっといておいてください。カマキリの母たちが命を懸けて次世代へ渡したトスです。どうか、そっとしておいてください。


それではまた。おやすみなさい!

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