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イタリア語 単語の話(9)

読んで楽しいイタリア語の話
単語で覚えるイタリア語

81.generoso (ジェネローゾ):“ -oso と -ous  英語とイタリア語の共通点”
イタリア語で~oso と終わる単語は英語になると -ousになるということが多いようです。多くの単語が変化で理解出来ますので、イタリア語母語の人と英語母語の人には便利な話ですね。残念ながら日本語との関連はありませんが、どちらかを知っていると相乗効果がありますから、例を挙げておきます。
generoso(generous 寛容な)、famoso(famous有名な)、prezioso(precious高価な)、curioso(curious好奇心のある)、religioso(religious信心深い)、ambizioso(ambitious 野心のある)、laborioso(laborious 労力を要する)など。下記のような関係も見られます。
-zione と -tion : situazione(situation状況、立場)、nazione(nation国家)、posizione(position立場)、corruzione(corruption汚職)、costruzione(construction建築)、dimostrazione(demonstration実演)、ammirazione(admiration賞賛)
-za と -ce : prudenza(prudence慎重さ)、obbedienza(obedience従順)、conscienza(conscience良識)、scienza(science科学)
-ta` と -ty : città (city市) 、università (university大学)、elettricità (electricity電気)、crudeltà (cruelty残虐さ)
まあ、これだけイタリア語(や欧米語)は、英語と共通点があるということ。日本語がいかに共通点に乏しく、学習者には不利かということが解ります。
 
第八章 イタリアの職業の話
イタリアにも色々な職業があります。個人的にもお世話になりました。同じ職業でも所変われば、職業意識や範囲などが異なることもあります。エピソードと共にご紹介します。
82.avvocato (アッボカート):”イタリアの職業:弁護士の話”
これは弁護士です。このmestiere(職業)は、日本では「士業」のひとつで、資格を持っている偉い人のことです。私はたまたま全くタイプの違う二人の弁護士と付き合うことになりました。一人は、会社としてつきあった弁護士です。この弁護士さんとは、2~3回会っただけです。顧問契約を結ぶため電話をして、直接会いに行きましたが、請求書が来てその内容に驚いたので、その後余程のことが無い限り連絡を取ることがありませんでした。何故ならば、アポイントを取った電話の時間、勿論顧問契約をしに行ったとき話し合った時間が、全て請求されて来ました。海外の弁護士さんとは、そんなものかも知れませんが。立って挨拶した時間は数えなかった様ですが、座った途端に、ストップウオッチのスイッチが入りました。最初はゆっくり話をしていましたが、請求書を貰ってその金額を見てからは、殆ど話すことはなくなりました。どうも私には納得が行きませんでした。まだ契約をする前の時間まで入っていましたから。
もう1人の弁護士は、個人的に問題事を頼んだ人です。ある詐欺事件に関わり、個人的に弁護士を訪ねました。確か最初に、手付金のようなものを払ったと思います。この裁判は、2~3年かかりました。2~3年後に原告側証人として、裁判に赴きました。裁判官がなんとか言って、被告側弁護人がなんとか言って、5分で終了し、すぐに弁護士同士で示談(和解)が始まりました。恐らく裁判所が和解を勧めたんでしょうね。実は、私はその時はイタリアには住んでおらず、たまたま出張で出掛けた時でしたので、その場で片付けたいとは思っていましたから、大体で手を打ち金額がまとまると、その場で相手は私に現金で払いました。まだ通貨はリラの時代で、5万リラ札で数百枚に相当する金額でしたが、それを持っていましたね。最初から示談になる準備をしていたんですね。なんだか良く仕組みも分からぬまま、解決したことになりましたが、私の弁護士が報酬について実は、何も言わないのです。帰りの車(実はその弁護士の車で、MilanoからComo方面の裁判所へ行っておりました)の中で、何か言い出すかと思いながら、一体いくら払えば良いのだろうと悩んでいました。結局、降りるまで何も言わないので、私が「気持ち」として、「車代だ」と言って、ちょっとはずんだ金額を渡しました。この後で、請求書が来るのかなと思いながら、まあ一応これで、終わったと安心しました。そして、その後実は何にもないのです。私が、最初に手付金で払った金額は、該当金額の1%くらいのものだったでしょう。和解で、全額ではないもののある程度戻ってきましたから、成功報酬はあるかと思っていましたが、あれで終わりとは不可解です。考えられるのは、弁護士同士で和解金以外に何かあって、取り合ったのではないかという想像でしかありませんが。
イタリアは身分社会とでも言いますか、大学を出るとsignore(シニョーレ=紳士)がdottore(ドットーレ=ドクター)になります。もし、法学博士か弁護士ならavvocatoと呼ばねばなりません。技師ならingeniereなど資格を持っておれば、それが呼称になります。Cavaliere(騎士)勲章を貰った人は、cavaliereと呼ばれますし、commendatore(聖職)勲章を貰った人は、commendatoreと呼ばれます。格は後者(commendatore)の方が上です。Berlusconi元首相はcavaliereです。また、avvocatoに、冠詞をつけてL'Avvocatoと呼ばれた人は1人しかいません。FIATの創業者、Giovanni Agnelli氏です。
 
83.bagarino (バガリーノ): “どこの国にもある違法の職業?”
これは、職業とはいっても正式には認められていない。勿論日本では行為自体が違法です。ダフ屋のことです。日本では「ダフ屋」というが、この言葉はどこから来たのだろうか。確か中国語では、黄牛というと聞いたことがある。間違っていたらごめんなさい。英語ではticket tout、scalperというらしい。ダフもどこか外国から来た言葉かなと思ったが、これは、フダを反対から呼んだものらしい。なんだ、「まいうー」みたいなものか。ダフ屋といっても、分からない人もいるかもしれないので、説明を加えると、これはスポーツや芝居などの興行の際に、券を買い占めて高く売る人のことをいう。勿論、法律では禁止されているはずだが、昨今はインターネットで手に入りにくいチケットが高値で売買されているようだから、これもダフ屋の一種かしらん。
イタリアでは、サッカー場やF1のレース場などでお目にかかることができる。MonzaのF1のレースを見に行った時のことを話しましょう。イタリアでは、サッカーでもF1でも、ゴルフでも、当日暇ができたとか、天気が良いからとかで、行くことが多い。F1レースも、当日に天気が良かったので行くことに決めた。取り敢えずMonzaの大きな公園(この中にPista=レーストラックがある)に行くと、すぐにbagarinoが近寄ってくる。最初は、2万円くらいのメインスタンドの切符を4万か5万で話を持ち掛けてくる。私は、とてもそんな余裕はないので、一番安い3000円くらいの切符はないかというと、すぐ周りの仲間に呼びかけて、一般席3000円のものを持ってきた。3500円から4000円くらいだ。このクラスのチケットではそれほど値を吊り上げたりはしない。彼らの労力を考えると妥当かなと思って購入。ちなみに、レース終了間際になると、メインスタンドは空いてくるので、メインスタンドに移動した。満員のF1だが、交通渋滞も大したことなく、行きはほとんど渋滞なく、帰りも1時間ほど余計かかったくらいで、ほぼスムースだった。日本で鈴鹿へ行ったときには、帰りが4~5時間の大渋滞だったことを思えば楽なものだった。
 
84.commercialista (コッメルチャリスタ):“イタリアの職業:会計士の話”
イタリアにはcommercialistaという職業があり、これをご紹介しておきます。辞書を引くと、会計士となっていますが、どうも違うような気がします。私の知っている commercialistaは「何でも屋」「便利屋」さんでした。家を借りるとvuotoの場合は、水道の水を出してくれるように、ガスを供給してくれるように、電気を点けてくれるように、自分で役所へ行って申請せねばなりません。しかも、申請してから電気がつくまで1ケ月かかったりします。こういうことをやってくれる人が私の、commercialistaでした。勿論この程度のことは、自分でも出来ますし、commercialistaでなくとも、探せば本当の便利屋さんがいて、やってくれます。一番助かったのは、ヴィサの延長申請です。Questura(警察署)へ行っても、一般の難民と一緒に並ばねばなりません。1990年代当時、visa申請にQuesturaへ行って思ったのは、並んでいるのはほとんどがアフリカの人かアジア人で、西欧人を見かけません。当時並ばずに済んだのは、Euroの国の人(Euro圏内)とAmericano(アメリカ人)でした。アメリカは外交でイタリアと合意して、別にvisa審査をしていると聞きました。私は仕事で行っていたのですが、visaを持っていない難民や不法入国者に時々恩赦が出て、visaを貰えますが、こういう人が毎日のように朝から晩まで並んでおり、ここに一緒に並べというのが基本でした。実際当時は、日本の外務省は一体何をやっているんだと、ぶつぶつ言っていたことを思い出します。
こういうときに役に立つのが、commercialistaでした。彼らは、弁護士か会計士の資格を持っているのか、それとも単にそういうところに顔が効くだけかも知れませんが、彼らに任せたら、並んでいる人を尻目に、正面から堂々と入っていけたものでした。多少後ろめたい気持ちはありましたが。notaioといいcommercialistaといい、ちょっと不思議な職業という気がしたものです。
 
85.dentista (デンティスタ):“アルデンテは、「歯に当たる」の意味”
spaghetti al dente は固めに(歯が感じるくらいの固さ)茹でたスパゲッティのこと。Denteは「歯」。これを使った熟語には、stringere i denti は歯を食いしばって我慢すること、parlare fuori dai denti は歯に衣を着せずに物を言う(ずけずけと言う)ことなどがある。
歯医者さんはdentisita。勿論英語は dentist。日本で歯医者さんという職業はいつ現れたのだろうか。歴史書、物語を読んでいても町医者は出てくるが、町歯医者は聞いたことがない。どうも、昔から虫歯はあったはずだが、虫歯の治療は基本的には「抜歯」だったらしい。虫歯が増えてきたのは、柔らかいものを食べるようになってからだそうだが、考えてみると、5~60年昔でも虫歯が嵩じたら「抜く」という方法が優先的に取られたような気がする。出来るだけ抜かないで治療を、ということが言われ始めたのはどうも1980年頃からのようだ。日本では701年の大宝律令の「医疾令」に目耳口歯と一括してだが、医師の業務の一環として歯が分類されており、それまでは歯を医師が観るという感覚はなかったようだ。1868年に西洋医学が日本の医学として定められるまでは、漢方、呪術、宗教、そして江戸時代以降は南蛮医学が日本の医科治療であったのだろう。ちなみに南蛮とは、中国が呼んだ呼び名をそのまま使っており、南の蛮夷のことで、中華思想に則ったものである。
さて、前に述べたように、日本では歯の治療というのは西洋世界に比べて相当遅れていたのではないかと思う。イタリアやローマ帝国では、紀元前1世紀~紀元後2世紀頃にかけて、古代ローマで「歯の治療は出来るだけ抜くな」ということが書いてある書物が発見されており、また、紀元2世紀にはすでに金冠を被せたり、ブリッジを使った歯の治療があったとの事で驚く。
個人的には、イタリアで2カ所歯医者に罹った。ひとつは保険診療をするところで、もうひとつはそうではない。最初に保険診療医に行った。確かに料金は安かった。たまたま「院長回診」という場に出くわした。日本でも白い巨塔は有名だが、こちらも負けず劣らずであった。「院長回診!」というと、それまでだらけていた、医師・看護士たちが、急に背筋を伸ばす。「院長先生」はにこやかに、患者を診る。医師・看護師たちは緊張の面持ちで、この時とばかり「院長先生」の機嫌をとる、という風に見える。我々患者は「院長先生」の晴れ舞台の脇役でしかない、という感じ。「院長先生」は15分か20分ほど、さっと患者を見て、愛想を振りまいて、帰って行った。一体この院長先生は、普段何しているのだろうと?疑問に思った瞬間だったのだが。まあ、日本でも似たような光景があるのかもしれない。勿論、こういう権威主義でない先生の方が、日本でもイタリアでも多いのだろうと密かに期待はしているのだが。
いずれにしろ、イタリアの特徴なのかどうか判断はしないが、一般には、保険診療でないところの方が、技術が高いと言って好まれていたように思う。2回目に行ったところはこの保険が効かないところだった。実際のところはよく解らないが、こういうところは領収書を請求しないと料金が安いと言われていた。ただ、どうしても領収証が欲しい場合は、fatturaかricevutaか聞かれ、fatturaというと料金が高くなる。ricevutaなら白紙に料金とサインだけで済ましたようなメモ(日本で言う「受け取り」レベルのもの)をくれるだけだ。さて、その後日本に帰って、日本の歯医者さんに行ったところ、私の歯の治療を見て、どこでやったのか興味深く聞かれたので、大分治療法が異なっていたようだ。どちらが良いのかどうかは言われなかったので、素人には全く解らないのだが。
 
86.notaio (ノタイオ):“イタリアの職業:公証人の話”
公証人のことである。これが何だ?と思われるかも知れませんし、実際に私もnotaioのことについてそんなに書くことはありません。しかし、もしイタリアに住もうという人がいたら、必ずこのnotaioに会うことになるので、書いておきます。公証人とは、あなたがあなたであることを証明してくれる人です。例えば、私が日本の或る会社を代表して、イタリアに駐在することになると、日本の公証役場へ行って、その会社の社長から、こういう権限を委譲されたという書類を作って貰います。それを、英語かイタリア語にして、イタリアへもって行き、事務所を設立または、既に存在する事務所の代表者として、認めてもらう為に、イタリアの公証人のところへ行き、証明書を貰うのです。家を借りるとき、スポーツクラブへ入会するときなど、常にnotaioへ赴き証明書を貰わねばなりません。そして、notaioというのは、私の印象では、利権の最たるもので、まず世襲制だそうですから、ほとんどなれません。notaioは私がみるところ、ほとんど暇です。行ってもほとんどの場合他に客はだれもいませんが、秘書がいて待たされます。notainoの事務所は、暇な割りにとても立派です。しばらく、待たされてnotaioは忙しそうにやってきます。そして、私の書類に1分でサインをして終わりです。料金は、2万円ほど(1990年頃)です。つまり、一日に1分仕事をして、食べて行けます。一日に3分仕事をしたら、楽々です。夏休みは2ケ月の間、公証人はいません。羨ましい職業でした。
 
87.sindaco (シンダコ): “あまり聞きたくない響きのイタリア語”
日本語のような響きを持つイタリア語をもうひとつ上げよう。sindaco(シンダコ)、前にアクセントがあるので、これはどうしても「死んだ子」に聞こえる。あまり良い響きではないが、これはある日本人の方が「変っている単語だ」と呟いたのが、私の耳に入ったので記憶している。意味は、「市長」「村長」など。語源はギリシア語syn+dike 正義を守るもの。英語のsyndicate(労働組合)はここから。なお、イタリア語ではsindacato。
Sindacoは日本と違って、わずかな報酬や無報酬だと聞く。小さな町で、前のsindacoだったという人に会った事があるが、ごくごく普通の市民だった。また、銀行員・弁護士・作家をやっていて、町でも知らない人はいない程有名なある知人に、「sindacoにはなりたくないですか?」と、聞いたところ、「政治は嫌いです」と一蹴された。少なくとも金や名誉の為にやるものではなさそうだ。
 
88.veterinario (ヴェテリナーリオ):“よく見かけるのは、愛犬家が多いから?”
獣医のことを言う。ここで取り上げて来たイタリア語の単語は、何かしら私が気になったものを書いてきたのだが、この単語は、イタリアでよく見かけるからだ。まあ、多分イタリアには日本よりも犬が多いのではないかと思うのだが、同じように台湾でよく見かけるものに「水族館」がある。何で、街中にこんなに水族館があるのかと思ったが、どうもそこは、熱帯魚を売っているところらしい。また脱線してしまいました。
さて、別項でも何度か犬の事は書いてきた。私がイタリアで飼っていた犬は、英語名でsetter という。イタリアでもsetterで通じるが(正確にはsetter irlandese)、イタリア語では、cane da fermaという。セッターと言う名前に深い意味があるとは知らなかったが、この犬は獲物を前にすると、ピタッと止まって、待機(セット)する。その性質がそのまま名前になっている。しつけがしにくい犬としても有名らしい。人間にはとても優しいのだが、根が猟犬なだけに、何かを見ると天性が騒ぐらしい。年を取ったら従順になるかと思ったが、セッターを飼っているイタリア人に聞いたところ、年をとっても同じだと言われた。またポインターという同じ系統の猟犬がいるが、これは英語では獲物のありかを手で指して教える(片手を上げる仕草がそれ)からで、イタリア語ではcane segugioと言って、ちょっとニュアンスが異なるようだが、後をつける犬(追跡犬)の名前を持っている。旅行などに出かける時に犬を預けるところを、イタリアではpensione per cani(犬の為の民宿)という。
 
第九章 合成語と熟語
二つ以上の単語が合わさって一つの言葉になったものや、面白い熟語を上げてみた。
89.arcobaleno (アルコバレーノ):“稲妻のアーチとは?”
何となく響きが良く聞こえるのは、この単語を最初に聞いたのは、70年代にヒットしたカンツォーネ"I giorni dell'Arcobaleno"「虹の日々」の歌の題名からだったから、だろうか?Nicola di Bariのこの歌はとても甘い歌で、arcobaleno=「虹」が幸せの象徴みたいに聞こえたのは、音楽のなぜるわざか?Viva la musica! (音楽バンザイ!)
arcoは弓、balenoは稲妻のこと。英語ではrainbowで、こちらは「雨+弓」である。またラルカンシェルという歌手グループがいるが、これはフランス語の虹(L'arc en ciel)のことで、意味は「空の弓」である。イタリア語arcoは弓以外にも、アーチ型の建造物をも言い、arco trionfaleといえば凱旋門のこと。フランス語でL'Arc de Triompheと言えば、パリにある「凱旋門」のことだ。英語には、門のことはgateと言う言い方もあるが、凱旋門のようなアーチ式の門の場合は、archを使う。
ところで、Nicola di Bariは、1960年代後半から70年代にかけてイタリアで大変人気のあった歌手で、この間に2度サンレモ音楽祭で優勝している。そのうちの一つが、このarcobalenoの曲だが、残念ながら今の若いイタリア人は殆ど知らない。なんでこんな良い曲を?と思ったが、考えてみれば、日本でも辺見エミリーのお母さんや、宇多田ヒカルのお母さんの曲を今の若い人に知っているかと聞くみたいなものだと思って納得した。昭和は遠くなりにけり。
balenoは稲妻だが、balenaと女性形になると、クジラ(鯨)の意味になる。
 
90.babbonatale (バッボナターレ): “クリスマスのお父さん”
babboはお父さんの愛称、nataleはクリスマス。Babbonatale(またはBabbo Natale)は、サンタクロースのこと。イタリアでは、クリスマスともサンタクロースとも言わない。サンタと言えば、Santa Lucia(聖ルチア)が有名なくらいで、クロースさんは知られていない。Nataleとは、誕生日のことで、Nを大文字にしてキリストの誕生日、つまりクリスマスの意味となる。勿論キリストも、Gesù (ジェズー)と呼び、英語とはちと遠い。
オリジナルとは全く違う例は他にもある。例えば、Mickey Mouseなどがそうだ。イタリアでは Topolino(トーポリーノ)と呼ぶ。ドナルドダックは、Paperino(パペリーノ)という。topo はネズミ、paperoはガチョウのこと。
ちなみに、日本で昔流行ったトッポジージョは、イタリアではTopogigio(トーポジージョ)である。固有名詞だからといって、どの国でも同じ名前で呼ぶとは限らないのだ。日本のサッカー漫画で有名な「キャプテン翼」は、イタリアではHOLLY E BENJI(ホリーとベンジー)という。ホリーが翼くんで、ベンジーは若林くんである。ちなみに他の選手の名前も全て英語名になっている。が、それはテレビの話で、本は、日本名のままイタリア語にしてある。従い、(まんが)本のタイトルは、Holly e Benji “Captain Tsubasa”となっている。

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