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理学療法士 国家試験対策 胸腰仙椎装具
胸腰仙椎装具はいくつもあります。
50∼60年前に開発された装具が未だに国試でも出てきます。
もはや歴史の授業ですね。
眠くなってしまうといけないので本題に入りましょう。
アイコンの説明
文章だけの説明では眠くなってしまうので、パッと見で分かるようにアイコンを考えてみました。
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これは書いてある通り、運動方向に対するアイコンです。
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もう一つ、制限の程度を表すアイコンです。
この2つを組み合わせて表示していきます。
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例えばこの表示だと、
屈曲:強固な制限 伸展:制限なし 側屈:わずかに制限 回旋:制限
ということになります
それでは本編をどうぞ。
胸腰仙椎装具の特徴
胸腰仙椎装具全体の特徴として
・胸腰椎移行部の障害に対する装具が多い
・体幹の屈曲を制限(伸展位固定)する装具が多い
ということが挙げられます。
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つまり、胸腰椎移行部に多く発生する脊椎圧迫骨折に対する装具が多いです。
それぞれの装具を見ていきましょう。
軟性 胸腰仙椎装具
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制限方向
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全方向に軽度の制限
全体を覆っていて全面接触しているので全方向に制限をかけます。
構成要素
・全体がメッシュ生地
軟性の場合には通気性に優れ、全面接触による支持。
適応疾患
なんでも。
とはされているものの、固定性が低いので強固な固定が必要な場合には不適応となります。
硬性 胸腰仙椎装具
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制限方向
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全方向に強固な制限
硬質材料(プラスチック)で全体を覆っていて全面接触しているので全方向に強固な制限をかけます。
構成要素
・全体がプラスチック素材
通気性が悪く、暑さや汗による皮膚トラブルに繋がるリスクがある。
全面接触による支持だが、腸骨稜や上前腸骨棘への圧迫は避けられるように作られる。
適応疾患
なんでも。
固定が高く適応疾患は多いが、上記のリスクや患者の装具受け入れがあまりよくないのが欠点。
テーラー型 胸腰仙椎装具 Taylor TLSO
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制限方向
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胸腰椎移行部(Th11~L2)の[屈曲・伸展]を制限
(回旋は僅かに制限)
構成要素
・骨盤帯
・後方支柱
・肩甲間バンド
・腹部前当て(パッドタイプ)
・腋窩ストラップ
適応疾患
胸椎圧迫骨折、変形性脊椎症、円背、脊椎骨粗鬆症など
覚え方
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・テーラードジャケットのテーラーと同じ意味
・テーラー = スーツの仕立て屋
・スーツみたいに腋窩の周りにアームホールみたいな腋窩バンドが付いている
・伸展位にしたいだけなので側方支柱は無い
本当は(ココは読まなくていいし覚えなくていいです)
1863年にDr. C.F. Taylorが開発したそうです。
Dr.Taylorはナイト装具のDr.Knightと一緒にいろいろ装具の研究開発をしていたそうです。
伸展制限(腰椎前弯制限)だけでは症状が緩和しない人が居ることに気が付いたDr.Taylorは、ナイト型とは逆に屈曲制限が可能(体幹伸展位固定)な装具を開発したのがTaylor装具みたいです。
教科書では「Taylor(仕立て屋)のマネキンを見て思いついた」とか書いてたけど、そのようなエピソードは見つけられませんでした。
その本は自分的に好きじゃなかったのも相まって「ホントカヨ(-""-)」と思ってます。
ナイトテーラー型胸腰仙椎装具 Knight-Taylor TLSO
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制限方向
胸腰椎移行部の[屈曲・伸展・側屈・回旋]を制限
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構成要素
・骨盤帯
・後方支柱
・胸郭バンド
・肩甲間バンド
・腹部前当て(パッドタイプ)
・腋窩ストラップ
・側方支柱
適応疾患
胸椎圧迫骨折、変形性脊椎症、円背、など
覚え方
ナイト型装具とテーラー型装具の合体型。
シャルコー・マリー・トゥース病みたいに研究者の名前が列挙されて名付けられた装具。勘弁してほしいですね。
後方支柱が長いやつがテーラー型、側方支柱があるやつがナイト型の総称とされていたのが由来みたいです。
https://opcareportal.co.uk/wp-content/uploads/2017/10/Atlas-of-Spinal.pdf
スタインドラー型 胸腰仙椎装具 Steindler TLSO
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制限方向
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胸腰椎移行部の[屈曲・伸展・側屈・回旋]を制限
構成要素
・骨盤帯(二重)
・後方支柱
・腋窩フレーム
・側方支柱
・前方支柱
・鎖骨上ストラップ
適応疾患
胸椎圧迫骨折、変形性脊椎症、円背、胸椎術後など
覚え方
・鎖骨上ストラップがついている(※)
・骨盤帯から胸骨柄まで及ぶ
・前方支柱、後方側方支柱、側方支柱に加え二重骨盤帯がある。全方向に金属支柱が設置されている。
・二重骨盤帯と前方支柱の接合部がカタカナの「ス」みたいになってる(?)
※文献によっては鎖骨上ストラップが付いていないこともある
ジュエット型 胸腰仙椎装具 Jewett TLSO
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制限方向
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胸腰椎移行部の[屈曲]を制限
(側屈・回旋はわずかに制限)
構成要素
・胸骨パッド
・背部パッド(胸腰椎パッド)
・恥骨パッド
適応疾患
胸椎移行部の圧迫骨折
覚え方
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・ジェット機のヘルメットみたいだからジュエット装具
・simple is bestの3点固定装具
・hyper extension brace(過伸展装具)とも呼ばれる(※)
※昔は脊椎を過伸展位(Böhler position)で固定していたけど今は屈曲を制限する程度とされている
本当は
Dr.E. L. Jewettが開発した装具です。
フロリダ大学のHPでも紹介されてました。
まとめ
・伸展位固定のものが多い
・スタインドラーとモールドは固定力が高い
・Dr.の名前がついた装具の名前を覚えるの勘弁して欲しい~
(せめて臨床で使われるものにして欲しいですよね)
今回は以上になります。お疲れさまでした。
良ければ他の記事も見てってください。