Besiegeで学ぶ機構学#2の振り返り。
閲覧ありがとうございます。「Besiegeで学ぶ機構学#2、対偶と機構学の話(Youtube、niconico)」振り返るnoteです。
導入
Aviutlだともうちょっとカッコよかった気がするんだけど、エンコしたらズレた。(´・ω・`)。
対偶とは
ここではそんなに語ることはないです。
日本語だと仰々しく「対偶」って呼びますが、英語だとただのpairです。ペア。論理学の対偶とは関係ありません。
「隣り合った」っていうちょっと曖昧に思える表現なのは、磁力で浮いてて接触してないじゃん!みたいなのがあるためです。このあいだ磁気歯車についてちょっと書いたものはこちら。
対偶の種類の紹介
今回の動画では点、線、面対偶と面対偶の中の4つを紹介しましたが、これ以外にも(特殊なものではありますが)対偶は存在します。上で挙げた磁気のものや、リビングヒンジなどもその例です。ただ、これらを対偶に入れていいのかどうかは議論があります。
プラスチック製のリビングヒンジ。
機構学では機素を剛体として動きを考えます。対偶は機素と機素の組み合わせですから、剛体と剛体の組み合わせではない(一体化した)リビングヒンジは、なかなか面倒な存在です。ただ研究しないわけにもいかないので、一応対偶ってことにしています。
私の専門である材料学の目から見ても、ちょっとおもしろい機構/対偶です。
それから、Besiegeの世界では動摩擦と静摩擦が別に設定されていません。ついでに点接触と線接触にも差がありません。そのため、接触状態の種類による恩恵が現実と比べると受けづらいです。ホイールや球が大して丸くないのも恩恵を受けづらい原因の一つですね。特にBesiegeは回り対偶が充実しているので、球や円柱を利用した対偶にはあんまり出番がありません。さびしいですね。
螺旋の矢印出す方法がわかりませんでした。
自由度とは
「自由度」という言葉は、もともと数学の言葉です。関係しあっている変数のうち、自由に決められる変数の個数を言います。機構学は幾何学に基づく学問なので、数学っぽい用語が多用されます。但し、同じことを意味しているのに機構学と幾何学で別の用語を使うこともあります。
自由度は他にも、力学、熱力学、統計学にも用いられる用語です。根源的な意味は同じです。
力学の例を挙げてみましょう。物理で習う「質点」は回転を考えず、XYZ、それぞれの並進(直線)移動のみを行うものであるため、1質点の自由度は3です。
なんとなく理解していただけますかね?
統計学における自由度→(https://blog.apar.jp/data-analysis/5952/)
ロボットアームは自由度が高いものが褒められる傾向にあります。自由度が高い方が、いろいろな向きからいろいろな場所に腕を向けられるためです。但し、自由度が高ければ高いほど精度が下がり、振動なんかも多くなります。モーターの数が多い分重くなったり、力をあまり発揮できなかったりもします。様々な問題を解決するには、プログラムによる制御補正の技術や、機構学などのアイデアを活用していくことになります。
Besiegeのロジックはちょっと扱いづらいですが、ロジック拡張Modや、最近ではLuaScriptingModなども出ています。プログラム関連の知識と機構学を合わせることで、より高度な機械を作ることもできるでしょう。九段も苦心中。
締め
というわけで、こんな感じでいかがでしょうか。今回はあんまり追加で話すことがなかったですね。
軸受の話を動画にしようと思っちゃったせいですね。今度からはnoteのことも多少は考えて動画にしようと思います。
さて、次回は「リンク機構の基礎」を扱おうと思っています。旧シリーズのパート1、2で扱った部分です。次回の動画で追いつくことはないかな、くらいの感覚で作っています。次々回以降、新シリーズが新シリーズに追いついた頃にはちゃんと宣伝しよう。
閲覧ありがとうございました。次回も見てね。