uConsoleの話
先日、uConsoleを入手しました。μConsoleだと思っていましたが、"μ"ではなく"u"みたいですね。
納期9か月!
注文からなんと、9か月以上経ってようやく届きました。納期に関してはモーガン級ですね。
ITガジェットにしろ自動車にしろ、趣味に偏った製品の納期と言えばそのぐらいが普通なのかもしれません。
uConsoleはキットなので、手元に届いたらまず組み立てなくてはなりません。
このあたりは、初期のロータス・セブンのよう。
モーガンは完成車で届くわけですが、モーガンの納期でキットのセブンが届いてしまうのです。クルマで言えばガレージでワクワクしながらスパナ片手に進んで油まみれにならないといけない状況。「え、これから組むの!?」なんて、絶対言わない。たぶん。
これは、コーリン・チャップマン顔負けのエンスージアスト向けビジネスモデルですね。
とはいえ組み立てはいたって簡単。
昭和の頃、よくラジオキットなどの電子工作キットがプラモデルに例えられていましたが、レゴとかガンプラなんかと比べるとuConsoleの組み立てはめちゃくちゃ楽勝です。
例えばガンプラだと、まず箱を開けた瞬間に「なんだこのエントロピーの高さは!!」っていう衝撃があるわけですが、uConsoleにはない。
はじめて自作パソコンを組んだとき、あれ?意外に簡単。と思った経験がありますが、あの10倍は簡単。
OSをインストールする手間すらありません。付属のマイクロSDカードを突き刺すだけでOK。
ただ、リチウムイオン電池は別途調達しなくてはなりません。デリバリー上の都合とのことですが、なるほどですね。リチウムイオン電池が入っていると飛行機で送れなかったり、国によっていろいろ面倒なので仕方ないのかもしれません。
インターネットで「18650 リチウムイオン電池」で検索するといろいろ出てきます。筆者はあまり深く考えずに2本で2,000円ほどのものをAmazonで購入しましたが、粗悪なリチウムイオン電池は充放電を繰り返すうちに発火する可能性もあるので、できればよく調べて購入した方がいいと思います。
容量9900mAhはなんかちょっと嘘臭いですね。3500mAh程度のものをよく見ますが……
あと、リチウムイオン電池の代金以外にも、uConsole本体の商品代金や送料とは別に、関税と関税の取り扱い手数料が必要になります。
商品到着後2週間ほどしてFedExから請求書が届きます。2,500円ほどですが、覚悟していないと少し気持ちが萎えますね。
選べるCPU
uConsoleが面白いのは、CPU周辺の基板がモジュールになっていて、オーダーのときに選べるというところ。
筆者が購入したのは表の一番上、RPI-CM4です。
このRPI-CM4は、CPUの基板モジュールがドーターボードのようになっていて、Raspberry Pi Compute Module 4をそのまま搭載しています。
Raspberry Pi Compute Module 4(CM4)は、Raspberry Pi 4 Model Bを産業・組み込み用途向けに小型化したもの。つまり、ラズパイ4Bに液晶モジュールとキーボード、リチウムイオン電池がついて、持ち歩けるようになったという感じ。
実は、内心RISC-V搭載のR-01も気になっています。R-01のモジュール基盤単体でも販売されているようなので、おいおい考えてみたいですね。
LTE通信モジュールも選べる?
オプションでLTE通信モジュールも付けることができるみたいです。
とりあえず、いまいまuConsoleを単独で外に持ち出して使うことは考えていませんので、4G/LTEなしを選択しました。
もし、頻繁に外に持ち出すのなら外出先で通信環境が確保できるのはありがたいかもしれませんね。
見た目がカッコイイ
とにかく、パッと見、かっこいいですよね。
液晶画面とQWERTYキーボードが上下に一枚板で並んだ外観が、1980年代マイコン少年だった筆者にはアラン・ケイのダイナブックを連想させます。
ダイナブックほど大きくはないですが、スマートフォンほど小さくもなく。更に、筐体が樹脂(プラスチック)ではなく金属なので頑丈である反面、けっこう重いです。
ただ、全体の形状や各キーの位置はよく考えられていて、両手で持つと自然にカーソルキーやL、Rボタン、トラックボールやABXYボタンに親指が乗るようになっています。
文字や数字も、両手の親指を使ってポチポチ入力すると、思ったより打ちやすい感じ。
ノートパソコン代わりに使うとなるとちょっと厳しいような気がしますが、ちょっとテキストファイルを編集するぐらいなら問題ない感じ。
まずはゲーム
見た目がカッコイイのと、Linuxが動くなら何かに使うだろうという軽いノリで入手しましたが、やることといえばゲーム。
OpenTTD
これは、はじめからインストールされていました。
懐かしの『A列車で行こうIII』に似た運輸会社経営シミュレーションゲームです。元々はマイクロプローズから販売されていた『Transport Tycoon Deluxe』というゲームをオープンソース化したものだそうです。
Wikipediaを見ると、オープンソース化される前に『Transport Tycoon Deluxe』の元になった『トランスポートタイクーン』が日本でもセガサターンやプレイステーションに移植されていたようですね。全然知りませんでした。
『シムシティ』や『A列車で行こうIII』にコンセプトや画面の印象が似ていたためか、当時のゲーム雑誌では、なかなか厳しめに評価されていたようです。
確かに売り物のゲームとしてはいろいろ言いたいことがあるかもしれませんが、無料だと思うとかなりクオリティは高め。ゆっくり時間をかけて楽しみたいですね。
ただ、uConsoleで遊ぶにはちょっと画面が小さいかも。日本語表示にすると、メニューが画面からはみ出してしまって、上手く操作できないところがあります。
ちなみに、パソコンで遊ぶならSteamからインストールできます。もちろん無料。Windows版とMacOS版があります。
Battle for Wesnoth
こちらもオープンソースで開発されているゲーム。ターン制のウォー・シミュレーションの『Battle for Wesnoth』
aptでインストールできます。
sudo apt install wesnoth wesnoth-music
日本語対応もばっちりで、グラフィックスも綺麗。チュートリアルから初心者向けのシナリオも充実していて市販のゲームと遜色ありません。
こちらもOpenTTDと同じく、Windows版とMacOS版がSteamからインストールできます。
なんか、見栄えが良すぎてフリーゲームをやっているというニヤニヤ感のようなものがなく、プレイしているうちに、このままでいいのか!? という気がしてしまいます。
Rogue(hack)
そんな気持ちを癒してくれるのは、コンピュータゲームの元祖Rogue。
いまでもローグライクというゲームの1ジャンルとしてその名を遺しています。
コンソール端末で遊ぶ懐かしのCUIゲームがbsdgamesというパックに入っているのでこれをインストール。
sudo apt install bsdgames
Rogueの起動コマンドは "hack" です。
おっと、つまりこれは元祖Rogueではなくローグライクゲームのhackでした。
もはや本物の元祖Rogueに触れることは叶わないのかもしれません。
小一時間ほど、hjklキーでアットマークな勇者を操ってノスタルジックな冒険をしたら、ちょっと時代を遡り過ぎたかもしれません。
Doom
少しだけ時代を下って、レトロFPS『Doom』をプレイしてみます。
Doom!!
画面の下中央に表示される、ヤクザ映画時代の菅原文太とVシネマ時代の竹内力を足して二で割ったみたいな東映反社顔。いいですね!
インストールは下記の3行
sudo apt install chocolate-doom
sudo wget http://www.doomworld.com/3ddownloads/ports/shareware_doom_iwad.zip
sudo unzip shareware_doom_iwad.zip
いい。すごくいい。
元祖FPSというと『Catacomb 3-D』だといわれていますが、Catacomb 3-Dと同じid Softwareが、Catacomb 3-Dの2年後に作ったDoomは最初期のFPS。これがいまでもお手軽に楽しめるのは良いことです。
意味なくWindows 3.11
そういえば、どこかにWindows 3.11があったはず。あれ、DOSBoxで動くんだよなぁ……と、意味なくWindows 3.11を立ち上げてみました。
やることといえば、マインスイーパーかソリティアぐらいしかないんですけどね。
結局ゲームしかやらない。
まぁ、わざわざWindows 3.11でやらないといけないことなんてないですからね。
でも、なんかこうしてみると、Windowsの起動画面、かっこいいなぁ。
懐かしいだけかもしれませんが(笑)