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仕事中、幽霊に大量の髪の毛をぶっかけられた社畜の話

かつて私が働いていた職場は心霊現象が多々起こるエンタメ性に富んだ職場であった。

そしてそれは私の身にも降りかかってきた。
残業中に幽霊の声が聞こえてきたのだ。
全然嬉しくない。

が、あろう事か仕事に忙殺されイライラしていた私は幽霊に向かって暴言を吐いてしまったのである。
その時の話は過去の記事で書いているのでよければ読んでいただきたい。

そして私は再び心霊現象に遭遇することになる。
全然嬉しくない。
しかも幽霊は以前の暴言に憤っていたのか、私に攻撃を仕掛けてきた。

そう。タイトルにもある通り髪の毛をぶっかけてきたのだ。
意味わからんですよね。

そんなわけなんで今回はその時のことを書かせてもらうと思う。



ある日、他営業所から「この部品、在庫ありませんか?」と問い合わせがきた。
在庫データを検索したところ、データ上は在庫がある。
ただ、使っていたのが相当昔の部品。
実物が本当にあるか、または状態が良いかはわからない。
なので私は現物を確認しに行くことにした。
実に面倒くさい。


ただ全然部品が見つからない。
会社内のあらゆる場所を探しても全然ない。

自分で探しても埒があかないので、私は部品管理している部署の先輩に相談してみた。

すると「あそこにあるかもしれない」とその場所に案内をしてくれた。


そこは会社の敷地の外れにあるオンボロの倉庫のようなところ。
聞くところによるとそこは廃盤になった等の理由で使ってない物をとりあえず詰め込んだ場所のようだ。

倉庫の中を見てみると確かに古めかしい部品がたくさんあった。
そして埃や雨漏りから守るために至る所にブルーシートが掛けられていた。

その中で探しているとそれらしい物が置いてある一画を発見。
私の背より少し高いところにある棚だ。



その場所を調べようにも、そこも他と同じでブルーシートがかけられていた。まずはそれを取ろうとシートを引き寄せると…

冷たっ!!!!
何これ水!?!?

どうやらブルーシートの上に雨漏りの水が溜まっていたようで手前に引っ張った私の上半身にクリーンヒットしたのだ。


「最悪だ!」
そう言いながら上半身の水を手で払っていると

うん?手になんか付いてる?なにこれ?


見ると長い髪の毛が手に絡みついていた。

手だけじゃない。上半身にも床にも大量の長い髪の毛が散乱していた。
なんと私がかぶったのは髪の毛入り水だったのだ。

いくら黒髪ロングが好きな私といえど、流石にこの状況においては興奮することはできない。


水をかぶった私を見て「なにやってるんだよ〜」と笑っていた先輩も状況に気が付いたようで、
「うわ!気持ち悪い!」と言って逃げ去っていった。
あんな華麗な見捨て方を私は見たことがなく、その姿に見惚れてしまった。


その後、たくさんの人が様子を見にきた。
もしかしたら髪の毛じゃなく何かの繊維か何かかの可能性も考えたが、見る人全員「これはどう考えたって髪の毛だろ…」と結論に至っていた。
至るな、気持ち悪い。


結局、他の可能性が考えられなかったのでそれは髪の毛だと結論づけられたが、何故あんなところに髪の毛があったのかはわからぬままだった。
ちなみにその場所には人が入れる隙間も無いし、動物の死骸等もなかった。

良いか悪いか幽霊にカジュアルな職場なので「まぁいつもの幽霊じゃね?」ということで深く追求せずに落ち着いてしまった。
敷地に入ってきた野良猫みたい扱いは幽霊的にもプライドが許すのだろうか?


現場に残された髪の毛をどうするかということは、第一発見者の私が片付けるということで満場一致した。
私は「一致すな!」と異議を唱えたが無慈悲に却下された。

気持ち悪いし仕事に早く戻りたかった(社畜の鏡)ので、隣にいた女性社員に救いを求めたら
「は?何言ってるの?絶対嫌」と冷たい蔑みの視線のご褒美を頂くはめになった。ありが… じゃなくて くそぅ!



結局、部品は見つからないし、仕事は遅れるし、1人薄暗い中で謎髪の毛の掃除をさせられる事になるし、もう散々だった。

そこで私は「もしかして以前の暴言で幽霊が怒ったのでは?」と考え後悔した。

そして決意した。
次会った時は反撃する気力も無くなるくらいけちょんけちょんにしてやろうと。



兎にも角にも、幽霊に遭遇したら角が立たないような対応をしましょう。
どうしてもイライラする事があったら「ぶぶ漬けいかがどす?」と遠回しな嫌味を言うぐらいに控えましょう。

では皆様も良い幽霊に出会えることを祈ってます。

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