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暗い暗い海の底から にんげんに憧れ 地上にあがった娘は 次には まぶしい太陽に憧れ 『かわいくなりたい』 と思いはじめた だけど 思い描いているような『かわいい』には いつまでも辿り着けない 満されないまま 夜な夜な泣いている でもね あなたが『かわいい』といってくれたなら 娘はその言葉を疑いながらも ちょっとだけ気持ちが楽になるのだ だから娘に 魔法をかけてあげてほしい 『かわいいね』 と ただし うわべの言葉や優しい嘘だとわかった瞬間 娘は泡になって消え
最期に笑えたら いいんじゃないかなぁなんて思うんだ いまどんなにあわなくても そう思っている方が よほどいい未来が待っている気がするし そう願っている方が よほど夢を引き寄せられる気がしないか だから我慢しないで 笑っていようよ 泣いたっていい 怒ったっていいよ 歌っていようよ 時には離れたっていい なんなら殴り飛ばしたっていいんだ それができるのは 生きているうちだけなんだし あなたとわたしが 生きている時間は 意外に、短いんだ そして 尊いんだよ