今週のまとめ〜2024年10月21~25日

今週の要点

--S&P500--

今週のS&P500は長期金利の上昇や企業決算を受けて、ボランティアが強くなった週でした。S&P500は1%ほどの下落で今週を終えました。

S&P500(10月22~26日)
  • 始値:5,857.82

  • 終値:5,808.11

マグニフィセント・セブンは全体的に株価は成長を続けており、その中でもテスラは約22%上昇をいたしました。先週のTSMC好決算の流れを引き継ぎエヌビディアは続伸。ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の見通しが悪化したため、株価8.3%下落し、それに影響されてか銀行株は利確優勢になり下落。マクドナルドは大腸菌感染症で約7%下落。
また、米10年国債金利が上昇を続けていることが、米国株上昇の重石になっている。

--米金利状況--

米10年国債利回りは今週は大きく伸び、4.2%を超えて今週は終わりました。

  • 始値:4.089%

  • 終値:4.242%

米10年国債利回り

米国債全体的に上昇傾向ではありますが以下の要因で、上昇しております。

1.インフレの再加速の可能性
9月雇用統計や米9月CPI(消費者物価指数)が予想を上回り、アメリカ経済が堅調であることがわかった。ですが、経済成長の期待と利下げを急ぐ必要がないことがわかり、インフレの可能性が上がりました。

2.米国政府の赤字(次期大統領による財政悪化予想)
米国政府はコロナ対策で投じた以上な支出や社会保障などの支出の増加で近年の債務総額は急増している。

すでに財政赤字な状況であるが、次期大統領候補のトランプ前大統領もハリス副大統領も赤字削減の政策発表はない。さらにどちらが大統領になったとしても財政赤字は大きくなると予想されている。

3.FRBの量的引き締め政策(QT)
FRBは量的引き締め(QT)を実施しており、その影響で米国債の主要な買い手が減少しました。これにより、米国債の供給は増加する一方で需要が減少し、金利の上昇が引き起こされています。

--為替(ドル円)--

ドル円(10月21~26日)

約2年ぶりの大幅な上昇になっており、市場がトランプ前大統領が勝利をすると予想し、「トランプトレード」の追い風を受けました。一時的に153円を超える動きを見せましたが、152円台を推移する状態で今週は終わりました。
トランプ前大統領が当選したら、更なるドル高が予想できます。

--金(ゴールド)--

金価格(金XAU/USD)

金価格は記録的に上昇を続けており、ロンドン貴金属市場協会では、来年の10月下旬まで金価格は上昇を予測しています。金は2024年で好調な商品の1つです。地政学的リスク、アメリカの利下げに対して強い商品の安全資産として人気です。

今週では、ドルの値上がりや米長期金利の上昇もあり、一時的に下落しましたが、反発し最高値を目指して胃状態です。

--原油--

WTI(US CRUDE Oil)

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界はエネルギー価格下落に向かっているとのこと。中東情勢の悪化やロシアとウクライナなど地政学的な問題がある中、原油先物は今年1バレル=75ドルを下回る水準です。
地政学的リスクがありつつも、潤沢な石油生産によって打ち消されている。
大きな問題がない限りは、原油はかなり余剰な状態になると予測されている。

ですが、中東情勢は悪化してきており、ボラティリティが高くなってきております。

●10月21日(月)

【企業】🇺🇸NVIDIA、4%超高で新高値

ASMLの決算で半導体株を大きく売られ、その後TSMCの決算後、買われる株とそうでない株の差が大きく現れた週でした。
NVIDIAは、バンク・オブ・アメリカのアナリストグループが目標株価を従来の165ドルから190ドルに引き上げたこともあり、4%の株価の上昇が確認されました。

●10月22日(火)

【決算】🇺🇸テキサス・インスツルメンツ、決算好感し株価4%高

アナログ半導体大手の米テキサス・インスツルメンツは、2024年7-9月期決算で売上高41.5億ドル、一株利益1.47ドルと、いずれも市場予想を上回りました。しかし、10-12月期の売上高見通しは38.5億ドルと市場予想を下回りましたが、業績は底打ちの兆しを見せています。CEOのイラン氏は、中国のEV市場の勢いで自動車向け半導体が堅調に成長した一方、産業用半導体はコロナ禍での在庫過多が続いていると説明しました。楽観的な受注回復予測もあり、株価は翌日4%上昇しました。

●10月23日(水)

【企業】🇯🇵東京メトロ上場、時価総額1兆円

2024年10月23日に東京メトロは上場し、時価総額は1兆円の水準で初日の取引を終えました。上場当日は、株式は暴騰し公開価格1200円から大きく上昇し、1768円まで上昇いたしました。
日経平均株価も下落してるなか、東京メトロの株価も下落し、現在では1609円になっている。東京を中心とした路線であるため、人口増加から業績の安定性がある。

【決算】🇺🇸ボーイング株下落、7-9月期は9400億円の赤字

9月からストライキが続いており、ボーイングは4年間で35%の賃上げを実施する案を組合員に提案したが、それは否決されてしまった。ボーイングのある工場の周辺では消費者物価指数が40%以上上昇しており、組合員はインフレを考慮して4年間で40%以上の賃上げを要求している。
10月23日の決算では9400億円の赤字を提示しており、株価は下落し続けています。

【企業】🇺🇸マクドナルド、集団食中毒で株価急落

米疾病対策センター(CDC)は、マクドナルド社のクォーターパウンダーが、アメリカで発生した大腸菌感染症の流行に関連していたことを発表した。49人が感染し、1人が死亡した。

【経済指標】🇺🇸中古住宅販売件数、概ね市場予想どおり

住宅ローン金利は9月に低水準となましたが、最近の雇用とインフレに関するデータを受け、上昇しております。そのため、中古住宅の買い控えしており、歴史的に低水準となりました。

米中古住宅件数:384万件(結果)・386万件(予想)・388万件(前回)


米中古住宅販売件数

●10月24日(木)

【経済指標】🇺🇸失業保険統計、新規申請は減少

アメリカの新規失業保険件数は、ハリケーンの影響で一時期急上昇しておりました。それから時間がたち、2週連続で減少が続いており、ハリケーンが来る前の水準に戻ってきました。

新規失業保険件数:22万7000件(結果)・24万2000人(前回)


米新規失業保険件数

ハリケーンの影響で申請件数が多かったことが改めてわかったことから、現在のアメリカ経済が堅調であることを示している。

【経済指標】🇺🇸新築住宅、予想を上回る増加

米新築住宅販売件数は9月の利下げで、一時的に住宅ローン金利が下がったこともあり、新築住宅販売は1年以上ぶりの高水準となった。

新築住宅販売件数:73万8000件(結果):70万9000件(前回)

9月の新築住宅販売件数は高水準となったが、この上昇は続かないかもしれない。FRBによる利下げスピードの低下の予測と米国市場の雇用統計の強さから、10年国債の利回りはここ数週間上昇している。この関係で住宅ローン金利は上昇しています。


米新築住宅販売件数

30年固定ローンの平均金利は前週の6.44%から6.54%にまで上昇している。実際に米国の住宅ローン申請件数は6.7%減少し、直近1年間で2回目の低水準になっている。

【決算】🇺🇸テスラ、決算で強気見通し 株価20%超の上昇

テスラは好調な利益を報告し、来年の自動車販売台数が最大30%増加するとの見通しを示し、株価が約22%上昇。これは2013年5月以来最大の上昇率となり、「マグニフィセント・セブン」指標も3カ月ぶりの高値を記録しました。

●10月25日(金)

【中央銀行】🇯🇵植田日銀総裁、利上げ判断「時間的余裕ある」

日銀の植田総裁は、G20会議後の会見で、アメリカ経済を慎重に見極める必要があるとして、利上げを急がず慎重に判断する考えを示しました。最近の雇用統計に基づく楽観論が広がりつつある一方で、過去にはやや弱いデータもあったことから、今後のデータが一時的なものか持続的なものかを丹念に分析する必要があると述べました。

【経済指標】🇺🇸ミシガン大学消費者信頼感指数

10月の米国消費者心理は、6カ月ぶりの高水準に達しました。ミシガン大学の10月最終景況感指数は前月の70.1から70.5に上昇し、予想のの68.9を上回りました。

ミシガン大学消費者信頼感指数:70.5(結果)・68.9(前回)・68.9(予想)

物価上昇予測は、1年先が年率2.7%と横ばい、5~10年先が3.0%とわずかに低下しました。

耐久財購買環境指数も、消費者の多くが来年の金利引き下げを予想したことで4カ月ぶりに上昇し、家計収入や労働市場への楽観的な見方も高まっています。ただし、低所得層は高所得層よりも所得の伸びに悲観的です。

【米大統領選】🇺🇸CNN世論調査、ハリス氏とトランプ氏互角

CNN世論調査によると、11月5日の米大統領選挙は共和党候補トランプ前大統領と民主党候補ハリス副大統領は支持率が47%で拮抗している。

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