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主に日記を書きます 出来るだけ独り言ではなく、伝えるように書きます

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最近の記事

希望への対処法

この記事は前回から続いている。 希望へなぜ「対処」しなければならないかを書いてきたつもりである。 私たちは希望への向き合い方が下手なのだ。 希望という曖昧なものを、粗雑に扱っている。 まず避けるべきなのは、 「希望を追うことそれ自体」を 誇りとし始める行為(かもしれない)と書いた。 だがあの記事は、読者に問題だけを残して終わっているので、 いかんせん暗い。そこは反省している。 そこで私は希望との付き合い方について、いくつかの方針を立てた。 3つある。 方針1:いっそのこと、

    • 「人は、本当にやりたいことをやらない」という説について

      どこで聞いたのかは忘れたが 「人は、本当にやりたいことはやらない」と聞いた。 これについて私は一旦 そうかもしれないと納得をしたのだが、 あとで考えてみると私なりに批判したい点が 二つ浮かんだのだ。 それは、 1.「本当にやりたいこと」という手垢がついた表現 2.「本当」という言葉選び これらの要因から単に「人は、本当にやりたいことをやらない」 と言ってみてもあまりに意味が広くなっているのだと思う。 それは表現者のせいではなく、あまりに使われすぎて、 その度に文脈が広がりすぎ

      • ある珈琲屋に行った

        勤怠管理の一番左の行には青い笑顔のアイコンが並んでいる。 定時退勤のボタンを押し、終業後どこで珈琲を飲むか決めていたのでグーグルマップを見て歩く。あの珈琲屋のロゴはUCCの色彩と全く同じだったと今思い返していて気づいた。赤に白抜きの、布製の張り出しの下から入り口の形であたりに白い灯りが漏れ出していて体が吸い寄せられる気がした。近づくと賑やかな子どもの声が聞こえる。外のベンチでタバコを吸っていた客が帰る。店をやっているのはおばあさんとおじいさんで客はベージュのトレンチコートを着

        • 何かを許すとは何か

          銭湯の中で時計を見て、もうすぐ8時だと思った。 出てから、牛乳とグアバジュースで迷って 攻めのグアバにした。 きた道を戻り、寄り道をして、和菓子などを買い ホクホクの焼き芋のような状態で、歩いていた。 2階の空いた窓から、他人の家の時計が見えた。 灰色の時計で、僕の家と同じ色なのだが、 もうすぐ8時だったのだ。 僕はその曖昧さに許された気分になった。 そこでふっと浮かんだ。曖昧にすることというのは、許すということか? 例えば次のような文章で考えてみる。 僕は父を許したが、ま

        希望への対処法

          壁について

          突拍子もないタイトルになったが、僕は人との間に壁を感じる。 その鬱陶しさについて、愚痴を言わせていただきたい。 いや、やっぱりやめておこう。 それよりも、壁にどう対処するのかが大事である。 僕たちは壁にどう向き合うのか。 考え方1: 聳え立つ壁にぶち当たる瞬間こそ人と自分の違いを確認する という意味で大切だ。 人と僕との間に立つ壁は、普段は知覚されることがない。 いきなり目の前に現れるので、顔からぶち当たるのである。 あと僕は良心がないわけではない。 これは大事な確認であ

          壁について

          アートを解釈しようとすることについて考えてみた

          話1: 解釈しようとするステップ あなたが美術館に行ったとき まず感性がゆり動き、居ても立っても居られない という状態になったとしよう。 では、美術館を出る。 ゆっくりとあの作品は、ああいうことを伝えたかったのかな ということを言葉にまとめ出す。 二日が経つ。 あなたの中で、かつて感じた感性の動きなど、 とうに消え去って慣性も失われたのに、 頭の中で言葉をこねくり回して あの作品がどういう意味だったのかを考え出す。 そのうちに元のアートを矮小した解説や、 あるいは自分自身の

          アートを解釈しようとすることについて考えてみた

          坂本龍一について

          2017年に発表されたアルバム"Async"を聞いた時、 坂本龍一の音楽は、私の心の溝に向かってゆっくりとグラスを傾けて それからずっと私の底を流れ続けていた。 彼の音楽は、 先日アーティゾン美術館で「ダムタイプ」の展示を見た時に、 大きく激しい流れとなって噴出し、私を迎えた。 照明の落ちた展示室の角で、よくわからない感情に圧倒されて、 なんだか泣きそうになって、私はそれを 陳腐な感動に落とし込むまいと抵抗していた。 この記事で、ダムタイプの展示をどう私が解釈したかを、 言

          坂本龍一について