悪魔の実験
とある科学者が様々な実験に没頭したいがあまりにこう言った
「ああ、こんなにも実験がしたいのに、どうしても睡眠を取りたくなってしまう。実験中に眠らないようには出来ないものか」
すると悪魔が現れて提案した。
「実験が終わるまで眠らなくても良い様にしてやろう。その代わり、死んだらお前の魂を貰うぞ」
「よし、それで良い」
ある日科学者が実験室にいると、悪魔が苛立った様子でやって来て言った。
「おい。願いを叶えてやったのにどうして、お前はまだ魂を寄越さないんだ」
「何を馬鹿な事を言っているんだ。まだ実験の最中なんだ、邪魔しないでくれるか」
「一体なんの実験をしていると言うんだ。ただ寝転がっているだけじゃないか」
科学者は答えた。
「どれくらい眠らないとおかしくなるかの実験をしているんだ。百年前に死んだ妻みたいに、眠くなる様な事を言うんじゃない」