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誘惑とキョリを調整する自由が失われつつある??

「エントウシ、エントウシ」のリズムが頭に残るテレビCMがある。

塩分・糖分・脂肪分の頭文字をとって、「塩・糖・脂」というわけ。

人を惹きつけて止まないエントウシは、もちろん体にあまりよろしくないもので、現代人はそれをいかに節制するかが関心ごとのひとつだったりします。

健康を思えば食べ過ぎるのを控えたい食べ物や飲み物。それと、健康のために食べたいものや飲み物。ありますよね。

では、もしもそれらがすべてそろった巨大なバイキングレストランで毎日毎食を消費することになったとしたら、この天国みたいな状態で健康的な食事を選択し続けることができるでしょうか?

僕だったらケーキやら揚げ物やらばかり食べてしまう自信があります。

誘惑に屈しない一番の方法は、誘惑してくるものを視界に入れないとか、遠ざけることでしょう。

芸能人がスキャンダルに満ちているのは、きっと最高の容姿をもった異性が周りにたくさんいて自分が手にいれる力も持っているからだと思います。

それはさておき。

飲食について、さっきとは反対に自分が供給側、すなわち誘惑する側だとしたらどうすればいいでしょうか?

当然、いかにお客さんの生活の中で欲望を刺激するかが大事になります。

チラシを配ったり、おいしい匂いを店の外に垂れ流したり、SNSに写真をアップしたりすることを考えるでしょう。

しかし、こんなのはまだかわいいもの。

理想を言えば、すべての人の視界にずっとおいしそうなメニューを表示しておき、ついでに瞬時に欲したものをお届けできるようにするのがいいでしょう。

つまり、いつでも何をしている時にでも手近に誘惑装置を置いておき、瞬時に欲に応えられるようにするのが究極の売る技術です。

個人的には、そんな売り方が当たり前の世界なんかごめんこうむりたい。人をバカにした社会だとも思います。

ですが、残念ながら今ってもうほとんどこれに近いようなことがまかり通っているなと思います。

連絡を取ろうとするときも、娯楽を楽しもうとするときも、仕事をするときも、ほとんど何をするにもスマホかパソコンを開かざるを得ません。

スマホやパソコンを開いてしまえば、あらゆる誘惑がゼロ距離に並べられてしまいます。必ず広告もある。この状態で欲に屈するなという方が無理があります。

僕は、リラックスしつつ注意を集中させて長期的な計画を立てたり、長期的にみて自分にとっての価値に近づく選択を取れることが人生を意義深いものにすると信じています。

その立場からすると、ゼロ距離にあらゆる誘惑がある社会はその邪魔にしかなりません。

歓楽街やショッピングモールの中に居を構えるようなものです。

自分の周りに何を置くか、何に注意を向け、何に向けないようにするか。

僕らは便利と引き換えに、こうした自由を差し出しているんではないでしょうか(などと言いつつ、ここまで書く間に5回はSNSを開いてしまっているし、自分も誘惑者側になってしまっている…)。

同じようなことを感じている同世代はそれなりにいると思うので、メールとLINEしか機能のないスマホを作れば意外と売れるんじゃないでしょうか。


閑話休題。

では、こんな社会を僕らはどう生きていったらいいのか?

いろんな本を読んで考えて、こちらのnoteに面白おかしくまとめました。投げ銭やスキやコメントで応援してもらえると励みになります。


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久高 諒也(Kudaka Ryoya)|対話で情熱を引き出すライター
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