米倉誠一郎先生 法政大学退官記念冊子『POWER TO THE PEOPLE』
法政大学大学院教授/一橋大学名誉教授の米倉誠一郎先生の笑顔に救われたひとはたくさんいるのではないでしょうか。
僕は大学を卒業しておらず、友人が言うような「恩師」にあたる大学の先生がいません。それでも、直接の学びを学校で受けたわけではないけれど、「恩師」だと考えているひとが二人います。ひとりがまさに米倉先生で、もうひとりが東京大学の玄田有史先生で、共通点は、なんでも面白がってくれて、笑いながら背中を押してくれる存在。
米倉先生は、いろいろなところで声を、コメントをくれます。ポジティブなことしか記憶にありません。また、教えるというスタンスでも、助言というスタンスでもなく、笑顔でいてくれます。
本書『POWER TO THE PEOPLE』は非売品とあるので、一般流通してないと思いますが、本当はすごくたくさんのひとが手に取ってみられたらいいんだろうなと思います。
米倉先生が、日本社会、特に何かやろうともがいているひとたちにとって、大きな力になる存在であることや、その功績はわざわざ僕が書く必要もありません。
しかし、本書は僕が知らない米倉先生の過去から現在の個人ヒストリーであり、「なんかいろんなことしているんだな・・・世界中で」と、改めて断片的にしか情報は見えないことがわかります。
何より、日本という国に対して、ご自身を責めて、責めて、責め続けて、(そんなことはないんですけど)ご自身をこの30年の日本のなかで「A級戦犯」と総括して(しまて)います。
多くの人たちが自分の周囲何ミリ、何センチメートルの問題や課題、苦しいひとたちのためにと考え、それを通じて社会を少しでもよくしようとしています。そういうひとたちの背中を押し、そういうひとたちの結節点となり、そういうひとたちの太陽みたいな存在である米倉先生が、ご自身を戦犯扱いしています。そこからスタートする本書は、それ自体が強烈過ぎて、読み進めるのがしんどいです(内容は楽しいことや、へぇ!というのが多いのに)。
紆余曲折、よくわからない世界に身を置いても何とかしていく力、それでいてすごぶる元気で明るく、太陽のような存在である米倉先生のお話は、「僕も頑張らなきゃ、そして、もっともっと楽しんでいこう」と思うに至りました。
幕末発、シリコンバレー経由、ソーシャル・ベンチャー行きの特急米倉号の行き先が楽しみでなりません。そして、できることならその列車から見える景色を、僕ものぞいてみたいな、そう思います。
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