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初ドバイ!③ ドバイがなぜ世界から人を惹きつけるのか

ドバイも今日で四日目。仕事の現場も、お金の相場も、少しづつ分かってき出した頃です。慣れてきた頃にここを出発しなければならないのが少し残念ですが、日本に帰れることも、そして家族に再会できることも同じくらい楽しみにしています。

この記事ではドバイがなぜ世界中の人々を惹きつけるのか、本を参照しつつ現地での経験を引き合いに出しつつ、私なりの考えをまとめてみたいと思います。

国が人を惹きつける要因:言語、地理、規制、文化

ある国が他国からの人を惹きつけるとき、そこにはいくつかの要因が存在しているように思います。この記事では言語、地理、規制、文化という側面から考えてみたいと思います。

言語

まずドバイでは、アラビア語と英語が併用されています。とはいうものの、先日の記事でも書いた通り、実質的に英語圏と考えて良いのではないでしょうか。タクシーに乗っても買い物をしてもそうですが、アラビア語で話しかけられることはまずありません。全てが英語で事足りてしまいます。

この利点は非常に大きいと思います。日本の場合ですと英語が話せる人がある程度限られてしまいますし、テレビなどでも英語の番組が字幕なしでどこでも観られるというわけでもありません。まずドバイは言語的に有利です。

この言語的優位性はどこからくるのでしょうか?そこで少しだけ世界史を紐解いてみますと、ドバイのあるUAEは1971年まで、イギリスの保護領だったことが分かります。保護領というのは、「宗主国に保護される反面、外交権においては支配を受ける関係」(コトバンク)というものです。

保護領が終了するきっかけとなったのは1968年、イギリスがスエズ以東から撤退とする決断をしたことにあります。そこから国として安全保障をどうしていくかを考えた結果、UAEという形になったそうです。UAEはUnited Arab Emiratesですから、Unitedという単語を使っているところから既に、United Kingdomの匂いがしますね。

地理

UAEと周辺の地図

UAEは沿岸国であると同時に、中東の他国、ヨーロッパやアフリカにも程よく近く、訪れることが容易な国であることも、世界中の人を惹きつける要因と考えられます。

実際に展示会の通訳でも、サウジアラビア、カタール、オマーンなど中東国をはじめ、アフリカはケニア、スーダン、ナミビア、コートジボワールなど、普段日本にいるとほとんど接触できないような国の人と出会えました。それだけUAEに近いということでしょう。

一方の日本は地理的には多くの国からは遠く、UAEに行こうというノリで日本に行こうとは考えられないのではないでしょうか。実際、日本からUAEに飛んだ時は11.5時間かかりましたから、日本からも決して近い国ではありません。

規制

ドバイでタクシーに乗った時、気のいいドライバーがドバイについて色々と教えてくれました。その中でも印象的だったのは、「ドバイは法の支配が行き届いている」ということでした。

ドバイ在住の日本の友人も言っていたことですが、ドバイでは何か悪いことをすると監視社会な為にすぐ見つかってしまうそうです。それは国民にとっては恐怖かも知れませんが、外国からやってくる身としては、安心材料なのではないでしょうか。

実際、タクシーで法外な値段を請求されませんでしたし、他にも市内を移動していても治安が悪い、という印象は全くありませんでした。車が多すぎて大気汚染が進んでいるだろうことは、空の濁り合いを見れば一目瞭然ですが・・・。

規制の面からも、外国からビジネスや観光客を呼び込む準備が整っている感じが、UAEには感じられました。それにしても外国人が多くを占めるUAEで、治安も良く、英語がどこでも通じて、地理的に来訪しやすいとなれば、UAEが栄えない理由はないと思います。

文化

一方で文化という側面では、数日間の滞在では何も確かなことは言えないことを前置きしつつも、UAEらしさというのはあまり感じられなかったように思います。

日本では家屋やお祭り、食べ物など、他の国ではなかなか見つからないものが多く挙げられます。文化的資本に優れていると言えば良いでしょうか。その物珍しさを求めて、遠路やってくるのでしょう。しかしUAEを見る限りは、文化的資本というよりは、とりあえずビジネスがしやすい、観光で非常に分かりやすい見どころがある、という特徴があるかと思います。

逆に言えば、地理的に離れている日本だからこそ、文化的資本へのアクセスの遠さが、他国にとっては珍しさになっているかも知れません。例えば食べ物なら、「この食べ物は隣国でもある」という感じで、地理的に他国と近いと似た要素を持つこともあるでしょう。そういう意味では、UAEでの文化的な差異化は難しいのかも知れません。

以上、ドバイが世界中の人々を惹きつける要因について、自分なりに分析してみました。間違った内容が含まれている場合は、調べて修正しようと思いますが、国をいろんな観点から見る能力は、海外に行くことで研ぎ澄まされていくような気がします。

先日も書いた通り、ドバイでの展示会で日本の存在が皆無だったことは、日本が内向きになっていることと無縁ではない様に感じます。お隣の韓国や中国も出展していないのならまだしも、日本だけいないのですから、残念で仕方ありません。大学でも出来るだけ海外に目を向けられるような授業を展開していかないといけないなと思います。


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