【大槌町地域おこし協力隊】2021年8月活動報告
トップ画像については後ほど…
いつもやけに目次が多いのですが、今回はすごくコンパクトになりました。
その分各項目の内容がかなり重めになってきています。
それではどうぞ。
1.ハンター育成プロジェクト
ハンターは山を守り、生命の循環を守る。
一緒に踏み出そう、ハンターライフ。
増えすぎたシカが、希少な高山植物を食べ尽くしてしまったり、
希少な蝶の幼虫の餌となる植物を食べ尽くして、蝶を絶滅の危機に追い込んでしまう。
そんな事例が全国で報告されています。
ハンターは、生態系のバランスを保つことで、山を守り、生命の循環を守る。
その重要なハンターが、釜石・大槌でも高齢化してきている現状に立ち向かうべくスタートしたプロジェクトが、この「釜石・大槌ハンター育成プロジェクト」。
(1)事業拡大にむけて
当プロジェクトは、大槌町のジビエ利活用を推進する「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」の一部として発足したのですが、実際には岩手県内各地から応募がありました。
そこで、このプロジェクトを岩手県のプロジェクトにしよう、と現在準備中。
この8月には、県庁にも相談に伺いました。
県の判断を待ちつつも、こちらもできることから着実に…
(2)わな猟講習会
狩猟免許は、
網猟
わな猟
第一種銃猟(散弾銃・ライフル銃)
第二種銃猟(空気銃)
に分かれますが、応募があったハンターさんたちの中で一定数いたのが、わな猟免許所持者。特に女性に多い印象でした。
「どの方法がいいかわからなかったのでとりあえず全部取りました」「銃を持つのは怖いので、まずはわなから」「食育の一環で、生き物の命を頂く実体験として、手応えのない銃よりわなを」理由はさまざまです。
一方共通していたのは「免許はあるけどやったことはない」「どうすればいいのかわからない」という声。
それもそのはず、狩猟免許を取るには、法的な最小限の知識しか教わりません。現場のことは、自分で勉強しないといけないのです。
ということで、こちらとしても初めての取り組み(企画段階で私自身もわなの知識0)ですが、いろいろ勉強しながら準備を進めました。
①テキスト作成
参考のために買って読んだ本があまりにも内容が充実していてわかりやすかったので、参加者にも購入してもらったほうがいいのでは…等と思いつつ
まだ免許をとっていない人向けの簡単な基本事項と、岩手県特有の狩猟情報に絞ってまとめました。
実践的なマニュアルは、他県でまとめられていたもので代用しました。確認の連絡を取ると、快諾して頂けたので、ありがたく印刷して参加者に配布。
②動画撮影
わな猟初心者が一番不安なのはきっと実際に動物がかかった後、
だけど講習会の日に向けてわなをかけておいたからといって、当日にきちんと動物がかかってくれるなんて言うものではありません。
そこでMOMIJI㈱のハンター兼澤さんに協力頂いて動画を撮影することにしました。
その動画はここではお見せできませんが、兼澤さんと講習会の講師の舘鼻さんと相談して、技術的な部分をしっかり伝えつつも、わな猟の現実(自分の手で生き物にとどめを差さないといけないということ)にしっかり向き合ってもらえるような8分の動画に仕上げたつもりです。
狩猟者はどんどん足りなくなる一方で、狩猟免許試験(の予備講習)には人数制限があって1年で狩猟者になれる人数には限りがある。その中で、免許をとっても現場に出ずに終わってしまったり、やってみて合わなくてやめてしまう人がいる。そんな人を減らすために、なるべく現実を知った上で狩猟を始めるかどうか、どの方法でやるかを判断してほしい。そんな想いです。
(実際にはこの講習会をもっとたくさんの人に届けないと全く意味がないのですが。早く予算が付くのを願うばかりです)
③当日運営
今回は3名の方にご参加頂きました。
今回は前半は座学編、後半は猟場に行って実践編、最後に私から少しお話を、という構成にしました。
本当に必要な内容が盛り込めたのか、伝わったかのか、この構成がベストなのか、考えることはたくさんありますが、やってみてわかったことも多く、まずはやってみて良かったの一言に尽きます。
今後は、事業継続のためにはお金が必要なことも事実なので参加費をどう設定するか、どうすれば本当に必要としている人に講習会の存在を知らせることができるか、さらに計画を練っていきたいと思います。
2.MOMIJIサイトリニューアル
大槌町のジビエ処理会社MOMIJI㈱もそろそろ設立から1年、ということで、商品ラインナップ等々マイナーチェンジもいくつかあったので、HP・ECサイトの見直し・手直しをしました。
(1)商品物撮り
1年半前から比べ、お肉を仕上げるこだわりもカメラもバージョンアップ、というとで、商品写真の撮り直しをしました。
この様子はMOMIJIのFacebookでも紹介されています…片手にはカメラ、片手には肉を触る用のビニール手袋スタイルです笑
撮った写真がこちら
生憎の曇りでしたが大きい窓の前で自然光をめいっぱい取り入れながら撮影しました。やはり自然光大事…。
(2)HPリニューアル
写真その他文章のマイナーチェンジも加えて、HPを手直ししました。
それに合わせて、MOMIJIの個人のお客様向けのメインの流通ルートであるポケットマルシェも一新。是非覗いてみてください!
3.求人募集掲載
私たち㈱ソーシャル・ネイチャー・ワークスに新メンバーを募集することになり、急いで掲載媒体の選定をしました。
結果、自社HP、移住系求人サイト、ソーシャルビジネス系求人サイトに掲載を決定。急いで文章・写真の準備をしました。9月1日リリースということで1週間ほどで大忙しで準備。
また、私や菅原君の募集の時とは違い、業務内容や働き方がおおよそ予想できている状態からのスタートということで、業務内容がイメージできるように動画も作成。
初めての動画編集、しかも海外の無料ソフトが拙い日本語に翻訳された程度のもので、苦労しながらもやっとこさ完成。当然素人仕事なので、イメージしたようなカッコイイ出来ではないですが、時間のない中でよくやったなという感じでしょうか。
4.一緒に踏み出そう、ハンターライフ。
名の如く、「山の生態系を守ろう!」「ハンターを増やそう!」と言うからには、当然自分もやらなくてはなりません。仕事として、というより、信念として、の話です。
(1)射撃教習でぼろぼろになった話
兼澤流「美味しいジビエを手に入れるための最上のスタイル」が銃猟なので、当然私も銃の取得を目指します。
5月の猟銃等初心者講習会を受講、その後、教習射撃の許可申請をして待つこと1か月くらい、7月に許可が下りました。
許可書を手に、いざ、宮古の射撃場へ。
初めて持った銃は、ずっしりと、聞くと約4kg、これが棒状なので、てこの原理で先端がかなり重く感じます。教官に指導してもらいながら、鏡の前で構える練習。これから100発の撃ち込みを控えているのですが、この段階でかなり危機感を感じていました。利き目が右目と教えられて構え始めたものの、なかなか目の照準が合わず、そうこうしているうちに、銃はどんどん重く感じられて来ます。
そして射撃台に立ち、100発の撃ち込み。どんどん重くなる左腕と憎き金属の塊、教官には「今のは悪くなかった」と言ってもらえるのに一向に当たらない弾、3万も払ってやっているのにこのまま不合格になって帰るのかと思うと不甲斐なくて溢れてくる涙。教習射撃の前に付け焼刃のようにやった腕立て伏せは全く効果なしでした(やっていなかったらもっとひどかったかもしれませんが)
結果、試験の本番は25発中まぐれのように当たった3枚の成績でギリギリ合格しました。次の日には頬付けをしていた右のほっぺが真っ赤に腫れていました。
当たらないのが筋力のせいなのか、射撃の才能がないせいのか、止まっている的なら当たるのか、全く見当もつかず、ただただ猟期への不安が残る結果となりました。
(2)狩猟免許試験予備講習会
に行ってきました。猟友会が主催して、銃の取扱やわなの取り扱いなど、これを受けないとぶっつけ本番では難しい内容を丁寧に教えてくれるありがたい講習会(しかも費用は岩手県のおかげで無料)です。
射撃教習を既に受けていたので、猟銃の扱いはそれほど問題なさそうでした。わなの仕掛け方も、一度触れば問題なし。法規も、最近の詰込みのおかげでほとんど知った内容になってきているので、残るは狩猟鳥獣の判別だけです。2週間後の試験では出る種類も限られているそうなので、前日勉強すればきっと大丈夫ですね!
(3)狩猟同行
今までも数回兼澤さんの狩猟には同行していたのですが、なぜか仕留めるところを見れていなかったのですが…
この8月、ついにそこに立ち会うことができました。
霧の中でもしっかり仕留める兼澤さんにはさすがとしか言いようがありません。
弾が気道を貫通したのか、かなり長い間苦しそうな呼吸をしていました。
それでも、まだ逃げようという気持ちがあったのか、最後の力を振り絞ってなんとか首を持ち上げた姿が今でも思い出せます。
絶えた後は、お腹やまだ柔らかい袋角までしっかり温かく、体はずっしりと重かったです。
そして、工場に持ち帰りすぐに頂いたハツは、やっぱりいつも通り美味しかったのでした。命を粗末にしないように頂かないといけないと、改めて感じさせられました。
5.ついにイノシシが。
兼澤さんが新山でイノシシを仕留めて来た、ということで、解体を見に行きました。
町内で2頭目ということです。55kgの小型のオスでした。
なぜか今年生まれのウリボーたちを連れていたというのは不思議ですが、生き延びた子たちがまた定着してしまうのではと心配です
シカと違って副蹄の足跡がしっかりつくという蹄もなるほどなと確認。
皮はシカより身にしっかり付いていて、皮剥ぎが大変でした。
大槌で増える前に食い止めていかねばです。
6.個人的おおつちライフ
写真で振り返っていきます
楽しみにしていたトウモロコシは何者か(ハクビシン)によって壊滅
トマトも赤くなったそばからカラスにつつかれたり
ガの幼虫にまあるい穴を開けられたり(夜行性らしく姿が見えないのが憎らしい)
自分で育てたトマトとバジルでピザを焼いたり
もらったハゼと天ぷらにしたり(0円食堂)
故郷北海道では見たことのないスーパーに並ぶお盆グッズたち
これもお盆グッズなのか?(真相は謎のまま)
海の勉強室の夏休み企画で子供たちとウミガメを放流したり
カニカゴを上げたり
気候変動とそれを調べる手法について勉強したり(皆勤賞でした)
2本親知らずを抜いたり(まだ腫れてる)。
人生で3番目くらいに辛いです。前世で何か悪いことをしたのでしょうか。
それでも、痛くなったらすぐに通院できるというのは大事なことで、田舎でも信頼できる歯医者があるというのはいいものですね。
以上、8月の報告でした。
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