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「ピーター・グライムズ」 ブリテン|心が折れそうになったときのプレイリスト 第125曲
<タイトル>
歌劇「ピーター・グライムズ」
<作曲者>
ベンジャミン・ブリテン
<おすすめCD>
ピーター・ピアーズ(テノール)ほか
ベンジャミン・ブリテン(指揮)
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団および合唱団
<解説>
イギリスの作曲家であるブリテンの、もっとも知られているオペラ作品です。
英語の歌詞により合唱を主体とした、いわゆる「合唱オペラ」になります。
実際に起こった事件をもとに台本が書かれています。
舞台は港のある小さな村で、作品は主人公である漁師ピーター・グライムズが、裁判にかけられているシーンから始まります。
ピーターの船「ビリー号」が沖合いに出ているとき嵐がやってきて、彼はアシスタントとして乗り込んでいたウィリアム・スポードなる少年を、口減らしのため海に放り投げたという容疑をかけられています。
ピーターは否定し、証拠も不十分であることから、彼は無罪となります。
しかし場所は小さな村。
噂に戸は立てられず、ピーターは大衆から疑念の眼差しを浴びせられます。
そこから最終的に、彼は沖合いに船を出して、そこで自決を遂げるよう指示されます。
ピーターはそれを実行し、幕となります。
現代にも通じる、社会の闇を扱った重いテーマのオペラになります。
おすすめするのは、作曲者ブリテンによる自作自演盤です。
ピーター・グライムズを演じるピーター・ピアーズは、彼のパートナーであったことが知られています。
もしかするとブリテンは、マイノリティに位置づけられる立場として、物語の主人公であるピーター・グライムズに、自身を投影していたのかもしれません。
その輝かしい功績にもかかわらず、ブリテンは生前、ナイトと呼ばれる一代貴族に叙勲されることは、ついにありませんでした。
彼の死後、その名誉を回復するための運動が起こっています。
英語のオペラというのは珍しいですし、近代の音楽としては聴きやすいほうなので、長いですが英語の勉強も兼ねていかがでしょうか。