喫煙所と若者支援 なんで昔から民間支援施設には煙草が吸えるスペースが残されているのか
煙草を吸わない、というか、嫌いな方も多いかと思いますが、若者支援の現場には昔から喫煙所があります。
写真のように、みんなが集まってわちゃわちゃするわけでもなく、喫煙所はひとつのB面みたいなところです。
時代の流れで事務所で吸える場所があるというのはほとんどなくなってきていますが、なくす団体もほとんどありません。
お酒でも、喫煙でも、ドカ喰いでも、つらいことを忘れるために、身体によくないとわかっているけど、することとか誰しもあるんじゃないかと思います。
育て上げネットにも、(外ですけど)喫煙所があります。そこに行くと誰かしらいることが多く、僕もそのひとりです。集団が苦手であったり、ひとりになりたい若者たちもきます。
ジョブトレでも、夜のユースセンターでも、居場所のなかに、もうひとつの小さな居場所になっています。喫煙する若者(20歳以上)にとって、そこにいけば誰かがおり、誰もいなくても戸惑わない空間なんだと思います。
そこにいると、なじみの若者も来れば、初めて挨拶をする若者もきますが、夜間帯はいろいろな話を聴かせてくれます。親の悪口、学校の先生に言われて嫌だったこと、頑張っているアルバイト、資格を取るかどうか、卒業後の進路、今日のご飯なんかも出てきます。
ときどき、相談めいたことをにおわせながら語る若者もおり、「誰かに話たりするの?」と聞くと、近しい関係のひとにはあまり話さない若者もいるようです。
彼ら、彼女あrからすれば20歳も30歳も年齢が離れた中年で、ニックネームが「リジチョー」で、相談員でもなく、なんとなく謎のおっさんです。連絡先を交換することもないですから、この瞬間以降、もう一生顔を合わせなくてもよい存在です。どうでもいい、通りすがりの他人です。
それなのに、関係が近い周囲の人には絶対に言わないようなことを、さらっと話します。僕は僕で聴きはしますが、「ふーん」みたいなことが多いです。知らないことや、わからないことは質問します。
居場所は、物理的な場として重要ではあるんですけど、そこにいるひとたちの顔ぶれは、相談員を含めて、変わらなければ関係性は徐々に近くなっていきます。
そのため居場所には、よくわからないけれど、少なくとも安全で、金輪際会わない可能性のある、どうでもいい他人の存在もまた重要な登場人物ではないかと思います。
ここで悩みを吐露しても、僕にその悩みを解決するようなことは求めてないでしょうし、なんなら、一通り話し終えたあとに、「まぁ、言っても何も変わんないですけどね」と、完全に無力な置物扱いもあります。
でも、無力な置物扱いになれた微力感は、今日、夜ユースに来て、喫煙所に足を運んでよかったなーと思います。
おかげさまで、夜のユースセンターの継続運営のためのクラウドファンディングは目標を達成することができました。いま、28名の方に応援いただいていますが、
なんで無料なの。食事代は誰が出してるのと聞かれる(怪しいのでしょうね・・・対価を求められない世界線を生きたことのない若者もいますから)ので、彼ら、彼女らに対して100名を越えるひとたちが、ここを、きみたちを想ってくれているんだよって言いたいので、引き続き、寄付を募っています。
※そういうことを熱めに語っても、「まじっすかー」で閉じる可能性もありますが・・・
[お願い]
ふるさと納税を通じた寄付は、自治体に納付されるものとして、僕らのもとに寄付者の個人情報が一切入りません(共有する自治体もあるそうです)。そのため、ご寄付をいただいたことに気が付く手段がなく、ぜひ、「したよー」と教えていただけると嬉しいです。
それ自体が伝わってなくて、御礼もなく失礼だと思っていたお話をある筋からお聞きしまして、戦々恐々としております。