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思念の生態系

グレン・グールドの弾くバッハのように気持ちよく各々が分離していること。思念と思念が串に刺さる団子のように同じ場にあり、共通項は含まれているが、それぞれはバラバラに存在していること。Mybraryの特徴はこれである。
しっかりつなげなくていい自由。
場所だってテキトーでいい。まとまった文章に新たな文を挿し込むには適した場所を考えなければたらない。それが面倒になって、まだ新しいページから始めたりする。だが、Mybraryはつなげなくてよい。ゆえに思い浮かんだ言葉=セルは、大体の場所につくればよい。もはや完全に意味の分からないところに置いてもいい。
言葉が置かれたところに、新しい形の磁場が生じる。そこは少なくともマイスペースの中には含まれているのであり(共通の串)、それでいて各セルはそもそもバラバラに浮かんでいるから、「正しい位置」を探す必要性も薄いのである。
じゃあ全部バラバラでごちゃごちゃな入り乱れた空間なのか。違う。不思議なことに近い意味の言葉同士は引かれ合う。似ていたり、因果関係がありそうな場合も惹かれ合う。そして近づく。私の指がそう動く。そして近くに配置されて、それぞれの動きもしながら寄り添う。あるいは一つのセルがもう片方を包含したりする。生物における生殖や摂食、寄生のような現象が見られる。
生殖、確かに近づいたセル同士が新しい思いを生み出すこともあるな。
Mybraryは、生態系であったのだ。思念の生態系。
ならば、守られている限り自ずから生まれ、死に、動くはずだ。そこがあなたと接続されている限りは。
ここはあなたの思念の生態系なのだ。あなたと切り離されていては滅んでしまう。植物が土や水、陽の光を必要とするように。Mybraryにとって、あなたは士であり、水であり、太陽なのだ。あなたが触れるだけでこの生態系は守られる。あとは自ずと生き物たちは変化し続ける。
だから、水をやることがこのアプリを楽しむために必要なことである。毎日、少なくとも5日に1回ぐらい覗きに来ること。それだけで思念は引き出され、整理され、展開する。そしてあなたはまた一つ、あなたが何者であるかについて知るだろう。

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