政治を変える/18歳の有権者の皆さんへ(その3)
18歳の有権者の皆さんへ(その3)(2020年8月24日)
今回から、日本財団のアンケート調査でのデータをもとに、
若者の意識と、それをどう政治や投票行動に移すか、
更には、日本の政治を変えるために何が必要かを考察します。
なお文中の年数等は具体的に特定しやすいよう書き換えで表示します。
18歳意識調査「第15回 – 国政選挙 – 」要約版
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/06/wha_pro_eig_69.pdf
まずは、一番最後の自由回答「若者が選挙や政治に関心を持つための施策 26、27P」を読み解きます。
>Q16.どうすれば若い人たちが選挙、引いては政治に関心を持つと思いますか。 (自由回答) (n=1,000)
その自由回答、分類は以下の8点です。大まかな見出しの番号は私が振りました。
1 >若者向けの政策を掲げること
2 >教育の充実
3 >若者自身が政治への意識や自分事としてとらえること
4 >投票が世の中に影響していることを実感させる
5 >候補者や政策を伝える機会を増やす
6 >投票による対価
7 >インターネットやSNSを活用する
8 >投票しやすくする
個別に見ていきましょう。
まずは 1 >若者向けの政策を掲げること。 ABCは私が振りました。
私が第一に感じたのは、「若者は一生懸命答えているな」です。
同時に「多くの若者がテストが出たらどう答えるるかを意識している」ように感じました。
さらに、「質問が出たら答えて終わり」
「そこからさらにほかの人と議論を交わす事へ向かわない」アンケートの限界も感じました。
まず、「若者向けの政策を掲げる」事の意義を考えます。
そのためには『「若者向けの政策」って、なに?』が決まらなければなりませんね。
A(高等教育無償化、子育て支援)とD(年金、学校)はある意味具体的中身を言っています。
それ以外は『「若者向けの政策」って、なに?』かは解りません。
本人も解ってないのかもしれません。
では、#高等教育無償化 は若者のための政策になるのでしょうか?
その意見の一部は同年代の貧しいがゆえに高等教育に恵まれない若者に向けてですから
有る意味「#若者向けの政策」ですが、
日本全体として、有望な若者に機会を与えないのは、国や未来の為の政策と言う意味もあります。
#子育て支援 は、家計や親たちが楽になり、
結果として自分たちやその下の世代に対して、恩恵があるわけですから、
有る意味「#若者向けの政策」ですが、
ここで言う #年金 は多分、年金制度自体の存続やその掛け金と保証割合の事でしょうから、
まさに若者問題かもしれません。
このアンケートに答えた若者たちが、或いは他の人も巻き込んで、
自分の意見を元に、ではどんな政策が必要かを議論し、
或いは政治家に聞く事までつながれば、
それは明らかに政治参加と呼べるかも知れません。
さてさて、私ならどう答えるかですが、
若者が家庭や地域社会や学校で
「自分の意見を言ったことが、
きちんと受け止められ、
何らかの目に見える成果が出るような社会の仕組みを創る」
事ができれば、
若者は自然に社会参加をし、その結果として選挙にも政治にも積極的に関わる。
です。
一方的に押し付けられた事に従うだけの環境で育った者に、
自分の意見をキチンと言って、それが受け入れられない世界=非民主的社会で育った者に、
急に、「18歳だから、選挙で自分の意思表示をしてもいいよ。」
と言われて、できる人が何人いるのでしょう?
例えば、近所の公園や遊園地、
子供の為にあるはずなのに、
その使用方法が子供の意見で決められたところが日本に何か所あるでしょう?
小、中、高の学校の校則って、生徒が自分で決めてますか?
少なくとも、生徒側で決めた事を学校側や父兄と交渉して変えられるところがあるでしょうか?
余談ですが、
私が中学生の時、男の子は丸刈りと決められていました。
私は悔しく屈辱的で、少しでも伸ばそうっとしましたが、
親に拳骨で殴られ、母親にバリカンで丸刈りにされていました。
その反動もあってか、中学卒業以降、私はずっとロンゲ=長髪です。
理不尽な事に従わざるを得ない挫折を繰り返してきた若者に、
「今日からは自由だ」と言って、大人や社会は信用されるでしょうか?
しかし、10代の皆さん、私が指摘した社会構造を理由に言い訳しないでください。
とお願いするしかありません。
そこで育った若者は、この条件から羽ばたくしかありません。
外国では9歳ぐらいの子供が議会で政策提案し
150年以上禁止されていた条例が変わった事があります。
それは、「雪玉を創って雪合戦をできるようにする」
改正でした。
その子は「雪玉は、子供が雪だけで作り投げ合うものであれば、
けが人は出ず、町にある何かを壊す事もない」事実を挙げ、
「何より、それは冬場の楽しい遊びなのだ」
と提案理由を述べました。
日本では、こんな提案をできる議会も、それを可決する議会も無いでしょう。
日本の政治にはこういう度量も求められます。
まずは「#若者向けの政策」って、自分はドンなモノを望むのか
真剣に考えてみてください。
そしてそれについて話し合ってください。
政治家や候補者にも質問して下さい。
それによって
「#若者向けの政策」の必要性、
「#若者向けの政策」の具体的内容
が目に見えてくるかもしれません。
それが見えた時には若者は政治参加している事になるのでしょう。
---- 以下はアンケート自由回答です。
1 >若者向けの政策を掲げること
A>• 高齢者目線の政策が目立ち、若い人は自分たちに政治は目を向けてくれないと思っているから、
高等教育無償化の拡充、現状では全く足りていない子育て支援の拡充などを行い、政治は若い
人の方を向いているというメッセージを発信すべき(男性)
B>• 若い人のための政治になれば興味を持つ現時点では若い人は自分に関係ないと思ってる人もい
る何をするにも高齢者向けの政策若い人にお金を使ってくれない政府に関心のある人なんかい
ない(女性)
C>• 一票が国の政治を動かすと思えるようになれば良いと思う そのために若者が関心を持つような
政策を打ち出すとさらに良いと思う(男性)
D>• 若い人たちにも関係のある政策を押し出す(年金や学校の問題など)(女性)
E>• 政治家がもっと意欲的で、宣言した政策をきちんとこなし、社会を若い人にとっていい方向に
動かすことができるようになるべき。投票したほうがいい、投票すべきだ、と思わないとする
はずがない(女性)
F>• 政治がもっと若者に対する政策を打ち出せば良い(男性)
G>• 政治において若い世代に対する公約を掲げるべきである(男性)
H>• 選挙の焦点が若者に直結するテーマにする(男性)
I>• 若い人達についての問題に触れる(女性)