FOMCで0.50%の利下げを発表、今後の株価の下落のリスクについて。

2024年9月にFOMCにて0.50%の利下げを発表いたしました。この利下げはコロナ禍の2020年以来の利下げになります。

今回の利下げでは7月の雇用統計が予想を下回る内容であったため実行しています。パウエル議長も労働市場について「かつての加熱状態からかなり落ち着いてきている」と発言。
今後は労働市場の冷え込みや減速がないような政策になっていくだろ。

一方でインフレに勝利しているのかというとそうではない。インフレをほぼ抑制したと考えられる。記者からの「勝利宣言か」の問いにはそうではない。目標に近づいている。と回答している。
また、インフレを持続的に2%に向かっていきたいとの発言もある。

FOMCで利下げを発表後S&P500種は上昇した。金利引き下げにより経済のソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まり、米国株は年内に上昇するとの見方が優勢である。

ここまではうまく行ってはいるが全くリスクがないかというと、そうではありません。
今後の経済見通しに対するリスクには下記のような考慮が考えられます。

1.インフレの再加速リスク

エネルギー価格の上昇や物価が再び上昇し、利上げの再開が必要になる可能性がある。消費者物価指数(CPI)・生産者物価指数(PPI)・個人消費支出(PCE)デフレーターの予想と悪くなってしまうと、これが経済活動にブレーキをかけ、景気後退を考えるリスクがあります。

現状ではだいぶインフレは抑制できているように見えます。ですが、FRBのボウマン理事やパウエル議長はインフレに完全勝利したとは言えないとの発言をしています。今後の数値とFRBの動きを見ていきたいです。

2.労働市場の不安定化

米国の労働市場が引き続き堅調であるかどうかは重要な要素である。現状ISM製造業景気指数・ISM非製造業景気指数・失業率などよい数字とは言えない状況です。今後この数字が改善されなければ、経済全体の成長率に悪影響を与える可能性があります。
今回の利下げは労働市場の安定化を目的としています。


ISM製造業景気指数


ISM非製造業景気指数

ISM製造業景気指数・ISM非製造業景気指数どちらもここ20年間のなかでも数値が低いです。

3.国際経済の不透明さ

世界経済の減速、特に中国や欧州など主要な貿易相手国経済が停滞すれば、米国の輸出業界に影響を与え、景気に下押し圧力がかかるリスクがある。不安が影響を考慮する可能性があります。
地政学的リスクでウクライナ戦争や台湾海峡を巡る緊張、その他中東やアフリカ地域の不安定懸念は、エネルギー価格や貿易ルートへの影響を考慮する可能性があります。これにより、経済に対する新たなショックが発生し、予想以上に景気がが減速するリスクがあります。

4.金融市場の不安定さ

金融市場の不安定さは、企業の投資を低下させるだけでなく、消費者心理にも悪影響を与えます。特に株価の急落や、債券市場の流動性低下などが生じれば、資産効果の低下によって消費が鈍化し、経済成長が減速するリスクがあります。

これらのリスク軽減がどの程度現実化するかに応じて、今後の経済見通しが変わる可能性はあります。

FRBもこれからはソフトランディング(軟着陸)するような政策を立てているので今後に期待したいです。

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