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猫風列伝【にゃんぷぅれつでん】①

こんばんは、にゃんぷぅです

ちょっと昔のことを思い出して書いてみます

にゃんぷぅは海辺の生まれです。うちから飛び出して30秒で海に飛び込めるほどの極・海辺育ち。しかも後ろはみかん山に囲まれた超ド田舎に育ちました。現代のようにネット環境はなく、テープレコーダーでラジオから流れる流行りの曲を録音するのに「し!黙って!」と言っていた世代です(若い人には意味わかんないだろうなあ~)。


そんなご時世ですから、特に何も遊び道具がなく、基本子どもたちはほたらかしで、野山を駆け回っておりました。大人たちも今ほどナーバスではなくて、子どもは夕方になったら無事に帰ってくるもの、という文化があったので日中どんなに危険なことになろうともあまり知る由もありませんでした。

今と違って携帯電話もGPSもないし。けっこう周辺はワイルドだし。

マジで今生きてるのが不思議、という体験の一つ二つや八つ、あるのが当たり前な感じ。今では考えられない時代でした。

結構一人で海のほうに遊びに行ったりもしてました。そんなある日、岩場にはびこった牡蠣の小さいのをほじくって食べてたり(基本おやつそれ)、岩のくぼみのカニや小魚を頭を突っ込んで探したりしてたとき、うっかり夢中になりすぎで結構先のほうまで進んでしまったんです。昼すぎは干潮なので先のほうにも行けるんですが、午後の三時くらいになると潮が満ちてくる。いつもは微妙な満潮に近づく波の音の変化(満ちるときはだんだんと音が大きくなる)にも気が付くんですけど、その時は夢中になりすぎてうっかりしてました。

・・・ふと気が付くと足がひたひた冷たい。

そしてふっと振り向くと

岸がない

ていうか、はるか遠くにありすぎて見えない

自分の立っている、さっきまで地続きだった岩が離れ小島になってる

右手に牡蠣、左手にカニ。そして孤立

自然の怖さを知ったのはこの時が初めてでした。幼き日の事でしたので、さほどの距離はなかった・・・・?かもしれないけど、自力で、意を決して海に入り、持てる力の全てを使って岸まで泳いで帰りました

あの時のにゃんぷぅ。はたから見たらすごく淡々としていたと思う。泣き叫んだりしなかったと思う。すっと真顔になり、ざばっと水に入り、ひたすら岸へ。あまりに怖すぎて表情がなかっただけ。服着て泳ぐのもその時が初めて。なんかひたすら、自分でここまで来たんだから、自分で帰らないと、と命題のように考えていたんだと思います。

ドイツの山に行ったとき、どう考えても「これは死んでもおかしくない」という険しい山で、入り口に一言「auf eigene Gefahr(危険は自己責任で)」とぽちっと看板があった。あの時の感覚と似ている。自分で行動を完結しろよ、とあの板には書いてあった。

以来、なんかあっても原因自分説ていうのは染みついている感じがします。

いやーでも、マジで怖かったわ、海。

それではまた!おやすみなさい






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