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ペーパードライバーが六本木で学科試験対策講座を収録する話
3年間通った神戸市外国語大学大学院の修了式があった3月25日。その翌日に私は神戸から東京に向かい、六本木で二日間仕事しています。その仕事は何かというと、通訳ではないんです。
私の通訳仲間に自動車学校を経営している親友がいるのですが、彼から学科試験対策講座を英語で講義してくれないか?というご依頼があったのです!依頼主の小野尾さんはキャリアコンサルタントとしても活躍しており、千葉日報に連載で寄稿していたこともある方です。
一方の私は2008年に免許を取得して以来、全く運転しておらず、14年ほどペーパードライバーをしております。実技試験なら完璧に落ちると思いますが、紙に書かれたことを理解して解説する学科試験の対策講座なら何とかなるだろうと思いました。
何とかなると思ったはいいものの、その準備作業は大変でした。いつもの仕事と育児と大学院での研究をこなしつつ、300ページの学科教本の英訳版を読み込み、仮免・本免問題集を600問ほど解き、講義用のパワポを21本分作成しました。これは一度にできるものではないので、半年ほど前からちょっとづつ取り組んできました。
そして3月27日。東京は六本木の収録スタジオにやってきました。
六本木は富裕層が住むというイメージが勝手に先行していたのですが、実際に駅周辺を歩いてみると風俗街で、20代らしき若者が集団でマスクもせず酔っ払っているのでした。おまけにゴミの量も多くて空気はまずく、深呼吸しようという気にはなりませんでした。
朝ごはんで入った店では、飲み屋で朝まで飲んでいた若者がまだ酔いも醒めやらぬ状態で、マスクもせず大声で話すのです。また街頭でもマスクをしない外国人も多く、そりゃあ東京のコロナ感染者は多いわ、と妙に納得してしまいました。
また六本木駅近くは交差点付近に超大画面のスクリーンから大音量で宣伝広告が絶え間なく流れており、まるで静寂を恐れているかのようです。どこを歩いていても何かしら雑音があって、一人で何かを考えるような余地もありません。
一方で駅から20分ほど歩いたところにあるスタジオ付近は非常に穏やかで、国立新美術館や青山霊園のあたりは桜並木が見頃です。空気もキレイで、同じ六本木でもここまで違うのかとびっくりしてしまいました。
さて、スタジオには8:30に集合し、9:00から収録開始です。1日目の27日は仮免の問題を11回に分けて収録します。
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収録が終わる頃には喉も痛みを感じていました。仕事後は東京を回る気力も特になく、最低限の買い物だけしてホテルに戻りました。ホテルでテレビのチャンネルをいじっていると、BBCが視聴できることが分かり、つけてみると、どこかで聴いたことのある声がしました。
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これはもしや・・・。そう、大学院の会議通訳研究という授業でお世話になった放送通訳者の先生による同時通訳でした。ああ、やっぱり放送通訳はかっこいいなぁ。授業では毎日変わっていくニュースの同時通訳の準備と練習をさせていただいた当時、放送通訳がどれだけ大変かを実感したのを覚えています。
朝ごはんから帰ってきて、エレベータ近くにある無料の読売新聞が積まれているスタンドを見ると、何やら怪しい封筒が。みずほ銀行のようですが、中を見てみると札束が入っているではありませんか!怖すぎてホテルのフロントに預けました。持ち主に戻りますように。
さて、今これを書いているのは二日目の朝です。これから1時間後にはスタジオに到着し、準備をしていることでしょう。それでは行ってきます!