愛情生活
秋が深まる季節になると、毎年恒例の立川昭和記念公園の紅葉デートが欠かせない。今年は新しい家族を交え、親子3人水入らずでのデートだ。去年の今頃は『いつか子どもを授かったら3人で遊びに来ようか』なんて話してたものの、まさか現実になってしまうとは思ってもみなかった。
これまで赤子との外出は抱っこひもを使って自宅の近所を少し散歩した程度だったが、今回はベビーカーを使って電車移動。義両親にいただいた立派なベビーカーを使って、はじめての本格的なお出かけに挑戦した。多少の不安はあったものの、グズグズすることなく大人しく外の空気を楽しんでいてくれたので、安心してお出かけを楽しむことができて感無量。
ちょうど見頃の時期だったのだろうか?去年に比べて驚くほどの人々で賑わっており、コロナであることを忘れさせられる光景だった。園内になる有料ゾーンのゲートをくぐると、そこには黄色く色づいたイチョウ並木が登場すする。地面は黄色い絨毯が敷き詰められており、四方八方が芥子色。イチョウの隙間から見える空模様は燦々と光が降り注ぐ晴天だ。気温も暖かく柔らかい日差しに恵まれて、紅葉デートにはもってこいの一日であったに違いない。多くの人々がスマホ片手に、黄色い景色の中で満面の笑みを浮かべて記念撮影に夢中になっている。私達もまた、この一瞬も焼き付けるようにフィルムカメラとスマホを片手に家族の思い出を切り取っていく。
昭和記念公園の園内には「赤ちゃん休憩室」と呼ばれるものが併設されており、中にはおむつ替えの台と授乳室が用意されている。お湯の出る洗面台も完備されているので、粉ミルクを作るにも最適。授乳室は個室形式になっていて内側からロックがかけられるなど、子育てをする母親にも安心の設計。
子どもが産まれてはじめて、こういう施設の有り難みを感じる。広い園内には複数の赤ちゃん休憩室が用意されているため、赤子がグズったときにも対応できる安心感からゆっくりと楽しめる醍醐味がある。
ショッピングモールをはじめ、さまざまな場所や施設には子連れにも優しい設備が用意されている。わかりやすい目印として赤ちゃんのシルエットを象ったマークの看板を度々見かけることはあった。しかし、これまでは自分自身に子どもが居なかったため、気にも留めずやり過ごしていたのに。いざ、母親になって乳飲み子とともに外出をするとなると、こうした設備は欠かせない存在。どこへ出かけるにも赤ちゃんマークの看板を意識的に目で追っている自分が不思議で仕方がない。これまでの人生とは180度違う視点で外出を楽しむ環境にまだまだ慣れないものの、まったく新しい生活水準に新鮮味を感じて楽しさもある。子連れの外出は自身に子どもが居なかったとしても、ある程度その要領を想像することはできた。しかし、実際に体験してみると多くの気付きがあり、当事者にならないとわかり得なかった発見も数え切れないほどある。赤子との生活を通して、いろんな文化を学ばされているような。日々、驚き・発見・学びの連続といっても過言ではない。
※ ※ ※
家族水いらずでの紅葉デートを終え、帰りはわがままをいって近所にある行きつけのラーメン屋さんで夕飯を済ませることに。カウンターのお店なので赤子がいると難しいか?と思っていたものの、ベビーカーで店内に入ることを許可してもらい久しぶりにラーメンを堪能。
いま住んでいるマンションに引っ越した当日、はじめて訪れた飯屋がこのラーメン屋さんだった。自宅の家の前にあるということで何気なくふらっと立ち寄ったのをきっかけに、かれこれ2年近く通い続けている常連。店長さん副店長さんともに気さくで情に深い人々で、いつもお世話になっている。子どもを授かった時には、赤子が産まれてくることをとても楽しみにしてくれて。産まれてから赤子を見せにお店へ訪れた際、赤子を抱きながら『みんな貴女のことを心待ちにしてたんだよ』と声をかけてくれて思わず泣いてしまいそうになった。
日々、ワタシたち家族に対してとても良くしてくれてるラーメン屋で念願のラーメンを堪能し、帰宅後は急いで簡単に家事を済ませる。そして、久しぶりに夫と二人でお風呂に入った。出産前は二人でお風呂に入るのを習慣化してたものの、赤子が産まれてからは互いに単独で済ませることが増えたので、また一緒に入ることができて感無量。
はじめて家族3人での遠出を経験し、久しぶりに大好きなラーメン屋さんで美味しいご飯を楽しみ、一日の終わりには夫と一緒にお風呂へ入る。とても充実した一日を過ごすことができてよかった。