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「夕方と深夜、どっちが多く出るか勝負しようぜ」 その廃病院には幽霊の目撃談が絶えずあり、物好きが肝試しに赴いてはある事ないこと吹聴しているらしかった。 物は試し、と任された夕方に向かってみた。 暫く散策して地下に向かう螺旋階段を降りると、錆びた手術台に友人が寝かされていた。
「最近自分の血を入れるのが流行りらしいよ」 「人間の血じゃなくて?相手死んじゃうくない?」 「そう。だから死なないようにちょこっとだけ混ぜるんだって」 「それ何か意味あんの?」 「動悸がして恋って錯覚するんだってさ」 「へぇ〜、エモいねそれ」 とある吸血鬼の会話より
元ネタは「西行於高野奥造人事」です