アルジャーノンにスプレーを

※虫注意!
大分前に作った私小説の現代版

2023年某日
とある実験場で人知れず人類への脅威が誕生した

おや?
あなたはどなたですか?
人の食事中に声をかけるとは無粋な
え?ここの家主?
大変失礼しました
私アルジャーノンと申します
食べ物を探していた時に何やら虹色に光る液体を味見して食しました
すると急に頭がスッキリとして、奴らの言語や書物を理解できるようになりました
ああ、奴らというのは我々にとって忌むべき仇敵
仲間の仇でもあります
私は奴らを研究し、家族、同胞の仇を打ち、この世界を我らの完全なる楽園を築き上げるのです
そのためにも、奴らの動向を探っています
奴らは我々の先祖の誕生以降に出現
以後、独自の進化を遂げました
まず、奴らは自分の領地を広げることに貪欲です
生物である以上
より多くの子孫を残すために豊富なエサ場、天敵のいない安全な場所を探し、支配します
しかし奴らの侵略は全く意味不明なものであります
食糧でもなく、安全安心の場所でもなく、ただ支配し、自分達の虚栄心を満足させたいものです
これにはあきれ返るしかありません
我々生物がやむを得ず同族殺しを行う理由は明確
食糧と安全の為
自己顕示欲を満たすと言う無駄はしません
しかも奴らは享楽の為に他人を殺すのです
我々の何億と言う同胞達も奴らの享楽の為に殺されて行きました
奴らは我々の同胞を奇声を
こんなにも愚かで無様な生き物はいません
ご存じですか?
奴らが我々の同胞を殺す時、奇声を上げ、喜びに満ちていました
さも殺すのが楽しいと言わんばかりの表情を見せるのです
これを悪魔の所業と言わずしてなんと言いましょう
だからこそ私は立ち上がるのです
この世界を支配する奴らから我々が世界を奪還するために…

「おじいちゃん?夜中に台所で何してるの?ご飯なら食べたで…キャー!ゴキブ…!」
ブシュー

「臨時ニュースです。同居の息子の嫁への殺害未遂でこの家の男性が逮捕されました。この男性の供述によると、嫁が友人の仇敵等と供述しており。男性には認知症の診断も出ており…」

おや、こんな時間にニュースですか?
恐ろしいニュースです
病とはいえ、同族しかも息子が愛する伴侶を殺害未遂とは
あ、失礼しました
私アルジャーノンと申します
実は私、ある仇敵の調査をしています

人類の脅威はすぐそばに…

終わり

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