求人件数・消費者信頼感指数の発表、アルファベット(Google)・VISA・AMDの決算内容、米国株の状況について
アメリカ経済指標
--9月の求人件数の減少--
JOLTS求人労働異動調査によると、米国9月の求人数は2021年初め以来の最低水準に落ち込みました。求人数は前回の8月から下落し、744件となりました。
・JOLTS求人労働異動調査:744万(結果)・799万(予想)・786万(前回)
求人件数は減少件以降で幅広い業界の求人が減少しております。9月の雇用者数や失業率が好調で労働市場が堅調であることを示しておりましたが、9月のJOLTS求人労働異動調査とは相反するものになっておりました。
このデータから10月の雇用統計は市場が期待している結果にならない場合がありますので注意が必要です。
ただし、JOLTSのデータは調査のサンプル数が比較的少ないため、データに不安定な部分があります。
--コンファレンスボード消費者信頼感指数--
米国の消費者信頼感指数は、雇用統計や失業率等からアメリカ経済の堅調さを伺えており楽観的で、2021年3月以来に最大の値になりました。
・コンファレンスボード消費者信頼感指数:108.1(結果)・99.2(予想)・99.2(前回)
コンファレンスボード消費者信頼感指数は、リサーチ団体であるコンファレンスボードが発表する経済指標の1つで、消費者が経済についてどの程度の信頼感を抱いているかを示す指標です。
消費者信頼感指数が上昇したとはいえ、コロナ禍以前の水準よりは下回る現状です。
米国株
昨夜の米国株はNYダウは微減、NASDAQ・S&P500は上昇いたしました。NASDAQ総合指数は最高値の更新になりました。
NYダウ :-0.36%(前日比)・42233(終値)
NASDAQ:0.78%(前日比)・18712(終値)
S&P500 :0.16%(前日比)・5832(終値)
大手テクノロジー銘柄が一部購入され、その他が全体的に売られる傾向になった。特にエネルギー銘柄と公益事業銘柄は大きく下落している。
--【決算】アルファベット(Google)--
Alphabet(Googleの親会社)は2024年第3四半期の決算を10月29日に発表しました。第3四半期の総収益は882億6,800万ドルで、前年同期比で約10%増加しました。この成長は主にGoogle Cloudの堅調な成長と広告収益の緩やかな増加によるものです。
しかし、1株当たり利益(EPS)は2.12ドルで、市場予想の1.83ドルを上回りました。主力の検索事業が整っており、他の企業にコンピューティング能力、ソフトフェア、クラウド部門の成長に力を入れています。
特に成長が目立ったGoogle Cloudの収益は、前年同期比22%増加し、約110億ドルに達しました。これにより、AlphabetはAmazonやMicrosoftとのクラウドサービス競争において、AI強化を含む戦略を加速させています。しかし、主要な収益源である広告収益の成長は、広告市場の困難や競争の激化により過去の四半期と比較してやや減速しました。
また、AlphabetはAI技術の活用を強化しており、Google検索やGoogle CloudにAIを組み込むことで、ビジネス分野での生成AIの需要に応える体制を整えています。
--【決算】ビザ--
2024年10月29日の米国市場が閉鎖後に発表されたVisaの2024年度第4四半期および通年の決算報告によると、Visaは前年同期比での取引高と収益の増加を発表しました。
特に、総決済取引数やデジタル決済の普及が成長を支えた要因とされています。Visaの管理職によると、同社は世界の金融テクノロジー市場での競争力を強化するため、デジタルインフラの拡充に引き続き投資を行っており、収益成長の基盤としてますます重要視しています。
9月30日までの四半期の純収益は前年同期比12%増の96億ドル。国境を越えた取引量は13%増加した。
WSJ紙にて、ビザが1400人の従業員と契約社員を年末に解雇する計画と、国際事業の合理化の計画あることを報じました。
--【決算】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)--
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、2024年10月29日に第3四半期(Q3)決算を発表しました。この期間の売上高は68億2,000万ドルで、前年同期比17.6%の増加となり、アナリスト予想の67億1,000万ドルを上回りました。EPS(1株あたり利益)は0.92ドルで、予想の0.91ドルをわずかに上回っています。
成長の背景には、データセンター関連とAI分野での需要が強く、同社のグラフィックカードとCPU製品が好調だったことが影響しています。AMDは引き続き、次世代のAI技術を支えるハードウェアの提供を強化する戦略を示しており、成長見通しも楽観的です。
今後も、サーバーとAI向けプロセッサが売上の中心を担い、収益増加が見込まれています。
第4四半期では売上高が75億ドルになると発表したが、市場予想はそれより高く75億5000ドルでした。
為替(ドル円)
ドル円は円安が続いており、9月の米求人件数を発表した瞬間は円高に動いたが、引き続き153円台が続いている。
トランプ前大統領が勝利する予想が強く、そうなった場合はさらに円安に動くリスクがある。
金(ゴールド)・原油
・金(ゴールド):金は引き続き上昇しており、過去最高値を更新しました。9月の米国求人数が予想よりも下回ったことで上昇していると思われます。求人数の減少はFRBの利下げ促進材料になることもあるからです。
・原油:ニューヨーク原油先物価格は、イスラエルがレバノンとの戦闘の外交的解決を模索する動きにより、戦争によるリスクが緩和され、続落しました。特にイスラエルがガザ地区での停戦に対して柔軟な姿勢を示したことで、リスクが後退しました。
一方、中国の追加刺激策の可能性も一時原油価格を押し上げる要因となりました。報道では、中国が数年間で10兆元を超える追加借り入れを認める方針を検討しているとされ、これが原油価格を一時1.7%上昇させる要因となった場面も見られました。しかし、相場は再度下落しています。
また、近づく米大統領選や、12月からのOPECプラスによる増産計画も原油市場に影響を与えています。