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装具学まとめ 体幹装具の概要
なんか体幹装具をまとめたらとても長くなってしまいました。
今回は体幹装具の概要を解説したいと思います。
今後は、腰椎装具、胸椎装具、頸椎装具、側弯症用装具をまとめていく予定ですので、よろしくお願いします。
体幹装具の目的
脊柱運動の抑止と安定化
脊柱への荷重の軽減
腹部の保護
脊柱配列の維持・矯正
心理的効果
その他
基本的には1と2を考える。
側弯症は主に4。
最近は手術技術の発達によってコルセットが要らなくなっている?とも言われているので、5の心理的効果が重要な役割になっているかもしれません。
体幹装具の分類
装具の分類は装具で覆っている部位+orthosis(装具)になっています。
例えば、COはcervical(頸椎) orthosis(装具)
要仙椎装具はlumbo(腰椎)-sacral(仙椎) orthosis(装具)
といった感じです。
頸椎装具 CO:cervical orthosis
頸胸椎装具 CTO:cervico-thoracic orthosis
仙腸装具 SIO:sacro-iliac orthosis
腰仙椎装具 LSO:lumbo-sacral orthosis
胸腰仙椎装具 TLSO:thoraco-lumbo-sacral orthosis
側弯症装具は例外で以下の呼び方になります。
ミルウォーキー型 CTLSO:cervico-thoraco-lumbo-sacral orthosis
アンダーアーム型 TLSO:thoraco-lumbo-sacral orthosis
側弯症用装具はミルウォーキー型が広まりましたが、下顎まで及ぶ構造のせいで装具装着による外観を損ねることが大きな課題となっていました。
これを解決するために、腕を越えない(腋下まで)装具としてアンダーアーム型というものが開発された経緯があります。
なので、側弯症用装具の場合は「胸腰仙椎装具」と呼ばずにアンダーアーム型と呼ばれます。
体幹装具の固定性
体幹装具の固定性の差異は
使用材料
身体との接触面積
構成要素(材料の配置)
を考えると理解しやすいです。
使用材料は硬い方が固定力が強い
接触面積が広い方が固定性が良い
制限したい方向に構成要素があった方が制限しやすい
と考えることが可能です。たまに例外もありますが、例外が存在した場合にはそれがその装具の特徴とも言えます。
構成要素(パーツ)とその役割
それぞれのパーツは役割があって配置されています。
逆をいうとそれぞれのパーツを見るだけでその装具がどのような制限(役割・適応疾患)が可能なのかを知ることが出来ます。
国試や模試でも
[側方支柱が存在する装具はどれか]
[圧迫骨折の患者に対して適切な装具はどれか]
といった問題が出ることがあります。
覚えておくと良いかもしれません。
骨盤帯
体幹装具の基礎となる構成要素です。
腸骨稜と大転子の間に位置します。
![](https://assets.st-note.com/img/1731057590-Of5trY6GxTp9lm7cNqM2u0WX.png?width=1200)
後方支柱
これも体幹装具の基礎となる構成要素になります。
後方支柱は体幹の伸展を制限します。
骨盤帯と後方は装具の基礎となるので、2つを併せて「逆T字構造」が体幹装具の基本となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1731057862-JKVX8SNPzfR0Gxn6Hw3gbiDB.png?width=1200)
側方支柱
体幹の側方に付けられる構成要素です
側方に付けれらることで体幹の側屈を制限します。
![](https://assets.st-note.com/img/1731059303-mojCSbA9liJ832EDXrueyGMs.png)
胸椎バンド
その名の通り、胸椎の高さに設定される硬性要素です。
先ほどは逆T字構造の説明をしましたが、胸椎バンドも様々な装具に用いられています。
肩甲骨下角から3cm下方 に設定します。
これは、肩甲骨の動きを阻害しないようにするためです。
体幹装具に限らず、装具の構成要素は骨突起部からは2~3cm(装具の原著を見ると1inchと書かれていることが多い)の余裕を持って設定されることが多いようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1731058941-zIJPRDn8KFvALCQ03ryW9fGs.png?width=1200)
肩甲間バンド
胸椎バンドよりも高い位置に付けられる横方向の構成要素です。
肩甲骨上に設定されますが、その設定位置も独特です。
肩甲骨全体の1/3、もしくは肩甲骨下角から3cm上になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1731059891-awMqUGeFH5ldEpJijY4RLXPx.png?width=1200)
腹部前当て
腹部前当てにはパッド式とレース式(腹部を全面接触)があります。
腹部前当ては、腹圧増加と軽度な屈曲の制限をすることが出来ます。
パッド式ではお腹の真ん中しか押さえていないのに比べて、レース式では全面接触しているので回旋方向も制限することができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1731061150-XpJKo327dxhL9MPRcNWUkb8H.png)
パッド式だと下の断面図のように回旋に対する制限ができないようです。
腹部パッドをつなぐストラップは、パッドの位置や締め具合を調節する意味しか持っていないらしです。
なので体幹の回旋運動に対してはお腹がボンレスハムになるだけで制限はしてくれないようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1731304523-HTFuYtio3ArPVqlwJj9eg7Mf.png?width=1200)
さいごに
お疲れ様です。
冒頭から全て目を通している方はだいぶ眠くなっていると思います。
授業でこんな説明されたら夢の国へ一直線ですね。
今後は個別の装具の説明に入っていきますので、よろしくお願いします。
今後の更新予定記事を置いておくので良ければ見てってください。