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大切なことは至ってシンプル。環境を整えるだけで、素晴らしい才能が開花していく。

7月最初の土曜日。
我が家の四十雀が無事に
巣立ちました。

ここ数年、
息子の作った巣箱や
水場、餌やり装置のおかげで
我が家には様々な鳥が
訪れるようになり
息子の願いでもある
鳥と共にある
豊かな暮らしが実現しています。

息子の作った巣箱には
毎年、雀や四十雀が巣を作り
たくさんの命が誕生し
巣立っていきました。

巣立ちは感動の瞬間。

ただ、
悲しい巣立ちも経験しました。

四十雀が無事に巣立った後
工房で作業していた息子が
小声で言いました。

「お母さん、来て。静かにね」

見ると
窓ガラスの向こうに
バタバタと
不器用に羽を羽ばたかせる
雛鳥の姿が。

ガラスだと分からなくて
こちらに来たがっているようです。

懲りずに何度も
チャレンジする姿が
何とも可愛らしくて。 

はじめまして。

そう、挨拶しているようにも
見えました。

はじめまして。
そっちに行きたいのにー!

その日は一日中
庭のあちこちから
母鳥と雛鳥の
美しい愛の歌が聞こえ、
我が家は幸せに包まれました。

さて
随分前のことになりますが、
ロックダウンにより、
鳥のさえずりが魅力的になった
という記事を
目にしたことがありました。

本来、鳥は
鳴き方(周波数)を変えることで
様々な情報を
伝え合っているらしいのですが
都会に暮らす鳥は
騒音の影響により
鳴き方が簡素化していき
声量だけが
大きくなっていったのだそうです。

それが、
ロックダウンにより
街が静まったことで
田舎の鳥同様に
静かで質の高い声に変わったのだと
言います。

周波数の幅が広がり
多くの情報を詰め込むことが
出来るようになり
一時とは言え
鳥らしい暮らしを
取り戻すことができたという
ことなのですね。

静かな環境と言えば
数年前の秋に、
こんなことがありました。

幼稚園から
早急の依頼があり
あるクラスの
お手伝いに入ることになりました。

そのクラスは
とにかく元気で明るく、
毎日がまるで
お祭り騒ぎのようでした。

楽しいは楽しいのですが…
動と静の
メリハリが全くなくて、
常に動なのです。

昼食時間もずーっと動。

誰か一人が
明らかに
場違いな大きな声で話し出し
その声にかき消されまいと
他のみんな声も大きくなり
自然とクラス全体が
賑やかになってしまうのでした。

もはや私の声は
誰にも届きません。

さて、
どうしたものか…

考えあぐねていた私がは
思いついた方法は…

静の環境を整えること

でした。

子育てにおいても
自然界においても
大切なことは至ってシンプル。

環境さえ整えば
子どもも
そして鳥たちも
本来持っている
素晴らしい才能を
自ら開花させ輝いていくのですね。

さて、
四十雀が巣立ったその日、
もう一つ嬉しいことがありました。

なんと、
裏のヒイラギの木に
キジバトが
巣を作っていたのです。

こちらも息子が見つけました。

「そっと見に来てね」

息子にそう促され
静かに近寄って行きました。

木を見上げると

いました。いました。

それ以上近づかないでくださる?

「今度はキジバトが生まれるんだね…。
 鳥にとって
 我が家はいい物件なんだね」

私たちは、
新しい訪問者を
心から歓迎しました。

ヒイラギの木のすぐ隣は
私の車の駐車スペース。

キジバトが
安心して子育てに専念できるように
しばらくは
出来る限り離れて駐車して
静かに過ごしたいと思います。

どうか無事に巣立ちますように…。

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