塾における「成績の上げ方」【元塾講師】[再掲]
「塾に通わせているのに子供の成績が上がらないの!」
そう感じているお母さんは多いはず。
はっきり言います。成績が上がらないのは当たり前です。
だって、今の子供はほとんど塾に通っていますから。
公立中学に絞ると、中3の通塾率は8割超え。
(詳しくは文部科学省のHPを見てね!)
ちなみに、僕は東京の23区内で進学塾の教室長をしていましたが、中3の夏期講習以降では、9割以上が塾に通っていたように思います。
通っているのが「普通」なのだから、それだけでは成績はなかなか上がりません。
じゃあ、どうやって成績を上げるのか。
単刀直入に言います。
「あなたのお子さんは、塾の先生が好きですか?」
少なくとも「学校の先生とは違う」と感じていますか?
言い換えると「塾の先生に、勉強に、興味を持っていますか?」
人間は興味のあることはよく覚えます。
僕も何の役にも立ったことはないけど、めちゃくちゃクワガタに詳しいです。文系なのに。
じゃあ、子供は勉強が好きですか?興味はありますか?
好きな科目はそこそこ興味があることが多いですよね?
では、苦手な科目は?
興味というのは「作るもの」で、能力の高い塾講師は「知的好奇心」をくすぐるような「興味付け」の仕組み作りがうまいです。
その中でも最も成績が伸びるのは、塾の先生自体に興味を持たせること。
簡単に言うと、塾の先生に「憧れ」を持てば成績はだいたい伸びます。
僕が「爆発的」に成績を伸ばした生徒の顔を思い浮かべると、僕の「狂信者」ばかりでした。保護者の方から「〇〇は、先生に憧れてるから…」と直接言われたことも何度もあります。
その子たちは必ず成績が伸びています。
「狂信者」とまではいかないまでも、僕は「あの人は他の先生と違う」。
もっと言えば「あの人は大人だ」と思われるように意識していました。
要は、そのくらい興味を引ければ勝手に成績は上がるんです。
よほど変な指導をしない限り。
(ここで大事なのは、僕が演じていたのは「大人の考える大人像」ではなく、「子供の想像する大人像」であるということ)
僕はそれに気づいてから「知識」に関する雑談を増やしました。
目的は「知的好奇心」を刺激すること、あの先生は勉強に関する面白い話をしてくれる、つまり「一味違う」大人として子供に認識させること。
思い出に残っているところで言うと、大学の哲学の講義で習った「イデア論」の話をしたときは、普段勉強にまったく興味のない生徒が真剣に聞いていて驚きました。もっと話してほしい!と授業後に質問に来たくらいですから。
(授業の質問せいよ!というツッコミはなしで)
では、ここからが重要な部分。
塾講師はこのように「知識」を語っているのか?
自分に尊敬が集まる仕掛けを意図的に作っているのか?
答えはNOです。多くの塾講師はそんな意識はないです。
勉強は教えているけど知識は教えていない人が圧倒的多数だと感じます。
ちなみに言えば、これ学歴も関係ないです。
個人的な印象ですが、学歴のある人ほど子供を「子ども扱い」することが多い気がします。悪く言えば子供を「自分の考える子供像」に当てはめたいというか…。
もちろん、個人差がありますけども。
というか、学校の先生然り、塾の先生然り、理想が高くて「自分の考える理想の子供」に育てたがる人が多い気がします。
まあ、これを語ると長いので、別の機会にします。
子供は「大人になりたい」生き物だと理解していない人は多いです。
では、話が飛躍しまくっているのでそろそろまとめます。
僕の成績の上げ方、それは「コイツ…今までの先生と違う!?」って思わせること。
そのためにいろいろな仕掛けを作ります。
「大人」を「大学」を「仕事」を「高校の勉強」を中学生に語ります。
彼らは経験したことがないから。
授業中は学校の先生が言わないことを言います。
マニアックな知識だったり、裏事情だったり。
でも、学校の先生も絶対バカにしません。させません。
学校でもちゃんと授業聞いたほうが成績上がるから。
徹底的に学校の先生の味方をします。
良い噂が流れればより良いです。
学校の先生とケンカしても、利が無いです。
ただ、僕の指導にはまらない生徒もいます。
当たり前です。人間ですから。
そういう生徒は全くタイプの違うスタッフにフォローしてもらいます。
別に、全員が僕の「狂信者」である必要はないんです。
「誰か」のファンであれば十分です。
(というよりも、実際はスタッフの指導にはまらない生徒をフォローに行くのが教室長の仕事)
これが僕の実践していた「成績の上げ方」の一端でした。
※この記事は以前投稿、消去したものを加筆・修正して再アップしています。
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