思い出と夢のスキマ
誰かに横取りされたアレを、取り返そうと思う
別にあたたかくも冷たくもなくって
ただ、涙が出ないことが悲しかったっけ
許してほしいだけなのかも知れないな
耐えがたいこの長い時間の中で
君と出会ってしまった運命に
僕は目を凝らし続けることしかできない
何を焼いていたんだっけ
きのこは君が食べてくれて
お皿に、にんじんだけが残ってる
断片的な記憶と、忘れられない横顔
もっと昔から知っていたような
ずっと何も知らなかったような
全部夢かと思えるくらい、綺麗な記憶
泣き顔ばかり思い浮かんで
君の手を振り払ってしまったけれど
本当はずっと救われていたんだ
ずっと僕の横で笑っていてほしかった
「あ、おかえり」
君のことが大好きだって顔で迎えて
なにも知らない顔で喘いで
もう何も見えないように
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