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台詞

蒸し暑い季節になると思い出す

「もとはと言えば、君のせいじゃないか。」


白いTシャツの代わりはいくらでもあるし

赤信号が点滅する夜に意味はなかった

捨てるつもりで始めた恋だったのに

捨てられる日を想像して、泣いてしまった


君との思い出は、体を鉛のように重たくした

大切なものが増えれば、その分ここから動けなくなった


前がどっちなのか、後ろに何があるのか、

そんなのは最初から分かっていなかったのだけれど

君のいる景色が、世界の全てが、ここにあるように思えた


どんな選択すらも、間違いに思えた。

だけど、君と出会えたのはそんな間違いのおかげだったのだろう


君のせいで、ありがとうが口癖になったよ

君のせいで、誰かとご飯を食べるのが楽しくなった

君を泣かせて、謝らせてしまったことを

僕は最後まで悔やむと思う

愛してくれてありがとうなんて言わせたくなかったな




もう2度と戻れない夜

照れたフリで目を逸らす君へ

寝たふりで背を向けたままの君へ

もう一度だけ歩いてみるから

いつかどこかで、振り向いてくれよ




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