インテークについて⑤
引き続きインテーク面接について、言葉で自分なりに整理してみたいと思います。
インテーク面接での言葉がけというものは、説明するのがとても難しいなと感じます。ケースバイケースだし、クライエントから引き出される面もある。自分自身の姿勢としては、自分が知らないけど支援に必要なことを、「話していただく」「教えていただく」と言うスタンスが近いのかもしれません。
支援という役割を担わせていただくには、クライエントに、自分のことを開示していただき、その負担を強いる側面があります。支援者は、支援者だけではその役割を担う事はできません。
その場に居る勇気、向き合う労力を割いて、カウンセリングの場に向き合っていただく。そうしたことを尊重し、支えながらインテークが始まるように感じます。
非常にケースバイケースではあるのですが、相手の話すペースを尊重し、また話しにくい事は話しにくいこととして、その「話しにくさ」を尊重する。初回のインテイクまでどこまでクライエントが話せるかというのも、また見立ての1つです。
前に記しましたが、とりわけインテークでは、話の流れとは異なる形で、例えば家族の事や、幼少期の事などを聞く必要も生じます。これ自体も、絶対に聞かなければならないと言うわけではなく、職場によって求められるインテーク面接の位置付けによっても異なります。
聞き方も重要です。例えばこちらの意図で聞いた方が良いというような質問でも、「今回はインテーク面接と言うことで、あなたの困っている事のおおまかな概要を把握できたらと考えています。そのため、少し話はそれるのですが、家族の事についても聞かしていただきたいと思うのです」などのように、丁寧に言葉を前置きし、こちらの意図をオープンにする事は、私としては非常に重要だと思います。
また、カウンセリングに来たものの、どうなっていければ良いのか、何を動機として相談を進めていければ良いのか、すべてのクライエントが自分で把握しているとは限りません。
そのため、話の中で、とりわけ今困っている事については、「○○のようなことで今お困りなのですね」と言うように困り事を明確化して伝え回したりもします。
また「例えば、それがどのようになっていったら良いか、どう変わると良いかといったら、どのように思われますか」と言うように、希望を処方をするかのように先のビジョンを思い描いてもらうことも、視野を未来に広げ、クライエントの対処能力を引き出すのに役立つでしょう。
そう考えると、インテーク面接は、ただ情報を聴取する場ではなく、クライエントにカウンセリングという場をまず体験してもらうこと、そして主訴をクライエントの中で明確に捉えてもらうこと、またそれがどう変わると良いかという先のビジョンを提供すること、安心して話せる場であることを示すということなど、様々な役割があると言えるのでしょう。
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