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平凡の外側を追い求めて【エッセイ】

普通の人間になりたくない。
厨二病と笑われるかもしれないが、僕は特別な人間でいたい。
具体的に特別とはどういう人間のことを言うのか、30歳を過ぎてもまだ答えが見つからない。
インフルエンサーなのか芸能人なのか作家なのか。
答えはわからないが、平凡な人生で終わりたくないという漠然とした思いでいる。

そのせいか他人の「平凡じゃないぜ俺は!」感を見ると敏感に反応してしまう。負けず嫌いの僕は、負けてたまるかと思い、必死にそいつより自分が勝っている部分を探してしまう。その結果、完膚なきまでに叩きのめされることが多々ある。悔しくてたまらなくなり、完膚なきまでに叩き返してやろうと心に誓う。

この衝動が厄介なのは、自分と関わりのない、画面越しに活躍する同年代を見ても起きることだ。誰かが活躍する姿を見たとき、自分にはそれがないことが辛く感じられる。少しでも気を緩めると、「自分は平凡なのか?」という焦りが湧いてくる。

「他人と比較するものではない」とよく言われるが、この平和じみた甘ったれた考え方が大嫌いだ。むしろ自分より圧倒的に力を持つ人間と向き合い比較し、自分の弱さや愚かさを知り、負けてたまるかと、もがき苦しむ過程こそが、僕にとっての人生だと思って生きている。

どんな相手を目の前にしても「まだ負けていない」と胸を張って言える日まで、平凡の外側を追い続けて行く。






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