見出し画像

今週の振り返りとまとめ:11月12日〜11月16日

先週にあったことを振り返ります。今週はS&P500が下落したり、パウエル議長の発言など様々なことがありました。
先週あった出来事をまとめていきます。


米国債

米国債利回りは先週上昇し、その値付近を常に推移しているような状態です。

・米2年国債利回り:0.15%(前日比)・4.307(11/16:7時現在)
・米5年国債利回り:0.37%(前日比)・4.312(11/16:7時現在)
・米10年国債利回り:0.57%(前日比)・4.445(11/16:7時現在)

CPI(消費者物価指数)が発表され、インフレとの戦いが長期戦になる可能性が高まりました。
米国の議会選挙で共和党が上下両院も支配する「トリプルレッド」の確定や、PPI(生産者物価指数)の発表やパウエル議長が「アメリカ経済は堅調であり、利下げを急ぐ必要はない」との発言後、米国債利回りは上昇いたしました。

米国の議会選挙で共和党が上下両院も支配する「トリプルレッド」の確定は、トランプ氏の政策が通る確率が高くなります。トランプ氏の政策はインフレを誘発する可能性があり、その予測が米国債利回りは上昇させています。

米国株

米国株は今週は全体的に下落しておりました。一時的にはS&P500が6000を超えるような結果になりましたが、急上昇した米国株の利益確定が原因の1つです。米国の議会選挙で共和党が上下両院も支配する「トリプルレッド」の確定し、トランプ政権での政策がインフレを誘発する可能性が高く、パウエル議長の発言で「利下げを急がない」がありました。このようなことが要因で米国株は全体的な下落になりました。

S&P500

トランプ氏の勝利が確定してから、急激な米国株の上昇がありましたが、上昇した分の半分まで株価は下落しています。

為替(ドル円)


ドル円

トランプ氏が大統領選で勝利を予測してから、ドルが変われ続けている傾向です。これは円が弱いのではなく、世界的にドルが強いです。そのため、ドル円は円安傾向が続いております。

コモディティ

金(ゴールド)

金(ゴールド)

トランプ氏が勝利してからは、ドルが買われるようになりました。ドルと金は逆相関関係があるため、ドルが上がると金は下がる傾向があります。
一時的に金価格の下落に転じており、いつまで続くかはわかりませんが、今後の貿易・地政学リスク・米経済の動きによって金(ゴールド)は再度大きく上昇する可能性があります。
トランプ氏の政策からインフレ上昇が予測されており、インフレは金価格を押し上げる材料の1つです。

原油

WTI原油

地政学的リスクの低下と原油の供給過多が予想されていることから、原油価格は下がり気味です。

ビットコイン

ビットコイン

トランプ氏の勝利で大きく恩恵を受けたものの1つが仮想通貨です。ビットコインは史上最高値の92,000ドルを超えました。

トランプ氏はアメリカで、ビットコインマイニングの推進戦略的にビットコイン準備金の創設仮想通貨支持者であるロス・ウルブリヒト氏の減刑することなどを誓っていました。また、米国SECのゲイリー・ゲンスラー氏の解任をトランプ氏は誓っております。

米国SECのゲンスラー委員長は、仮想通貨に対し厳格な規制を求める立場で、投資家保護のため多くの仮想通貨を証券とみなす方針を強調しています。詐欺や市場操作を防ぐため、仮想通貨取引所に既存の証券法を適用する必要があるとしています。

米国SECのゲンスラー委員長を解任になれば、トランプ氏は仮想通貨業界に友好的な人物を配置する可能性が高いです。
そうなればさらに仮想通貨価格の上昇が見込まれるでしょう。ちなみにゲンスラー委員長の任期は2025年4月に終了する予定です。

●11月12日

【決算】🇯🇵ソフトバンクグループ

11月12日のソフトバンクグループの決算内容は好調で、25年3月期第2四半期の決算を発表しました。純利益は1兆53億円で、前年同期は1兆4,087億円の赤字から約2兆4,000億円の増加でした。

ソフトバンクグループの投資損益は2兆6,510億円となり、そのうちソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の投資損益は5,998億円の黒字を計上しました。さらに累積の投資損益も黒字に転換しました。

AI投資が拡大し、特にOpenAIに対して5億ドルの投資を行い、調達後の企業価値は1,570億ドルに達しています。また、米Tモバイルへの投資も大きく貢献しており、Tモバイルは'20年にスプリントと合併し、現在その株式価値は約3.9兆円に達し、投下資本の約10倍となっています。

●11月13日

【企業】🇯🇵セブン&アイHD、MBOを検討

セブン&アイHDは、以前からカナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けておりましたが、その対応策としてMBO(経営陣が参加する買収)を模索していることが発表されました。セブン&アイの副社長の伊藤順朗氏と、伊藤家の資産管理会社の「伊藤興業」が買収を提案しております。伊藤家は伊藤忠商事などと連携していることもあります。伊藤忠はファミリーマートの親会社になりますので、独占禁止法に抵触し中が注目です。

【経済指標】🇺🇸10月米消費者物価指数(CPI)

11月13日に米消費者物価指数が発表されました。
10月米消費者物価指数とコア消費者物価指数(食品・エネルギーを除く)の前年・前月比の結果です。

  • 消費者物価指数(前年比):2.6%(結果)・2.6%(予想)・2.4%(前回)

  • 消費者物価指数(前月比):0.2%(結果)・0.2%(予想)・0.2%(前回)

  • コア消費者物価指数(前年比):3.3%(結果)・3.3%(予想)・3.3%(前回)

  • コア消費者物価指数(前月比):0.3%(結果)・0.3%(予想)・0.3%(前回)

消費者物価指数(以後CPI)がコア消費者物価指数(以後コアCPI)より低くなっている理由としては、エネルギー価格の下落だと思われます。前月比較ですると住宅費・中古車・航空運賃、医療、娯楽が理由でCPIが上昇しているようです。

10月米CPIは市場の予想していた通りになり、市場に安心感が一時的に広がりました。
ですが、CPI・コアCPIどちらとも前月比の横ばいが続いており、インフレとの戦いが長期戦になっていることから、市場は苛立たしくもある状況でした。そのため、米国債金利は全体的に上昇、ドル高、米国株は横ばいでした。

【米議会選】🇺🇸共和党、トリプルレッド

米国の議会選挙で共和党が上下両院も支配する「トリプルレッド」が確定する見通しとなり、政府機関を管理できるようになり、次期大統領権力に対する抵抗は限定的となりました。

これによりトランプ氏の政策は通りやすくなり、アメリカンファーストの政策を掲げていく可能性が高まりました。
不法移民の強制送還・減税・AI促進やエネルギーなどの規制緩和・各国に設ける関税などが現実的になってきました。

トランプ次期大統領の財政閣僚やインフレを誘発する政策をよそくしドル買いが継続している状況です。

●11月14日

【経済指標】🇺🇸生産者物価指数(PPI)

米10月生産者物価指数(以後PPI)は、PPI(前月比)は予想通りの結果となりましたが、コアPPI(前月比)は予想より0.1超える値となりました。

  • コア生産者物価指数(前年比):3.1(結果)・3.0(予想)・2.9(前回)

  • コア生産者物価指数(前月比):0.3(結果)・0.3(予想)・0.2(前回)

生産者物価指数(前年比)
  • 生産者物価指数(前年比):2.4(結果)・2.3(予想)・1.9(前回)

  • 生産者物価指数(前月比):0.2(結果)・0.1(予想)・0.1(前回)

生産者物価指数(前月比)

先日発表された消費者物価指数(以後CPI)は、時間はかかりそうですが、インフレを順調に抑制できているような結果となりました。ですが、PPIとコアPPIどちらとも予想を超えた値となりました。発表元の労働省労働統計局(BLS)は、炭素鋼スクラップの価格が8.4%上昇したことが「主因」だと説明した
PPIはCPIに反映する数値でもあるので今後CPIの値も上がっていく可能性があります。
また、トランプ新政権による関税引き上げや不法移民の強制送還はPPIの値をあげる可能性が高く、インフレ圧力が高まる可能性があります。

【中央銀行】🇺🇸FRB利下げ予想低下

11月15日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、「経済は、金利引き下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」と発言しました。

アメリカ経済は雇用統計などを見ると堅調であることが伺え、今月のCPIとPPIの発表からインフレリスクが潜んでいることが現れました。これにより、パウエル議長が利下げペースを下げることを発言しました。

パウエル議長の発言を受けて12月の利下げの可能性がさがり、米国債利回りを上昇、昨日までFRBが利下げを行う確率が約80%でしたが、60%未満まで下落することになりました。

CME FedWatch Tool - Conditional Meeting Probabilities(11/15 13時)

パウエル議長はトランプ新政権の政策に向けて、「政策変更が経済にどのような影響を与えるかを評価する時間は、我々が反応する前に十分にあると思う」と述べました。

【経済指標】🇺🇸新規失業保険申請件数

米国の新規失業保険申請件数は先週に比べて減少し、21万7000人となりました。ハリケーンからの回復や、ボーイング社のストライキが終結したこで、失業保険申請件数は減りました。

しかし、ボーイングでは新たに従業員を1万7000人削減するとの発表があったため、今後の新規失業保険申請件数は増える可能性があります。

●11月15日

【経済指標】🇺🇸小売売上高

米国の小売売上高は下記のようになった。

  • 小売売上高(前月比):0.4%(結果)・0.3%(予測)・0.8%(前回)

  • 自動車を除く小売売上高(前月比):0.1%(結果)・0.3%(予測)・0.8%(前回)

小売売上高

小売売上高(前月比)は予想を超えた伸びを見せたが、自動車を除く小売売上高(前月比)は予想を下回る結果となった。
この数値を見ると10月は自動車を購入する消費者が多かったようです。

小売売上高は先月と比べると上昇していることは間違いないのだが、伸び率は自動車を除いて上昇幅は縮小している。依然として堅調なアメリカ経済ではあるが、予想よりも弱くなってきているのかもしれない。


いいなと思ったら応援しよう!