大人の学び直しには理由にこだわろう。
高校の授業で、「これってなんでこういう名前なの?」と不思議に思うことはありませんでしたか?私は当時、定期テストで点数が取れれば良いとしか思っていなかったので、言葉の由来にまで意識が行きませんでしたし、参考書にも特段書いていないことが多い。
しかし今、世界史や数学などを学び直してみると、「これはなんでこういう名前なのかが知りたい」という欲求が強くなっていることに気づきます。この記事ではそのいくつかをご紹介したいと思います。
なぜ清教徒革命というのか
まずは世界史から。イギリスでは17世紀前半に清教徒革命が起こり、時の国王であったチャールズ一世が処刑されました。そこからクロムウェルの暴走、王政復古、名誉革命とつながっていくのですが、ここで問題にしたいのはなぜ「清教徒革命」というのか?というところです。
清教徒は英語ではPuritan。ピューリタンというくらいですから、他のキリスト教徒と何かが違っているはずです。『世界史の窓』という学習支援サイトを見てみると、以下のように書かれています。
ここでやっと理屈が分かってきます。当時のヨーロッパでは宗教改革が既に起こっており、腐敗したカトリックから信仰重視のプロテスタントが生まれました。清教徒もプロテスタントの一部であり、カトリックをより純化(purify)することを目指したことが分かります。だからピューリタンなのですね。
大人の学び直しは、こういう理屈が大事だと思います。学生時代と比べて暗記という突っ走り型の学習には無理がありますが、経験がある為に論理を与えられれば覚えられます。昔は気にもとめなかった項目にも興味を示せるようになる。これは大人の学び直しのメリットかもしれません。
対数は何の為にあるのか
次は数学IIの対数計算についてです。私は7月に数学検定2級を受験するつもりで、今はまず高校2年生で学ぶ計算問題を解けるようになろうと、少しずつ勉強しています。
対数にはlogというものが出てきます。例えばlog2の8 = 3 などです。これは2の3乗=8というのを別の方法で表現したもののようです。「じゃあなんでこんな面倒くさい作業をしないといけないの?2の3乗で良いじゃん!」と思ってしまいます。ですが高校生の時は計算できりゃいいと思うので、あまり数式の由来に考えが及びませんでした。
そこで調べてみると、以下のサイトが見つかりました。
これによると、対数の発見によって、膨大な掛け算・割り算が足し算・引き算に変換されて、計算量が大きく減ったということのようです。つまり対数の貢献は、計算の簡素化にあったと言えそうです。そこから、対数を使って巨大なもの、極小のものも計算できるようになってきた。おまけに、『ありがとう、対数』というウェブサイトまであります。
高校時代の先生は、ここまで説明してくれた記憶は全くありません。なんの背景説明もなく、対数が出来たら何ができるようになるなるのかも教えられず、ただ計算をして、あっていれば「正解」、間違っていれば「違います」というだけの先生だった記憶があります。そりゃ忘れるわ。
このように、何らかの理屈を説明してくれると理解できますよね。大人の学び直しには入試突破という目標などないのですから、一つ一つの項目を時間かけて理屈付きで学習すれば良いと思いますし、それが学びの喜びにつながると思っています。
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