噂をひとつ隠したいなら、噂の森を作ればいい

木を隠すなら森の中。

噂をひとつ隠したいなら、噂の森を作ればいい。

芸能ニュースなんか、というかテレビのバラエティ番組なんか一体なんのために存在しているのか。どうしてあんなにお金が動くのか。

と思っていたけど、国民的な人気者が多いほど彼らのスキャンダルや悲劇、栄誉ある成果は大勢の注意を引きつけてくれる。それこそが価値なんじゃないか。

マジシャンがそうするように、注意を左手に引き付けている間に右手で仕掛けを施すことができる。

次々と刺激的なニュースが目の前に現れれば、曖昧で面白みのない政治家や資本家の動きはまたたく間にノイズになる。すぐに忘れ去られる。

数百兆円のお金が動く黒い取引があるなら、数十億円くらい使ってでも注意を逸らす策をとっておいて損はない。

きっとどんな国でも、大多数の国民の注意を上手に引き付けたり、逸らしたりする方法を持っているし、発達させてきたんだろうと思う。

戦前の各国のプロパガンダを紹介する本にすら、なるほどこんなやり方があるのかと感心させられる。

80年も経った今ならもっと巧妙になっていることだろう。

「なんて自由で平和ですばらしいんだ」と感じさせながら、上手に搾取することだって可能かもれない。

というか、それくらいのことは各家庭で親が子にやっていたりする。

「あなたのためを思って」「もっと苦しい家庭もあるのよ（ウチはマシな方）」くらいのことは言われたことがある人も多いんじゃないか。

だから、もっと想像もつかない形で、想像もつかない規模で、大胆に騙されているのかもしれないと考えるのは、現実的だと思う。