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愛を確かめ合う日~その2~

私の実家も
主人の実家も
自宅からそう遠くはない。

何かあったら、
すぐに
会いに行ける距離だ。


今日は
母の日。
母に
感謝を伝えに行こう。


母の日には、
毎年
花を贈っている。

たまには、
花以外のものにしようかな…
そう思い、
あれこれ考えてみたが、
結局、
今年も花を贈ることにした。

定番のカーネーション。

定番とは言え、
カーネーションを贈るのは
初めてだ。

私は、
これまで、ずっと
バラとか、
ラベンダーとか、
多肉植物の寄せ植えとか、
変化球ばかり選んできた。

カーネーションを
避けてきたのは、
いかにも
と言う感じが
嫌だったのと
カーネーションには
申し訳ないが
妙に安っぽく見えて、
好きになれなかったからだ。

でも、
何だか今年は、
無性に
カーネーションが
贈りたくなった。

なぜだろう…。

よく分からないけれど、
カーネーションも
ステキだなと
素直に思えた。

カーネーションは、
誰から見ても、
間違いなく
母の日の贈り物だ。

母への愛の証
そんな、
いかにも、
と言う感じが
逆にいいなと
今年は思った。

ちょうど
店内で、
6、70代の白髪の男性が
カーネーションの花束を
抱えているのを見た。
この人のお母さんということは
8、90代だろうか…。
そんなことを想像していたら
もう、それだけで、
幸せな気持ちになった。

と同時に、
両手いっぱいに
カーネーションを抱えている自分が
幸せで満たされていることに
気付いた。



カーネーションを
車に積み
一旦自宅へ戻った。

「ただいま~」

玄関のドアを開けると
目の前に
息子が笑顔で立っていた。

「お母さん、いつもありがとう」


そう言って、
赤いカーネーションの花束を 
差し出した。

贈る側から一転
贈られる側になった。

そう、
息子にとっても
今日は
母の日。

私が、母に
感謝を伝えに行くより先に
息子から
感謝の贈り物が届いた。

やられた…。

主人も、
「まぁ、ケーキでも食べよう」
とケーキを買ってきてくれていた。
「えっ、私、あなたのお母さん?!」
そう言いながらも、
嬉しかった。


小さなカーネーションの花束と
ストロベリーシフォンケーキ。

ささやかだけれど、
最高に幸せな
母の日だった。







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