外大生はどんな職業に就くのか?
ラジオ関西の『ラフ・スケッチ』という番組に出演させていただいた際、出身の神戸市外国語大学について話しました。外国語大学(外大)というと英語がペラペラ、なんていうイメージがあるかもしれませんが、実際中に入ってみると、みんなが「英語話したい!」という感じではないことが分かります。
学生の中には英語で文学を読みたい人がいます。その中でも英文学が好きな人、アメリカ文学が好きな人、英語詩が好きな人と分かれていきますので、卒業論文などの研究テーマは人それぞれといった感じです。将来は英語で小説を書きたい!という人もいたかもしれません。
そんな英文学を読む際に知らない単語に出会うと必ず頼るのが辞書ですが、その辞書編纂に興味を持つ学生もいました。
また文学が英語を「読む」ことであるのに対して、英語を「話す」ことに重きを置く学生もいます。そこから英語を教える英語教師になりたい人、英語の発音に魅了され、音声学に興味を持つ人、さらに私のように英語通訳を目指す人など、「話す」という分野でも少しずつ興味関心が違っており、それが将来目指す職業に繋がってい来ます。その他には言語そのものを研究する言語学に興味を持つ学生もいます。
神戸外大では特に、英語教師になる方が多い印象があります。実際に大学院には現役教師を対象とした専門職大学院が開講されています。
英語を「聴く、観る」のが好きな人は、英語の映画を観ることに興味を持つ人もいます。また英語の歌に興味を持ち、英語の歌詞を読解、分析したりする人もいます。「聴く、観る」のが好きな人の中には、映画の字幕翻訳や歌詞の翻訳に携わる人もいます。
また英語を使うことから少し離れて、英語圏の国やその文化などに興味を持つ学生もいます。こちらは英語を用いて外国の情報を取得し、外国についての見識を身に付けるというものです。興味関心が言語そのものよりは、その言語を話す人々、そしてその人々が作り出した国々について研究します。
また歴史に興味を持っている人は、英語史に興味を持つ人もいます。英語という言語が古英語から中英語を経て近代英語、そして現代英語となっていく過程を、高校の世界史で学んだ知識を元に明らかにしていくものです。歴史好きには堪らない分野でしょう。私もその一人で、2年ほど前に英語史と語源の関係について動画にまとめたことがあります。
いかがでしょうか。まだまだ網羅できていない職業や分野もあるかと思いますが、私が大学時代を振り返ると上記のような職業についている人を思い出します。英語ペラペラという言葉自身が外大生にとってはプレッシャーになってしまうこともありますが、外大には英語もしくは外国語について、興味関心も多様であることが分かっていただけたのであれば、嬉しいです。
そしてこれから外大(ちなみに日本には東京外大、名古屋外大、神戸外大、関西外大、京都外大、長崎外大、そして神田外語大学の7外大があります)を受験しようとしている方に少しでもご参考になれば幸いです。応援しています!
全国外大連合:
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