興味づけされてしまった
つい先日のこと。
ラジオでダイビングについて話しているのを聞いた時、とても新鮮な気持ちになった。
人のダイビングの話を聞いてはっとされることって多い。
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それは、ビーチから沖の方向に向かって進んでいて、どこまでも水は青く透明で、自分の下には真っ白な砂地が続いていた、という話だった。
ラジオDJは言った。
その砂地がなくなり、急に下に落ち込んだ地形になった、と。さっきまでは手がどどきそうな距離に砂地があったのに、もう水底が何十メートルも下になった。その時に、自分は空を飛んでいると思った。
だいたいこのような話だった。
こういう話をめっきりしなくなったなオレは、と思ったのだ。
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今のような話は、ダイビングの世界ではあたりまえのようにあらゆる場所で話されていることだ。
ダイビングの魅力や海の話で、お客さまに興味を持ってもらう。当時のわれわれは(大昔のわれわれは)、そのことを“興味づけをする”と言っていた。
興味づけをして、興味を持ってもらう。
新たにダイビングを始める人がいる。ツアーやファンダイブに参加する人がいる。器材を購入する人がいる。友人や知人をダイビングに誘ってくれる人がいる。
全てのことにおいて、興味づけなしではないことなのだ。
「おもしろそう」そう感じるから申し込みをしていただける。
だからダイビングのスタッフはもちろん興味づけが上手なのだ。興味を持ってもらうための話のレパートリーがたくさんある。
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ところが興味を持ってもらうための話を、気合を入れて気持ちを込めて本気でしてないな、最近。と思ったわけだ。海の話をしてるラジオを聞いて。
ラジオDJは楽しそうに話していた。
ボクが興味づけされてしまったのだった。