理想の温泉のシャンプー
理想の温泉のシャンプーを考える上で、普段ぼくたちが通っている温泉のシャンプーについて考えてみます。
温泉で使用されているシャンプーが肌に合わないという声を少なからず耳にします。
温泉で使用されているシャンプーが肌に合わない理由は主に、
①洗浄力が強い
②温泉成分がアルカリ性で弱酸性の肌に合わない
といったことが考えられます。
1.温泉で使用されているシャンプーが肌に合わない理由
①洗浄力が強い
一般的に市場で流通しているシャンプーは、女性向けに作られているものが多いです。
女性は男性よりも皮膚がデリケートであり、髪も長いため、油分も多く髪がきしみにくい成分で作られたシャンプーが求められます。特に美容院で使われているものや市販のシャンプーはこの傾向が強いです。
一方で、男性用のシャンプーとして販売されているものは、そのほとんどが洗浄力が強めのものを使用しています。
なぜかというと、皮脂の分泌量が女性より多い男性にとっては、逆に普段女性が使われているシャンプーでは皮脂が残りやすく、かゆみや頭皮トラブルなどに繋がりやすいからです。
では、温泉、特に大衆向けの施設で使われているシャンプーは、どのようなシャンプーが使われているのでしょう。
温泉、特に大衆向けの施設では、頻繁にシャンプーを詰め替える必要があり、その分費用を安く且つ大量に準備する必要があります。そうなると、出来る限り少量且つ最大限の効果が得られるものがコスト面で重要になります。結果として洗浄力を高めるための成分が多く含まれているシャンプーが採用されている施設が多いのです。
従って、市販の(女性向け)シャンプーに慣れている方にとっては、洗浄力の強い温泉のシャンプーは髪がギシギシしたように感じてしまうのではないでしょうか。
ちなみに、こういったシャンプーが肌に合わないと感じているのは、圧倒的に男性が多いようです。
なぜかというと、女性はシャンプーを持参している方が多いからです。
②温泉成分のアルカリ性が弱酸性の髪に合わない
日本の温泉はその大半がPH8程度のアルカリ性と言われています。
アルカリ性の温泉にはたんぱく質を溶かす効果があり、このおかげで肌の汚れや古い角質をはがれやすくしてくれます。アルカリ性の温泉に入ると肌がツルツルになるという美肌効果が謳われているのはこのためです。
一方で、アルカリ性の温泉というのは体や肌には良い影響を与えますが、髪にも同様の良い効果を与えるわけではないのです。たんぱく質を溶かすアルカリ性の温泉分は、肌をツルツルにしてくれると同時に髪の毛のたんぱく質も溶かしてしまうのです。
髪というのは普段はPH4.5~5.5の弱酸性に傾いているのですが、アルカリ性の温泉を浴びることによってたんぱく質が溶かされ、アルカリ性に傾いてしまいます。
また、水道水がPH7くらいの中性、石けんでPH9〜10のアルカリ性です。従って、シャワーで髪をすすぐだけでも髪はアルカリ性に傾いてしまいます。
髪がアルカリ性に傾くと、髪のキューティクルが開いてしまい、髪の内側の栄養分が外に流れ出やすくなってしまいます。その結果髪が細くなってしまったり傷んでしまったりすることがあるのです。
温泉に入ると髪がギシギシすると感じることがあるのはこのためです。
従ってPHが高い(アルカリ性)温泉に、『馬油』のようなシャンプーが置いてある理由は、弱酸性且つ油分の多いシャンプーを使ってもらうことで、湯上がりに髪がギシギシすることによって利用者をモヤモヤさせないという意図があるからです。
2.洗浄力を抑えた、弱酸性のシャンプーを持参する
これらを踏まえると、温泉で使用するシャンプーは、洗浄力を抑えた、弱酸性のシャンプーを使用するのが良いです。しかし、そのようなシャンプーが都合よく置いているわけでもありません。
なので、温泉のシャンプーが肌に合わない方に向けた結論としては、
洗浄力を抑えた、弱酸性のシャンプーを持参する、即ち、普段自宅で使っているシャンプーを持参するのが良いです。
こんな感じで、容器に入れて持ち運んでも良いですね。
とはいえ、シャンプーをわざわざ持参するが面倒、浴室に持ち込むのは清潔感的になんとなく嫌だ、となれば、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)などだけでも持参し、乾かす前につけられると、それだけでもずいぶん変わると思います。
※髪質によって相性があるので、ご自身の髪質に合ったものを選ぶことが大事です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?