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イタリア語 単語の話(13)
読んで楽しいイタリア語の話
単語で覚えるイタリア語
121.intimo (インティモ):“意外と地味だったイタリアの下着事情”
下着について。男性はあまり気づかないが、下着には、肌着とコルセット(整形用下着)があって、これは別物である。肌着のことは、intimoと言い、これは男女兼用。そして女性用の締め付ける下着のことは、coresetteria(コルセッテリーア)と言う。corsetteriaとは、ブラジャー(reggiseno)、ガードル(corsetto)、ボディスーツ(これもcorsetto)、コルセット(busto上半身用)などのように締め付けるモノを言う。補整下着とも言うように、イタリアでは、一般的にはお年寄りか、乳がん等で補正が必要な人が身につけるものである。日本では、ガードルがやけに一般的なので、イタリアにもあるかと思いきや、若い人には縁がないものと知って驚いた。ソフトガードルという種類のものも基本的にはない。日本ももとは、下着はメリヤスとも言って、それ専門のメーカーが作っていたものだが、今は下着もコルセット類も作る業者が多い(とは言っても恐らく下請け)。イタリアの場合は、メーカーが自社デザイン、自社生産、自社ブランド、独自販売なので、下着屋とコルセット屋は、はっきり別れている。もし双方ともやっていれば、どちらかは委託生産であろう。「メリヤス」は、イタリア語のmaglia(編み物、ニット)が語源であって、magliettaはTシャツや肌着の意味でも使われる。
日本の業者の依頼で、イタリアでブラジャーや下着の色の調査をしたことがある。イタリアは色に敏感なので、下着もさぞカラフルだろうとの思惑であったが、案に相違してイタリアの肌着は、白と肌色が殆どで、黒が少し混じるくらいであった。これは欧州全般の傾向で、従い、フランスでは日本のカラフルな下着が良く売れたと、フランスで日本の下着を販売していた人に聞いた事がある。下着の色で忘れられないのは、赤い下着。イタリアでは、12月31日の夜(San Silvestro)には、赤い下着を着る習慣がある。皆さんも12月にイタリアへ行ったら、下着売り場を覗いてご覧なさい。たった一晩だけのための下着で,売り場が赤く染まっていますから。
122.nipote (ニポーテ):“孫も甥も姪もおなじ”
parente(パレンテ)は「親戚」「親類」「親族」のことを言います。genitoriは複数形で、「両親」のこと。genitoreと単数で使えば、父親の意味だが今は使われない。父親、母親はpadreとmadre、兄弟、姉妹は、fratelloとsorellaで、いずれも教会から出てきたものである。(padre=神、神父 madre=修道女、修道院長frate=修道士 suora=修道女)(以上第17章「padre」参照)
さて、その次は「孫」だが、これをnipoteという。が、nipoteはもうひとつ意味がある。「甥」と「姪」である。だから、子供を指して言う時に、あれはnipoteだといっても、孫か甥(または姪)か分からない。なぜなのか?祖父祖母からみると、子供の子供だからどちらも「孫」である。親からみると自分の子供(figlio/figila)と甥(または姪)で違うのだが、イタリアは大家族主義の国。祖父祖母を中心に考えると、子供とその子供(孫)でしかないという考えらしい。なお、ひ孫のことは、pronipoteといい、そのまた下の玄孫(やしゃご)もpronipoteというらしい。甥の子供は日本語で何というかというと、姪孫(てっそん)とか又甥とか言うらしいが、これも当然イタリア語ではpronipoteであって、考え様によっては、孫あたりから先は関係も薄くなるので、あまり区別しないで統一している方が返って親しみが湧くかも知れないですね。
イタリアでは、名前は聖人の名などから取るので、Marco、Maria、Pietro、Paoloなど共通の名前が多く大体覚えやすい。nipoteで孫も甥姪も統一しているのは、呼び方を簡単にして親しく付き合うというような知恵も働いているのかなと思う。
日本では最近特に名前の方に凝っているので、子供の名前が読みにくいし、覚えにくいが、名字の方は意外と、佐藤、鈴木さんをはじめとして共通の名前が多い。イタリアでは同じ苗字の人に出会うことがあまりなく、出会ったら親戚じゃないかというくらい、苗字の数は多い。そんな中で、変わった苗字も多い。Battaglia(戦闘)、Guerra(戦争)、Tempesta(嵐)さんなどは、私があった中でもすごい名前の人たちだったが、Peloso(毛深い)さんや、Xoccatoさん(Venetoの人で、読みかたは、クソッカートとなる)などは、ちょっと日本人には呼びかけにくい名前だ。しかし、今この名前のデザイナーがいる。やはりVentoの人なので、私が以前にあったことのある服飾メーカーの娘かも知れないと思っているが、この人の名前は日本では何と発音するのだろう。ソッカートでも通るのかな?
123.tifone (ティフォーネ)とuragano (ウラガーノ):“台風もハリケーンも同じ”
tifoneは台風のことである。台風とは、太平洋や南シナ海に発生する熱帯低気圧で、ある一定の風速のものをいうが、イタリア語では台風とハリケーンの違いはなく、全てtifoneと呼ぶ。ハリケーンにはuraganoというイタリア語があるにはあるのだが、あまり区別されて使われてはいない。また、インド洋や太平洋南部で発生するのをサイクロンと呼び、発生場所によって呼び名が変り、日本ではその地域の名前に従っているが、イタリアではこの3者はどこでも適当に使っているようだ。
OZの魔法使いの英語版では、ドロシーが吹き飛ばされるものをCycloneと呼んでおり、そのイタリア語版(Il Mago di OZ)でも、これにならって避難する部屋を"cantina del ciclone"と呼んでいるので、西洋社会ではあまり厳密に区別はしていないようだ。
さて、自然の猛威のひとつに、竜巻があるが、これはイタリア語ではtromba d'ariaという。直訳すれば、空中のトランペット。tornadoという言葉もあるが、これは外来語で、発音はトルナードと読むが、イタリア語ではない。また、海の上で発生する竜巻は、tromba marinaという。逆に海の中に渦巻く、渦巻きをなんというか? これは、mulinelloという。
124.vita (ヴィータ)とspazio (スパーツィオ):“日本語では異なる意味をもつ単語”
vitaは、「命」、「生活」、「人生」などと訳されます。日本語では、夫々少しずつ違った意味をもつものが、イタリア語ではどうしてひとつなんだろう?なんてことは考えたことはありませんか。ひょっとしたら、イタリアでは(英語でもlifeが同じ意味なので、西洋社会では)同じ事なのではないか?私達は、イタリア語を訳するときに、ここは「生活」と訳すべきだとか「人生」と訳した方が良いとか考えますが、こういう風に分けることは本来の意味からは正しくないのではないか。本当はもっと他のこれら全てを包含する訳があるべきではないのかとか、考えてしまいます。
また、spazio(スパーツィオ)は、「場所」「空間」など以外に「宇宙」という意味があります。英語ではspaceですね。しかし、日本語では場所と宇宙を一緒にはしません。宇宙空間とは言いますが、宇宙と空間は別のものです。こういうことを考えるとキリが無くあまり勉強にもプラスにならないかも知れませんね。
難しいことは抜きで一応、何か共通するものはないのかと探してみました。すると、vitaには、[命=生命」「生活」「人生」と、「生」という共通語が見つかりました。spazioに共通語は見つかりませんが、「空」という言葉が近い様な気がします。では中国語ではどうだろうと思い、中国語で「生」の意味を調べると、(産む)(生じる)(一生)(生活)(生物)(生の)(生徒)という意味があるようです。これでもvitaという言葉とは一致しそうに無い。ごのような概念的なものは、歴史、宗教観、長年の生活環境で異なるのでどうも一概に決め付けることは出来そうもありません。これが、外国語を学ぶ際の難しい点でもあり、また面白いところでもあると前向きに捉えることにしましょう。
尚、vitaには、ウエスト〈腰回り)の意味もあり、こちらはいずれにせよ「生」とも関係がなさそうです。
第十二章 誤解しやすい単語、発音やアクセントで意味が変わる
発音やアクセントが違うと意味が変わってくるものがある。また、巻き舌のR音など正しく発音しないと伝わりにくいものも。
125.colpo (コルポ)とcorpo (コルポ):“「コルポ」は、一撃か肉体か?”
日本人には聞き取るのは至難の業だが、lかrかとっさに判断が難しいものがある。colpoは、「打撃」の意味で、colpo della strega(=魔女の一撃=ぎっくり腰)のように使う。colpo di testa(頭突き、サッカーのへディング)、colpo basso(ボクシングのローブロー)、di un colpo(一息に、一撃で)など。
colpo di testaで思い出すのは、キングカズこと三浦選手がイタリアのGenovaに入団し、シーズン最初の試合でのこと。場所はミラノのSan SiroスタジアムでのAC Milanとの開幕戦で、私はたまたま見に行っていた。開始早々、三浦選手はボールをcolpo di testa(ヘディング)しようと、飛び上がり同じく飛び上がったAC Milanの伝説的リベロのFranco Baresi選手と、colpo di testa(頭突き)をしてしまった。三浦選手は倒れ、起き上がれず、そのまま退場し、確かこのシーズン2~3ケ月をフイにしたと記憶している。一方Baresi選手はなんともなかった。あの石頭(これはtesta dura=頑固者の意味もあるのは日本語と同じ)!
Baresi選手とは何度か町で遭遇したことがあり、そのうち一度はミラノ日本領事館のエレベータの中だ。私はピンとくるモノがあって、彼に日本へ行くのか(移籍)聞いたところ、「そうであればいいな」というような、どちらとも取れるような返事をしてきた。その後当時の総領事の方に、彼が何をしに来たのか聞いてみたところ、「ワインを飲みに来ただけだ」と、はぐらかされたので、ますます怪しいと思った想い出がある。結局彼の日本行きはなかったのだが、当時Baresi選手も35歳を超えていたと思うし、最後に日本へ行くことは十分考えられたので、話はあったのじゃないかと今でも思っている。
MassaroというACミランにいた選手が、清水エスパルスに移籍したことがあるが、日本の新聞で発表する数日前に、彼に空港であったという息子から彼がそう言っていたという話を聞いていた。彼らは、かなりきさくで、何でもしゃべるわけではないだろうが、話はしてくれる。また、大体ファーストネームで呼んで問題ない。日本だと、普段には松井とか呼び捨てにしていても、直接には~さんづけで話すのとは、ちょっと違う。どちらが良いかどうかの問題ではなく、文化の違いだと思っている。
さて、この項ではもうひとつ、corpoの事を書こうと思ったが、前置きが長くなったので簡単に。corpoは体、肉体のことで、ほかには死体や軍隊の意味もある。こちらも良く使われる単語である。昔、“corpo grosso”というテレビ番組があって、耳で聞いただけではLとRの区別がつかないので、大きな一撃なのか、大きな体なのか悩んでいた。番組はイタリアではよくある、美しい女性が沢山出てきて、かなり艶かしいものなので、衝撃が強いのでcolpoか、グラマーな肉体のcorpoかと。結論は先に書いたとおりである。
126.casinò (カジノ)とcasino (カジーノ):“アクセントで意味が異なる言葉に注意“
最初のほうは、ノにアクセントがあり、カジノと読む。この意味は、ギャンブルをする場所、カジノのこと。後方は、casaに縮小辞のinoをつけた、言葉で集会所や小屋のことをいう。小さい家は、casinoといわないで、casinaと女性形をとる。
さて、casino(カジーノ)の方は、もっと別の意味があって、こちらはイタリアでは常に耳にするが、Che casino!というように使われます。casinoは俗語で、混乱のことをいい、Che casino!は、「なんとまあ!」という驚きの言葉。道が渋滞しているような状態のときに必ず発せられる言葉である。例えば、空港や駅からタクシーに乗って、道が渋滞にあったとすると、タクシーの運転手はまず間違いなく、この言葉を発しますから、一度試してみてください。
さて、アクセント位置で意味が全く変ってしまうもので、もうひとつ代表的なものとして、papa(パーパ) とpapà(パパ)を上げておきます。前者は、ローマ法王、後者はパパです。ちなみにpadreは神父のことなので、padreよりもpapaの方が偉いことになる。
127.mare (マーレ)とmale (マーレ):“日本語ではどちらも「マーレ」だが?”
mareもmale もカタカナで書くと、「マーレ」となる。日本語では、一般にはRとLの区別がないので、トラブルが起きることがある。勿論RとLだけでなく、アクセントや抑揚、その他の発音でも色々と問題は起こる。要はそんなことでいちいちめげていたら、会話はできないし語学は上達しない。日本語でも上方と東京では、言葉やアクセントはかなりことなるのだから。
ある人が小包を船便で送ろうと、郵便局でmare(海)?と聞いたら(本当はvia mare 船便)、局員さんが、Bene, bene.(オッケー)と言ってきた。送ろうとした人はbeneだから良かったと、そのまま帰ってきたが、実は male?(ダメですか?)と相手には伝わっていて、相手は「いや大丈夫」だと答えたのだが。会話にはなっていないが、ことは収まっている。
中国でおおよそ1985-6年頃だと思うが、個人タクシーが増えてきた。それまでは国営企業で、料金は決まっていたのだが、個人タクシーになると乗ってから料金を交渉しなければならなくなった。相手がいくらかというのを、1~2回ねぎって、まあいいかと、「可以」(OKの意味)といったつもりだが、相手は、うーんと考えてまた値段を下げてきた。実は、私の中国語の発音、特に四声はめちゃくちゃなので、「貴」(高い)と聞こえたらしい(ちなみにどちらも私にとっては「クーイ」である)。これなどは、得した例である。従い、あまり細かいことに気を遣わない方が良い。私の発音の失敗談は他の項にも載せているが、まあ山ほどある。恐らくみなさんも一つや二つはあるのではないでしょうか。たまにはいいこともあると、思うのがいいのでは。
知り合いのオーストラリア人は、箱根(Hakone)を「ヘイコーン」、池袋(Ikebukuro)を「アイクビューロー」と言っていて、そこへ行ったと聞いても、一体どこへ行ったのかさっぱり分からなかった。東京に(小竹向原)という場所がある。そこに住んでいる当校講師のイギリス人が言うと、小竹がケンタッキーと聞こえる。イタリア語は、LやRを除くと発音にはそれほど困らないが、英語はネイティブらしい発音を覚えるよりも、中味が大事だと思うが如何か?
日本語の発音でも文章を話せることが大事、つまり自分の意見を言うことがどれほど大事かということです。私は、外国語のテキストで一通り学習したら、次は作文(日本語→外国語)を勧めます。日本語を外国語にしないで、どうして自分の意見と言えるのか、と思うのです。
128.torre (トッレ):“犬が上手、R~~の巻き舌“
イタリア語でrの音は必ずしも巻き舌を使う必要はないが、強調するときには巻く。特に、Romaのように最初に使われRの次の母音にアクセントがある場合は、巻き舌を使う。オペラの歌手は、最初のRは必ずと言ってほど、強調した巻き舌で発音する。
巻き舌が出来なくて失敗した話をひとつ。Pisaの斜塔のことは、la torre pendente とか la torre cascanteと言えば、「斜塔」の意味なのですぐわかるのだが、Pisaでは、pendenteなどは使わなくても分かるだろう。と思ってPisaに着いて早速informationへ行き、torreはどこですかと聞いた。係りが二人いて言うには、È fuori, subito a destra.(外へ出てすぐ右だ)。というので、近いのかなと思い、Si può andare a piedi?(歩いても行けますか)と聞いた。一人が笑いながら、Se vuoi, predi un taxi. (もし望むならタクシーでもどうぞ)と言う。Grazie!とお礼を言って、外へでて右へ曲がって、目の前にあるものを見て気がついた。私のtorreのrrは巻き舌でないので、彼らが何を教えてくれたのかを。informazioniに戻って、彼らの顔を見た途端、にこにこしながら、声をあわせて、Hai fatto? (済んだかい)と聞いてきた。この二人はあくまで真面目で、変な日本人が来て、トイレに行くのに歩いて行けるのかと聞いてきたと思っていたことだろう。そこで事情を説明して彼らがイタリア式に大笑いしたことを覚えている。これは、実際愉快な経験で未だに思い出すと笑ってしまう。
なお、犬が威嚇する時に発するあの“ぐるるる~”という音はRの巻き舌だそうである。だから、巻き舌の練習にはあれを真似すれば良い。さて、rrが続く言葉をいくつか上げておきましょう。上の要領で、訓練してみては。 terra (大地)terremoto(地震)、ferro(鉄)、porre(おく)、introdurre(導入する)、birra(ビール)、morra(じゃんけん)、serra(温室)、verrà(venireの未来形)など
第十三章 愛称、外来語など
サッカーチームの名前など一般に愛称で呼ぶことが多い。それを紹介する。
129.Diavolo (ディアボロ):“サッカーチームの愛称と由来”
サッカーチームの愛称を述べてみよう。ミラノのチームは、Il Milanと L'Inter の2チームが有名だが、それぞれ愛称を Diavolo とBiscione(ビショーネ)という。愛称は他にもあって、前者はRossonero(ロッソネーロ)、後者はNerazzurro(ネーラッズーロ)というが、これはそれぞれのユニフォームの色を表しているだけで、あまり面白くはない。Diavoloは悪魔の意味である。これは、創設当初1900年代初期にIl Milanがとても強く、その戦い方が悪魔のようで、Diavolo Rossoneriと呼ばれたことに由来する。diavoloは会話の中で使う場合、あまり上品な言葉ではない。Va' al diavolo!などは、「あっちへ行け、消えろ!」の意味。Che diavolo~? は「おやまあ、一体~を」という表現で使う。
一方、Biscioneは大蛇のことで、これはミラノを支配していた貴族Visconti家の紋章に由来する。従い、もともとはL'Interがいわば上中流階級に支持され、Il Milanは労働者階級に支持されていたようである。今はそんな区分けはないようだが。尚、それぞれのファンにも愛称がある。Il Milanのファン(tifosi)は、Milanista(ミラニスタ)、L'InterはInterista(インテリスタ)と呼ぶ。これに比べると日本は大人しいですね。サッカーもチーム名は浦和、愛称はレッズ、ファンは浦和ファンくらいですし、野球でもチーム名:読売〈巨人)、愛称:ジャイアンツ、巨人ファンじゃ、面白くも何ともないか。チーム名:阪神、愛称:トラ、ファン:トラキチ、なら少しは面白いかな。
130.Gobba (ゴッバ):“サッカーチームの愛称その2.イタリアの「巨人」はユーベントス”
猫背の女性(せむし女)この言葉は、Juventus(サッカーチーム)の愛称です。勿論男性の場合は、gobboと言います。Juventusは、他にも愛称があって、madama(貴婦人)や la vecchia signora(老婦人)とも呼ばれます。またユニフォームの色からは、Bianconeroがその愛称です。何故こんなに愛称が多いのか、それはJuventusがイタリアで最も愛されているチームだからです。いま日本では、日本人が属するチーム、L'Interやそれとミラノダービーを争うIl Milanが有名ですし、勿論この2チームもとても人気のあるチームですが、最も伝統と強さと人気を兼ね備えているのはJuventusなのです。言わば、「巨人軍」に当たるのがJuventusだと言えるでしょう。Juveは、Fiatの傘下にあり、Fiatの前会長のGiovanni Agnelliが、Juveを強くしたとも言えるでしょう。
さて、Giovannni Agnelliは通称Gianni Agnelli またはL'Avvocatoと呼ばれていました。イタリアのGDPの3%とも4%とも1人で稼いでいるとも言われた、大実業家であり大富豪です。1990年頃ですが、株式市場の40%を2社で占めていると言われている時期がありました。25%がFiatで残りの15%はGENERALIという保険・不動産会社です。株式市場の時価の25%を占める会社のオーナーですから、相当な力を持っていたことが想像出来ますね。
今は、元首相のBerlusconi氏がイタリア屈指の大富豪と言われています。Agnelli氏は終身上院議員になりましたが、政治家としての活動は殆どなく、しかし政治的な影響はとても持っている実業家でした。大変なおしゃれでも有名です。Romitiというコワモテの右腕がいて(確かにとても怖い顔をしています)、corruzione(汚職)などの罪は彼が被りましたから、Agnelli自身はそういう問題からはうまく逃れています。イタリアは日本以上に車のメーカーが多い国でしたが、Lancia、Alfa Romeo、Ferrari, など大手は殆ど全てFiatの傘下に下りました。イタリアを代表する会社のproprietario(オーナー)として、人気があったのではないでしょうか。その証拠に、20年ほど前に“Jonny Lambs“というブランドを持つ衣服のメーカーと出会いました。このブランドが、Givanni Agnelliのパロディだとは、説明されるまで気づきませんでした.このブランドがまだあるかどうか分かりません。中高級のカジュアルウエアでしたが、実業家の名前をパロディにしてブランドにするのですから、大したものというのか驚きますね。Agnelliと何か関係があったのでしょうかね??。日本だったら、Felice Sottopino(松下幸之助)はいかがでしょうか。