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我が子の手を離す
子どもたちを連れてパン屋さんに行った。
狭い店内。
所狭しと並んだパン。
パンを選ぶお客さんたち。
レジ列に並ぶ私に、上の子が言った。
「下の子がパンに触れるといけないから、お店の前で待っとくね」
幼い子がパンに触れるかもしれないと考えて
列に並んで身動きの取れない私にかけた言葉。
この言葉を聞いたとき
子育てのひとつの終わりを見た気がした。
私が思っていたよりも、この子は成長している。
周りをよく見て、相手のことを考えて、自分で行動できる子になったんだな、と。
そこでふと、「子育て四訓」を思い出した。
一.乳児はしっかり肌を離すな。
一.幼児は肌を離せ。手を離すな。
一.少年は手を離せ。目を離すな。
一.青年は目を離せ。心を離すな。
上の子は、整理整頓が苦手だ。
部屋はぐちゃぐちゃ、提出物を出し忘れる、その上、面倒くさがり。
放っておくと生活に支障をきたすだろうと、何かと手をかけてきた。
でも、パン屋さんでの出来事で気付いた。
この子はそろそろ、手を離す時期だ。
この件に限らず、最近、子育ての終わりを感じることがある。
渦中にいると永遠に続きそうな気がするし、早く抜け出したいと願う。
しかし、いざ終わりが見えると、寂しさを感じる。
これは、終わりが見えるからこそ、だと思う。
そして。
子育てに終わりが見えるのは、我が子たちが健康だからこそ、である。
「終わりのない子育て」をしている方の存在を忘れてはいけない。
私が、社会が、できることは何だろうかと、常に考える必要がある。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。