臨床観について④
私はもともと認知行動療法を学ぼうとしていましたが、途中からパーソンセンタードアプローチに、学びたいもの、自分の肌に合うものが変わってきました。
これはおそらく、エンカウンターグループに参加したことが大きく、自分がありのままに思いや感情を扱えること、向き合えること、その重要性をグループの中で感じたためです。
カウンセリングの中でも、その人が抱える感情や思い、体感といったものを私は重視する傾向があります。様々な支援方法や理論を見る限り(とはいってもごく限られたものですが)、最終的に変容する部分と言うのは、身体感覚や、それにより形作られる感情体験のように思われます。
もっと細かに見るならば、おそらくは自律神経系、背側迷走神経や腹側迷走神経のバランス(とでも言うのでしょうか)もあるのでしょうが、症状は0が1ではなく、諸々の反応がグラデーションを織り成しているのだと推測されます。
そこさえ外さなければ、どの心理療法でもどのような技法でも良いのではないかと思うのです。逆に言えば、その点を外すと、どのような心理療法や技法も意味は無いのかもしれない。
そしてその土台になるものが面接室の中における安心感や安全感、カウンセラー自身の自己一致などがあり、また感情に焦点を当てた共感や問いかけなのだと推測されます。
私は他者が抱く感情や価値観、体感といったものに非常に興味があります。純粋な好奇心、またそれを聞くことによって自己を相対化できる感覚というのを、とても好ましく感じます。
そうした意味でも、パーソンセンタードのトレーニングや実践と言うのは、おそらく私には相性が良いのでしょう。
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