見出し画像

One Last Kiss - 宇多田ヒカル

九年越しに劇場でエヴァを見た
当時高校一年生だった自分に大きな衝撃を与えたエヴァQ
九年も経ってしまった現実と
生きて簡潔に立ち会える喜びに満たされていた

映画の内容に関しては数ヶ月後にでもうまく言語化できたらゆっくり描きたいと思うし
とにかく見て欲しいの一言しか今は言えない

今回は主題歌の宇多田ヒカルの新曲について
若干映画のことも絡めつつ話していきたい

タイトルは”One Last Kiss”
One Last〜というのは”最後の一回の”という意味であり
主に別れ際や死に際、終わり際の切なさを表す
洋画の中で愛する子供を寝付ける際に親が”give me one last kiss”などと声をかけるシーンを見たことがある人も少なくないだろう
奥深い愛と切なさがこもったワンフレーズであり
Last Kissではなくより日常的なOne Last Kissなところが
ものすごく宇多田ヒカルらしいなと感動した

歌詞の内容を大まかに踏まえると
この曲のテーマは”別れ際の最後のキス”
もしくはもう既に失われた誰かとの再会願望
と捉えるのが自然だろう
歌詞が多い曲ではないだけに、節々の言葉の美しさが際立つ

”喪失の予感”
“One Last Kiss”
“忘れたくないこと”

惜別とそれを忘れられない切なさが散りばめられ
“I love you more than you’ll ever know”

という言葉でサビは結ばれる

この表現は的確に日本語にするのが非常に難しいが
大まかには
“君が思うよりも君を愛している”
といった意味になる
ただ実際にはもう少し複雑なフレーズで
everという言葉一つで大きく感触が変わってくる
不恰好に直訳をすると
“私がどれだけ貴方を愛しているかは、
貴方には最後まで理解することができない”
と言ったようなものになるが
理解されない悲しさというよりは

“それだけ強く貴方を思っている”

そしておそらくは

“それはもう貴方には伝わらない”

というニュアンスがこれでもかと詰まったフレーズなのだと思う

エヴァは結局のところ
人との繋がりの物語であり
愛ゆえの痛みや苦しみも多く描かれている
それを経験してシンジくんは少しずつ大人になり
最後に自分のその心で世界の行く末を決める

人と強く繋がるからこそ別れは辛く
人生は悲しいことに満ちているが
それこそが儚く美しく
幸せの形なのだと教えてくれる
そんな人生の喜びと切なさを叫んでいるような
そんな気がしてくる

まさにアニメーションの歴史を塗り替えた
エヴァの最後にふさわしい一曲だと思う

エヴァの最後のキス
大人になった我々が心から愛したエヴァとの別れは
とてつもなく切なく美しく
死ぬまで忘れられない最高の体験だった
Qで挫けたシンジ君が力強く歩き出すシーンは
今後何回見てもボロボロに泣いてしまうだろう
この曲を聴くたびにそれを思い出し
少し背筋に力が入るだろう
きっと大人になった我々に
強く生きることを思い出させてくれるだろう


おはよう
おやすみ
ありがとう
さようなら


全てのエヴァンゲリオン

画像1


いいなと思ったら応援しよう!